最新記事

サイバー攻撃

バイデン「米国へのサイバー攻撃、武力戦争の引き金となる可能性も」

2021年7月28日(水)10時14分
サイバー攻撃のイメージ

バイデン米大統領は、「主要国と本物の武力戦争」が起きるとすれば、米国に対する大規模サイバー攻撃が引き金となる可能性があると述べ、ロシアと中国がもたらす脅威が拡大しているとの米政府の見解を強調した。写真はイメージ。2013年2月撮影(2021年 ロイター/Kacper Pempel)

バイデン米大統領は27日、「主要国と本物の武力戦争」が起きるとすれば、米国に対する大規模サイバー攻撃が引き金となる可能性があると述べ、ロシアと中国がもたらす脅威が拡大しているとの米政府の見解を強調した。

米情報機関を統括する国家情報長官室(ODNI)の幹部および職員向けの演説で、甚大な影響があるサイバー攻撃が起きる可能性は「劇的に高まっている」と指摘した。

米国ではこのところ、ネットワーク管理ソフト会社ソーラーウィンズや石油パイプライン大手コロニアル・パイプライン、食肉加工大手JBS、ソフト会社カセヤを標的とするサイバー攻撃が相次いで起きており、ハッキング被害に直接あった企業だけでなく、米国の一部地域の燃料や食品の供給にも影響が広がった。サイバーセキュリティーはバイデン政権の最優先課題となっている。

バイデン氏は6月16日にジュネーブで開いたロシアのプーチン大統領との会談で、国家を後ろ盾とするハッカー集団のアクセスを禁止(off-limit)すべき重要インフラのリストを示し、サイバー攻撃阻止に向けた対応を求めた。

ホワイトハウスによると、首脳会談以降、バイデン政権の国家安全保障担当の高官らは国内のサイバー攻撃を巡り、ロシア政府の高官らと常にやりとりしているという。

バイデン氏は演説で、中国がもたらす脅威にも言及。習近平国家主席は「大真面目に、2040年代半ばまでに世界で最強の軍事力を持ち、世界で最大かつ最も卓越した経済になるつもりだ」と述べた。

バイデン氏は米情報機関の仕事を信頼していると強調し、「私はあなた方の仕事を政治利用することは決してしない。米国にとってあまりに重要だからだ」と語った。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2021トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


【話題の記事】
・オーストラリアの島を買って住民の立ち入りを禁じた中国企業に怨嗟の声
・反日デモへつながった尖閣沖事件から10年 「特攻漁船」船長の意外すぎる末路



今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

FRB当局者、利下げ急がない方向で一致 インフレ鈍

ビジネス

訂正-NY外為市場=ドル上昇、米指標やFRB高官発

ビジネス

中東情勢悪化、世界経済に大きなリスク=独財務相

ビジネス

訂正-4月米フィラデルフィア連銀業況指数、15.5
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:老人極貧社会 韓国
特集:老人極貧社会 韓国
2024年4月23日号(4/16発売)

地下鉄宅配に古紙回収......繁栄から取り残され、韓国のシニア層は貧困にあえいでいる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 2

    「毛むくじゃら乳首ブラ」「縫った女性器パンツ」の衝撃...米女優の過激衣装に「冗談でもあり得ない」と怒りの声

  • 3

    止まらぬ金価格の史上最高値の裏側に「中国のドル離れ」外貨準備のうち、金が約4%を占める

  • 4

    価値は疑わしくコストは膨大...偉大なるリニア計画っ…

  • 5

    中ロ「無限の協力関係」のウラで、中国の密かな侵略…

  • 6

    「イスラエルに300発撃って戦果はほぼゼロ」をイラン…

  • 7

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 8

    中国のロシア専門家が「それでも最後はロシアが負け…

  • 9

    休日に全く食事を取らない(取れない)人が過去25年…

  • 10

    ヨルダン王女、イランの無人機5機を撃墜して人類への…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 3

    NASAが月面を横切るUFOのような写真を公開、その正体は

  • 4

    犬に覚せい剤を打って捨てた飼い主に怒りが広がる...…

  • 5

    攻撃と迎撃の区別もつかない?──イランの数百の無人…

  • 6

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 7

    アインシュタインはオッペンハイマーを「愚か者」と…

  • 8

    天才・大谷翔平の足を引っ張った、ダメダメ過ぎる「無…

  • 9

    帰宅した女性が目撃したのは、ヘビが「愛猫」の首を…

  • 10

    ハリー・ポッター原作者ローリング、「許すとは限ら…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこと」目からうろこの健康法

  • 4

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の…

  • 5

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

  • 10

    浴室で虫を発見、よく見てみると...男性が思わず悲鳴…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中