最新記事

東京五輪

7人制ラグビーなどフィジー代表チームが冷凍食品の貨物輸送機で日本へ

Some of Fiji's Olympians Taking Flight With Frozen Fish to Get to Tokyo

2021年7月8日(木)13時58分
ゾーエ・ストロズースキ
フィジーの7人制ラグビー代表チーム

リオ五輪の金メダリストも貨物輸送機で移動(写真は2020年12月、スコットランドのエジンバラ) REUTERS/Russell Cheyne

<コロナ禍の東京五輪、太平洋諸島の選手たちは移動手段の確保に苦心。帰国便のめども立たず>

7月23日に開幕する東京五輪に出場するフィジー代表チームの複数のメンバーが、貨物便で東京に向かうことになるようだ。新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)のため、太平洋諸島を発着する民間の航空便が大幅に減っていることが原因だ。

AP通信の報道によれば、リオデジャネイロ五輪で金メダルを獲得した、7人制ラグビー男子のチームをはじめとする代表選手たちは、7月8日に日本に到着する予定。彼らが移動に使うのは、主に冷凍水産物を運ぶ貨物輸送機だという。

フィジースポーツ協会・国内オリンピック委員会のロレイン・マール会長は、フィジーのアスリートたちの移動を手配するのは「難題だった」と述べ、7人制ラグビーの男子および女子チームを中心とする約51人のアスリートと関係者は8日の便に搭乗する予定だと明かした。

両チームは最近までオーストラリアに滞在。男子チームは6月下旬にクイーンズランドで開催されたオセアニア・セブンズで優勝しており、現地から直接東京に移動するはずだった。しかしアジアで新たに導入された新型コロナ関連の規制が理由で、予定を変更せざるを得なくなった。

以下にAP通信による報道を引用する。

試合終了後「48時間以内の退村」は難しい

フィジーの代表チームには、7人制ラグビー男子および女子のチームのほかに陸上選手1人、水泳選手2人、卓球女子の選手1人と、現在は日本を拠点に活動している柔道選手1人が含まれる。

マールは、日本から選手たちを帰国させるための手配もまた難題だと語った。国際オリンピック委員会(IOC)は選手たちに、出場した最後の試合が終了してから48時間以内にオリンピック村を退村するよう求めている。

フィジーは現在、7人制ラグビー男子のトーナメントが終了した後の7月29日に、東京からナディに向かう航空便を押さえている。この日までに敗退した、あるいは競技日程を終了したそのほかの選手も、同じ便に搭乗する可能性がある。その次に予約している航空便は、8月10日の便だ。

マールは、試合終了後すぐに帰国便を確保できない選手については、帰国手段が確保できるまで選手村に残れるように、IOCが特例を認めてくれることを願っている。

太平洋のそのほかの島国では、サモアが既に重量挙げの選手3人の不参加を決定。サモア政府は、日本で新型コロナウイルスの感染が拡大していることを懸念している。海外を拠点に活動している、そのほかの8人の選手は出場する。オーストラリアで活動しているボクシング選手2人、ニュージーランドにいるセーリング選手とカヌー選手4人、アメリカにいるトラック競技選手1人と日本にいる柔道選手1人だ。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米4月雇用17.5万人増、予想以上に鈍化 失業率3

ビジネス

為替円安、行き過ぎた動きには「ならすこと必要」=鈴

ワールド

中国、月の裏側へ無人探査機 土壌など回収へ世界初の

ビジネス

ドル152円割れ、4月の米雇用統計が市場予想下回る
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国の研究チームが開発した「第3のダイヤモンド合成法」の意義とは?

  • 2

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 3

    サプリ常用は要注意、健康的な睡眠を助ける「就寝前の適切な習慣」とは?

  • 4

    「TSMC創業者」モリス・チャンが、IBM工場の買収を視…

  • 5

    元ファーストレディの「知っている人」発言...メーガ…

  • 6

    「500万ドルの最新鋭レーダー」を爆破...劇的瞬間を…

  • 7

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる…

  • 8

    映画『オッペンハイマー』考察:核をもたらしたのち…

  • 9

    中国のコモディティ爆買い続く、 最終兵器「人民元切…

  • 10

    ロシアの大規模ウクライナ空爆にNATO軍戦闘機が一斉…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドローンを「空対空ミサイルで撃墜」の瞬間映像が拡散

  • 3

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる4択クイズ

  • 4

    AIパイロットvs人間パイロット...F-16戦闘機で行われ…

  • 5

    日本マンガ、なぜか北米で爆売れ中...背景に「コロナ…

  • 6

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士…

  • 7

    「2枚の衛星画像」が伝える、ドローン攻撃を受けたロ…

  • 8

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 9

    ロシアの大規模ウクライナ空爆にNATO軍戦闘機が一斉…

  • 10

    メーガン妃の「限定いちごジャム」を贈られた「問題…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 3

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 4

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 5

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 6

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 7

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 8

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 9

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 10

    NASAが月面を横切るUFOのような写真を公開、その正体…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中