最新記事

変異株

オミクロン株、ファイザー製ワクチンによる防護を部分的に回避か=南ア研究

2021年12月8日(水)14時17分
ファイザーとビオンテックの新型コロナウイルスワクチン

新型コロナウイルスの新たな変異株「オミクロン株」は、米ファイザーとビオンテックのワクチンが提供する防護機能を部分的に擦り抜けることができると、南アフリカのアフリカ・ヘルス研究所の研究者、アレックス・シガル氏が指摘した。写真はファイザー製ワクチン。ジュネーブで2月撮影(2021年 ロイター/Denis Balibouse)

新型コロナウイルスの新たな変異株「オミクロン株」は、米ファイザー/ビオンテックのワクチンが提供する防護機能を部分的に擦り抜けることができると、南アフリカのアフリカ・ヘルス研究所の研究者、アレックス・シガル氏が7日に指摘した。

シガル氏はツイッターへの投稿で、新型コロナウイルスの従来型と比較して、オミクロン株では中和率が非常に大きく低下したと説明した。

同氏の研究室のウェブサイトに掲載された資料によると、同研究室ではファイザー/ビオンテックのワクチンを2回接種した12人の血液を検査した。この資料にある暫定データはまだ専門家によって検証されていない。

シガル氏はツイッターへの投稿で、確認された中和抗体の水準について、研究室で今後さらに実験を行った後、修正される可能性が高いとしている。

同氏の研究では、ワクチンを2回接種し、かつ過去に新型コロナに感染したことのある6人のうち5人の血液でオミクロン株が中和されたことも分かり、追加接種(ブースター接種)によって感染予防効果が高まる可能性が示された。

シガル氏はツイッターで「この結果は予想以上だ。抗体が多いほど、オミクロン株から守られる可能性が高い」と述べた。

南アではまだ追加接種が実施されていないため、同氏の研究室では追加接種を受けた人の血液は検査していないという。

今回の研究結果は、ワクチンが重症化や死亡を防ぐ効果が低くなることを意味するものではない。

オミクロン株はこれまで日本や米国を含む20カ国以上で感染が報告されている。世界保健機関(WHO)は11月26日にオミクロン株を「懸念すべき変異株」に指定したが、多くの変異部分を持つオミクロン株に的を絞った新型ワクチンが必要だという証拠はまだ見つかっていないとの見方を示している。

既存のワクチンがオミクロン株に対してどの程度有効性を維持するかを巡っては、まだ十分なデータは得られていない。ファイザー/ビオンテックを含むワクチンメーカー各社は数週間以内にも独自のデータを公表する見通し。

ビオンテックのウグル・サヒン最高経営責任者(CEO)は7日、NBCニュースで、オミクロン株に関するデータを8日か9日に明らかにする考えを示した。



[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2021トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


【話題の記事】
・新型コロナが重症化してしまう人に不足していた「ビタミン」の正体
・世界の引っ越したい国人気ランキング、日本は2位、1位は...



今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

イランへの攻撃「2週間停止で合意」、トランプ氏が表

ビジネス

EIA、ブレント原油「第2四半期に115ドルでピー

ビジネス

雇用とインフレ双方にリスク=ジェファーソンFRB副

ワールド

ロシアがイランを水面下で支援 衛星画像提供やサイバ
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:トランプの大誤算
特集:トランプの大誤算
2026年4月14日号(4/ 7発売)

国民向け演説は「フェイク」の繰り返し。泥沼化するイラン攻撃の出口は見えない

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    米特殊部隊、米空軍兵士救出「大成功」に残る多くの疑問
  • 2
    「南東部と東部の前線で480平方キロ奪還」とウクライナ軍司令官 ロシア軍「⁠春の​攻勢」は継続
  • 3
    「地獄を見る」のは米国か──イラン地上侵攻なら革命防衛隊と消耗戦に
  • 4
    米軍が兵器を太平洋から中東に大移動、対中抑止に空白
  • 5
    「王はいらない」800万人デモ トランプ政権への怒り…
  • 6
    「高市しぐさ」の問題は「媚び」だけか?...異形の「…
  • 7
    【後編】BTS再始動、3年9カ月の沈黙を経て──変わる音…
  • 8
    5日間の寝たきりで髪が...ICUに入院した女性を襲っ…
  • 9
    人口減の自治体を救う「小さな浄水場」──誰もが常に…
  • 10
    「人間の本性」を見た裁判官が語った、自らの「毒親…
  • 1
    米特殊部隊、米空軍兵士救出「大成功」に残る多くの疑問
  • 2
    イラン戦争の現実...アメリカとイスラエル、見え始めた限界
  • 3
    「考えの浅い親」が子どもに言ってしまっている口ぐせ・ワースト1
  • 4
    「根底にあるのは怒り」...日本の「3Dプリンター住宅…
  • 5
    攻撃開始日も知っていた?──イラン戦争を巡る巨額取引…
  • 6
    「南東部と東部の前線で480平方キロ奪還」とウクライ…
  • 7
    なぜイスラエルは対イラン戦争を支持するのか...「イ…
  • 8
    【銘柄】イラン情勢で一躍脚光の「NEC」 防衛・宇宙…
  • 9
    「地獄を見る」のは米国か──イラン地上侵攻なら革命…
  • 10
    「高市しぐさ」の問題は「媚び」だけか?...異形の「…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 3
    米特殊部隊、米空軍兵士救出「大成功」に残る多くの疑問
  • 4
    「根底にあるのは怒り」...日本の「3Dプリンター住宅…
  • 5
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...…
  • 6
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期ス…
  • 7
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え…
  • 8
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が…
  • 9
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 10
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中