最新記事

ウクライナ難民

ウクライナ脱出の20歳女性、「最悪の旅」がTikTokで話題に プーチンに皮肉も

2022年3月16日(水)20時45分
川口陽
ヴァレリア・シャシーノック

※動画は本文中で再生できます @valerisssh/TikTok

<シェルターから発信を続けるなどTikTok上で注目されるウクライナ人女性がポーランドに脱出>

20歳のウクライナ人女性が自国を脱出するまでの一部始終を記録し、TikTokに公開した。ポーランドを目指すウクライナ難民の一人となったヴァレリア・シャシーノック(@valerisssh)が「人生最悪の旅」と題したこの動画には、(16日20時の時点で)120万以上の「いいね」が付いている。

映像はキエフの駅で列車を待っている場面から始まり、車内の様子を紹介しつつリヴィウへ移動。ボランティアから食べ物を受け取り、さらにポーランド東部のプシェミシルを目指す。列車では10時間立ちっぱなしだったという。

国境で5時間待った後、パスポートなしで無事ポーランドに入国。難民たちには、ワレニキ(水餃子に似たウクライナの伝統料理)が提供された。その後も列車に揺られ、ついに目的地のワルシャワに到着。馴染みの顔に迎えられ、長旅を終えた彼女が抱擁を交わすところで映像は終わる。

途中でウクライナ人を支援するポーランドのボランティアに感謝を述べたシャシーノックだが、最後には皮肉を込めた字幕も。

「人生最悪の旅だった!ありがとうプーチン(絵文字)」

@valerisssh

It's the most horrible trip! Thanks Russia

♬ Celebrate the Good Times - Mason

シャシーノックはロシア軍の侵攻以来、TikTokを通じて、「シェルターでの典型的な一日」や廃墟と化した故郷の光景を日々発信してきた。16日現在、約85万のユーザーが彼女をフォローしている。

危機下の市民、とりわけ若い世代がウクライナの現実を世界に伝える手段としてTikTokが貴重な役割を果たす反面、ネット上の戦争コンテンツには負の面もある。映画のワンシーンや何年も前の動画が引っ張り出され、今起きていることとして出回る事例も散見される。

TikTokは今月6日、ロシアでの動画投稿サービスの停止を発表している。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米債市場の動き、FRBが利下げすべきとのシグナル=

ビジネス

米ISM製造業景気指数、4月48.7 関税コストで

ビジネス

米3月建設支出、0.5%減 ローン金利高騰や関税が

ワールド

ウォルツ米大統領補佐官が辞任へ=関係筋
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
2025年5月 6日/2025年5月13日号(4/30発売)

「ゼロから分かる」各国・地域情勢の超解説と時事英語

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本の未婚男性の「不幸感」は他国と比べて特異的に高く、女性では反対に既婚の方が高い
  • 2
    マリフアナを合法化した末路とは? 「バラ色の未来が来るはずだったのに...」
  • 3
    タイタニック生存者が残した「不気味な手紙」...何が書かれていた?
  • 4
    ウクライナ戦争は終わらない──ロシアを動かす「100年…
  • 5
    インド北部の「虐殺」が全面「核戦争」に発展するか…
  • 6
    悲しみは時間薬だし、幸せは自分次第だから切り替え…
  • 7
    MRI検査で体内に「有害金属」が残留する可能性【最新…
  • 8
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」では…
  • 9
    クルミで「大腸がんリスク」が大幅に下がる可能性...…
  • 10
    【徹底解説】次の教皇は誰に?...教皇選挙(コンクラ…
  • 1
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 2
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 3
    MRI検査で体内に「有害金属」が残留する可能性【最新研究】
  • 4
    中国で「ネズミ人間」が増殖中...その驚きの正体とは…
  • 5
    ロシア国内エラブガの軍事工場にウクライナが「ドロ…
  • 6
    日本の未婚男性の「不幸感」は他国と比べて特異的に…
  • 7
    パニック発作の原因の多くは「ガス」だった...「ビタ…
  • 8
    マリフアナを合法化した末路とは? 「バラ色の未来…
  • 9
    使うほど脱炭素に貢献?...日建ハウジングシステムが…
  • 10
    私の「舌」を見た医師は、すぐ「癌」を疑った...「口…
  • 1
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 2
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 3
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 4
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった.…
  • 5
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 6
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 7
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 8
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
  • 9
    クレオパトラの墓をついに発見? 発掘調査を率いた…
  • 10
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中