最新記事

【動画】「ぞっとする」「ショック」──火が付いたように泣き叫ぶ赤ちゃんの声を完璧に再現する鳥

Bird Perfectly Replicates Human Baby's Cry in Video Viewed Over 720K Times

2021年9月8日(水)18時39分
アナベル・ドリナー
コトドリ

メスを引き寄せるために、周囲の音を驚くほどそっくり真似るコトドリ tracielouise-iStock.

<不機嫌な赤ちゃんの不幸な泣き声をそっくり真似する鳥の「身も凍る」声>

オーストラリアのタロンガ動物園で撮影された動画が、ネット上で人気を呼んでいる。同動物園のコトドリが、「人間の赤ちゃんが泣く声」を衝撃的なほどそっくりに真似る姿をとらえた動画だ。ツイッターの視聴回数は72万1400回を超えた。

オーストラリア南東部に分布するコトドリは、物真似の能力で知られている。地上で営巣する鳥で、姿はニワトリに似ている。コトドリ(lyrebirds)という名前は、オスの大きな尾羽の形状が竪琴(たてごと)に似ていることにちなんで名づけられた、とブリタニカ百科事典にはある。オスのコトドリは、森のなかの開けた場所で羽を誇示し、複雑な歌を歌い、ほかの生きものの声を真似る。交尾の相手を引き寄せるための「ディスプレイ」行動だ。

コトドリは物真似が得意で、機械音でも完璧な正確さで真似できる。自然史学者のデイビッド・アッテンボローはかつてBBCで、カメラのシャッター音や車のサイレン、チェーンソーなどを真似するコトドリの能力を紹介したことがある。「世界でもっとも精緻で、もっとも複雑で、もっとも美しい歌が歌えるのは、どの鳥だろうか? 候補者はたくさんいると思うが、この鳥はその一員にちがいない」と、アッテンボローは語っている。

シドニーのタロンガ動物園が最近公開した動画では、エコーという名の7歳のコトドリが、本物の人間の赤ちゃんと区別がつかない鳴き声を披露している。しかも、表現が極めて多彩だ。

あまりに似すぎていて「ぞっとする」「身も凍る」とコメントするユーザーもいるところが、よくあるオウムの物真似とは違うところだ。そして大多数は、この声を「鳥が」出していることに衝撃を受ける。

電気ドリルと火災警報も

タロンガ動物園の鳥類部門を監督するリアン・ゴレビオウスキがガーディアン紙に説明したところによれば、エコーがこれほど正確な赤ちゃんの泣き声をどうやって覚えたのかよくわからないという。現在の新型コロナウイルスの流行で、シドニーがロックダウンされている現状ではなおさらだ。

「来園者から覚えたとしか考えられない。そしてロックダウン中に技を磨いたのは明らかだ」とゴレビオウスキは言う。「とはいえ、これには心配な点もある。なにしろ、動物園は家族が幸せに過ごす場所だと思っていたからね!」

「エコーが真似る音は、ほかにふたつある」とゴレビオウスキは言う。「ひとつは電気ドリルの音で、おそろしいほど正確だ。もうひとつは火災警報だ。『すぐに避難してください』のアナウンスまで完璧にマスターしている」

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

利上げの可能性、物価上昇継続なら「非常に高い」=日

ワールド

アングル:ホームレス化の危機にAIが救いの手、米自

ワールド

アングル:印総選挙、LGBTQ活動家は失望 同性婚

ワールド

北朝鮮、黄海でミサイル発射実験=KCNA
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:老人極貧社会 韓国
特集:老人極貧社会 韓国
2024年4月23日号(4/16発売)

地下鉄宅配に古紙回収......繁栄から取り残され、韓国のシニア層は貧困にあえいでいる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 2

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ公式」とは?...順番に当てはめるだけで論理的な文章に

  • 3

    「韓国少子化のなぜ?」失業率2.7%、ジニ係数は0.32、経済状況が悪くないのに深刻さを増す背景

  • 4

    便利なキャッシュレス社会で、忘れられていること

  • 5

    中国のロシア専門家が「それでも最後はロシアが負け…

  • 6

    止まらぬ金価格の史上最高値の裏側に「中国のドル離…

  • 7

    休日に全く食事を取らない(取れない)人が過去25年…

  • 8

    「毛むくじゃら乳首ブラ」「縫った女性器パンツ」の…

  • 9

    毎日どこで何してる? 首輪のカメラが記録した猫目…

  • 10

    中ロ「無限の協力関係」のウラで、中国の密かな侵略…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 3

    攻撃と迎撃の区別もつかない?──イランの数百の無人機やミサイルとイスラエルの「アイアンドーム」が乱れ飛んだ中東の夜間映像

  • 4

    天才・大谷翔平の足を引っ張った、ダメダメ過ぎる「無…

  • 5

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 6

    「毛むくじゃら乳首ブラ」「縫った女性器パンツ」の…

  • 7

    アインシュタインはオッペンハイマーを「愚か者」と…

  • 8

    犬に覚せい剤を打って捨てた飼い主に怒りが広がる...…

  • 9

    ハリー・ポッター原作者ローリング、「許すとは限ら…

  • 10

    価値は疑わしくコストは膨大...偉大なるリニア計画っ…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこと」目からうろこの健康法

  • 4

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の…

  • 5

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

  • 10

    浴室で虫を発見、よく見てみると...男性が思わず悲鳴…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中