最新記事

中東

イラク首相暗殺未遂、自宅にドローン攻撃 警備員6人負傷

2021年11月8日(月)09時32分
ドローンによる攻撃を受けたイラク・カディミ首相の自宅

11月7日、イラクの首都バグダッド中心部の旧米軍管理区域(グリーンゾーン)にあるカディミ首相の住居に爆発物を搭載した無人機による攻撃があった。写真はドローンによる攻撃を受けたカディミ首相の自宅。イラク首相府提供(2021年 ロイター)

イラクの首都バグダッド中心部の旧米軍管理区域(グリーンゾーン)にあるカディミ首相の住居に7日、爆発物を搭載した無人機による攻撃があった。カディミ氏は避難し、無事だった。イラク当局者が明らかにした。

首相府は7日、カディミ氏が攻撃に関する治安当局トップらとの会議の議長を務める様子を映したビデオを公開。会議後の声明で「首相暗殺を目的とした住居への卑怯なテロ攻撃は、武装した犯罪組織によるイラク国家に対する深刻な攻撃だ」と非難した。

治安当局者がロイターに語ったところによると、カディミ氏の住居警備員6人が負傷した。

イラク国営通信(INA)は内務省報道官の発言として、攻撃には無人機3機が使用され、このうち2機は治安当局が撃墜したが、残り1機が住居に命中したと伝えた。

治安当局によると、攻撃後のグリーンゾーンの治安状況は安定しているという。この区域には首相官邸のほか、政府庁舎や各国の大使館などがある。

現時点で、犯行声明は出ていない。

米国は攻撃を非難するとともに、調査への支援を申し出た。

バイデン米大統領は声明で「イラク国家に対するこのテロ攻撃を行った者は、責任を負わなければならない。イラクの民主主義プロセスを損ねる暴力行為を断固として非難する」と表明した。

イラクでは10月に行われた国会選挙で親イラン民兵組織の関連政党が大敗。選挙の不正を訴える支持者らと政府側の治安部隊が衝突するなど情勢が不安定化している。



[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2021トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


【話題の記事】
・新型コロナが重症化してしまう人に不足していた「ビタミン」の正体
・世界の引っ越したい国人気ランキング、日本は2位、1位は...



今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ワールド

ガザ病院敷地内から数百人の遺体、国連当局者「恐怖を

ワールド

ウクライナ、海外在住男性への領事サービス停止 徴兵

ワールド

スパイ容疑で極右政党議員スタッフ逮捕 独検察 中国

ビジネス

3月過去最大の資金流入、中国本土から香港・マカオ 
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 2

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の「爆弾発言」が怖すぎる

  • 3

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバイを襲った大洪水の爪痕

  • 4

    NewJeans日本デビュー目前に赤信号 所属事務所に親…

  • 5

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 8

    冥王星の地表にある「巨大なハート」...科学者を悩ま…

  • 9

    「なんという爆発...」ウクライナの大規模ドローン攻…

  • 10

    ネット時代の子供の間で広がっている「ポップコーン…

  • 1

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 2

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 3

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた「身体改造」の実態...出土した「遺骨」で初の発見

  • 4

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 5

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 6

    攻撃と迎撃の区別もつかない?──イランの数百の無人…

  • 7

    「毛むくじゃら乳首ブラ」「縫った女性器パンツ」の…

  • 8

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 9

    ダイヤモンドバックスの試合中、自席の前を横切る子…

  • 10

    価値は疑わしくコストは膨大...偉大なるリニア計画っ…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこと」目からうろこの健康法

  • 4

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の…

  • 5

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

  • 10

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中