最新記事

経済戦略

米中の間で「いいとこ取り」してきた韓国が、半導体供給でついに決断を求められる

No Longer a Middle Way?

2022年1月25日(火)17時35分
ジン・カイ(広東省社会科学院准教授)

米中のデカップリングは避けられそうにない。そして、アメリカは韓国に対し、グローバルなサプライチェーンの再編成においてより積極的で、信頼性が高く、レジリエンスのある役割を求めている。韓国としては、日本、インド、ASEAN諸国を中心とする「脱中国化」した地域およびグローバルなサプライチェーンを構築するためにも、あらゆる面でアメリカと協力するべきだろうか。

アメリカは同盟国に圧力をかけることも辞さず、強硬路線を取るようだ。韓国の半導体メーカーに中国市場への輸出に関する内部情報の提供を要求するだけでなく、韓国企業に中国の半導体工場への先端機器の出荷を停止するよう迫っている。

韓国にとって、世界の2大経済圏の間の「中道」は、もはや存在しないのだろうか。韓国外交安保研究院の崔鎮百(チェ・ジンベック)は昨年4月に次のように警告している。

「米中のデカップリングのペースは今後数年で加速する可能性がある。これにより、ワシントンと北京の経済的な相互依存度が高かった時期にソウルが維持していた、韓中の緊密な経済関係が崩壊するだろう。北京が『双循環』を推進するということは、韓国が『アメリカとの同盟関係を強化しつつ、中国との経済協力を深める』という戦略が、現実的な選択肢ではなくなるということだ」

©2021 The Diplomat

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

トランプ氏誕生日に軍事パレード、6月14日 陸軍2

ワールド

トランプ氏、ハーバード大の免税資格剥奪を再表明 民

ビジネス

米製造業新規受注、3月は前月比4.3%増 民間航空

ワールド

中国、フェンタニル対策検討 米との貿易交渉開始へ手
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
2025年5月 6日/2025年5月13日号(4/30発売)

「ゼロから分かる」各国・地域情勢の超解説と時事英語

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「2025年7月5日に隕石落下で大災害」は本当にあり得る? JAXA宇宙研・藤本正樹所長にとことん聞いてみた
  • 2
    日本の未婚男性の「不幸感」は他国と比べて特異的に高く、女性では反対に既婚の方が高い
  • 3
    日々、「幸せを実感する」生活は、実はこんなに簡単に作れる...カギを握る「2時間」の使い方
  • 4
    インドとパキスタンの戦力比と核使用の危険度
  • 5
    目を「飛ばす特技」でギネス世界記録に...ウルグアイ…
  • 6
    宇宙からしか見えない日食、NASAの観測衛星が撮影に…
  • 7
    インド北部の「虐殺」が全面「核戦争」に発展するか…
  • 8
    タイタニック生存者が残した「不気味な手紙」...何が…
  • 9
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 10
    金を爆買いする中国のアメリカ離れ
  • 1
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 2
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 3
    MRI検査で体内に「有害金属」が残留する可能性【最新研究】
  • 4
    ロシア国内エラブガの軍事工場にウクライナが「ドロ…
  • 5
    中国で「ネズミ人間」が増殖中...その驚きの正体とは…
  • 6
    日本の未婚男性の「不幸感」は他国と比べて特異的に…
  • 7
    マリフアナを合法化した末路とは? 「バラ色の未来…
  • 8
    タイタニック生存者が残した「不気味な手紙」...何が…
  • 9
    インド北部の「虐殺」が全面「核戦争」に発展するか…
  • 10
    私の「舌」を見た医師は、すぐ「癌」を疑った...「口…
  • 1
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 2
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 3
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 4
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった.…
  • 5
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 6
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 7
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 8
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
  • 9
    クレオパトラの墓をついに発見? 発掘調査を率いた…
  • 10
    MRI検査で体内に「有害金属」が残留する可能性【最新…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中