北朝鮮、潜水艦からの新型SLBM発射実験に成功

北朝鮮国営の朝鮮中央通信（ＫＣＮＡ）は２０日、同国が１９日に潜水艦からの弾道ミサイル（ＳＬＢＭ）発射実験に成功したと報じた。写真は金正恩朝鮮労働党総書記。提供写真（２０２１年　ロイター/KCNA via REUTERS）

北朝鮮国営の朝鮮中央通信（KCNA）は20日、同国が19日に新型の潜水艦発射弾道ミサイル（SLBM）の発射実験に成功したと報じた。実験に使用した潜水艦は、2016年に最初のミサイル発射実験に使用したものと同じだとしている。

韓国軍は19日、北朝鮮が東方沖にSLBMを発射したとの見方を示していた。

米政府はさらなる「挑発」を控えるよう北朝鮮に要求。ホワイトハウスのサキ報道官は19日、米側は北朝鮮の兵器開発について外交による対話に応じる用意があると表明した。

KCNAは、この「新型」SLMBは16年の旧型SLMBの発射実験に関与したのと同じ潜水艦から発射されたと報じている。

アナリストはKCNAが公開した写真から、北朝鮮の初期の型のSLMBよりも細く、小型のミサイルのようだと指摘。先週平壌で開催された防衛展示会で初めて展示された新型モデルの可能性があるという。

これは、より多くの短距離ミサイルを1隻の潜水艦に搭載することができ、核武装した北朝鮮が弾道ミサイル潜水艦の運用に近づく可能性があることを意味しているという。

KCNAは「側面移動と滑空移動など多くの高度な誘導制御技術が導入された新型SLBMは、国の防衛技術や海軍の水中作戦能力を高めることに大きく貢献する」と伝えている。

米カリフォルニア州のジェームス・マーティン不拡散研究センターの上級研究員デーブ・シュメラー氏は、「北朝鮮は潜水艦発射の選択肢を広げようとしているようだ」と分析。「興味深い展開だが、1発か2発のミサイルを理論上発射できる潜水艦が水中に1隻だけあっても、状況は大して変わらない」と続けた。

また、KCNAが伝えている「側面（flank mobility）移動」が具体的に何を意味しているのかは不明だが、「滑空移動（glide skip）」はミサイルの軌道変更により追跡や迎撃を難しくする技術という見方を示した。

金正恩朝鮮労働党総書記が実験に立ち会ったとの報道はない。

［ロイター］

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