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ワクチン

ショーン・ペン、撮影現場でコロナワクチン義務化を要求「そうでないなら出演拒否」

2021年7月26日(月)16時58分
猿渡由紀

ワクチン必須を検討する職場・学校

主演俳優という、現場で最もパワーをもつ人物がこのような要求をしたのは初めてで、画期的なことだ。彼の立場だからこそできることでもある。このニュースを受けて、ソーシャルメディアや業界サイトのコメント欄には、大量のコメントが寄せられた。

その多くは、「ショーン・ペン、さすが」「賛成です」「これぞリーダー」「彼にノーベル平和賞をあげよう」など、彼を絶賛するものだ。中には「ショーン・ペンのことはそんなに好きじゃなかったが、これで尊敬した」というものや、ソーシャルディスタンスを守らないクルーに怒鳴ったトム・クルーズを引き合いに出して「トム・クルーズが『ミッション:インポッシブル』のセットでやったことをショーン・ペンがやっている」というものもある。「こういう人がもっと必要」「ほかの人もこれくらい勇気があれば良いのに」と、ほかにも行動を促すコメントも見られた。

もちろん、少数派ながら、「彼をクビにしろ」「最低。もう彼のことは絶対に支持しない」「こういう事柄をひとりの人が他人に強制するなんてありえない。キャストとクルーは抗議して辞めるべき」といった批判もある。反対する人も確実にいるということだ。また、そもそも、NBCユニバーサルがそこまで勇気を持った行動に出るのかという疑問も残る。先にも述べたように、現状、各組合との間で決まっているのは、「ゾーンA」にいる人たちだけについてなのだ。

とは言え、不可能とは言えない。アメリカでは、職場によってワクチン必須を検討するところが少しずつ出てきているのである。カリフォルニア大学は、新学期から、通学する全生徒にワクチンを義務化し、未接種の人はオンライン講義しか受けられないと決めた。保守が強いテキサス州ですら、ワクチン接種を義務化した病院を相手に一部の従業員が訴訟したところ、判事に棄却されている。さらに、アメリカ時間23日には、ESPNが、ワクチンを拒否したためにNFLのミネソタ・バイキングスのコーチが職を失ったと報道した。

「接種は個人の自由」いう言葉はよく聞かれるが、それは圧倒的に保守の考え方。対してリベラルは「接種はコミュニティに生きる者としての義務」と考える。それは調査でも明らかにされた違いだ。リベラルなハリウッドは、それらしい姿勢を取っても良いのではないか。それが業界というコミュニティのためになるのではないか。恐れを知らないショーン・ペンの大胆な行動は、そんな大きな問いかけをするものなのだ。

Sean Penn Refuses to Work on Watergate Series 'Gaslit' Until Cast & Crew Get Vaccinated I THR News

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