最新記事

宇宙

有人宇宙船の打ち上げで中国は宇宙「領有」の野望へ一歩

China Space Station First Step in Country's Plans to Colonize Space

2021年6月18日(金)18時24分
ジョン・フェン

彼は2019年に国営テレビ中国中央電視台(CCTV)とのインタビューの中で、中国の宇宙開発を、日本が実効支配する尖閣諸島(中国名・釣魚島)やフィリピンが領有権を主張するスカボロー礁(中国名・黄岩島)の領有権主張になぞらえた。

インタビューの中で葉培建は、次のように述べた。「宇宙は海洋、月は釣魚島、そして火星は黄岩島だ。行ける時に行っておかなければ、将来の世代に責められることになる。ほかの者たちに先に行かれて乗っ取られれば、行きたくても行けなくなってしまう」

現時点では、中国の宇宙開発計画はまだ、アメリカの技術や革新の標準に照らして大きく後れを取っている。アメリカは中国よりも遥かに大規模な予算を持っているが、それも永遠に続くとは限らない。

フランス国際関係研究所のマーク・ジュリアン研究員は、1月に発表した論文の中で、中国の宇宙開発の野望は国家の発展、軍の強化と列強との競争の上に築かれていると結論づけた。

「国家の威信や国際的な名声に加えて、宇宙というのは中国にとって、アメリカとの技術的な格差を埋めるべき、そしてアメリカの弱みを見つけたい戦略的な分野なのだ」と彼は書いている。

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ワールド

中国、14日から米製品への関税10%に引き下げ 9

ワールド

米・サウジ経済協定に署名、米製武器の大規模購入も 

ワールド

ロシア、ウクライナと真剣な協議の用意=外務次官

ワールド

米政権のウィットコフ・ケロッグ特使、15日にトルコ
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:2029年 火星の旅
特集:2029年 火星の旅
2025年5月20日号(5/13発売)

トランプが「2029年の火星に到着」を宣言。アメリカが「赤い惑星」に自給自足型の都市を築く日

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    心臓専門医が「絶対に食べない」と断言する「10の食品」とは?...理想は「1825年の食事」
  • 2
    ゴルフ場の近隣住民に「パーキンソン病」多発...原因は農薬と地下水か?【最新研究】
  • 3
    カヤック中の女性がワニに襲われ死亡...現場動画に映った「殺気」
  • 4
    母「iPhone買ったの!」→娘が見た「違和感の正体」に…
  • 5
    あなたの下駄箱にも? 「高額転売」されている「一見…
  • 6
    「がっかり」「私なら別れる」...マラソン大会で恋人…
  • 7
    トランプ「薬価引き下げ」大統領令でも、なぜか製薬…
  • 8
    トランプは勝ったつもりでいるが...米ウ鉱物資源協定…
  • 9
    「出直し」韓国大統領選で、与党の候補者選びが大分…
  • 10
    使うほど脱炭素に貢献?...日建ハウジングシステムが…
  • 1
    心臓専門医が「絶対に食べない」と断言する「10の食品」とは?...理想は「1825年の食事」
  • 2
    健康は「何を食べないか」次第...寿命を延ばす「5つの指針」とは?
  • 3
    5月の満月が「フラワームーン」と呼ばれる理由とは?
  • 4
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの…
  • 5
    カヤック中の女性がワニに襲われ死亡...現場動画に映…
  • 6
    シャーロット王女の「親指グッ」が話題に...弟ルイ王…
  • 7
    ゴルフ場の近隣住民に「パーキンソン病」多発...原因…
  • 8
    母「iPhone買ったの!」→娘が見た「違和感の正体」に…
  • 9
    ロシア機「Su-30」が一瞬で塵に...海上ドローンで戦…
  • 10
    使うほど脱炭素に貢献?...日建ハウジングシステムが…
  • 1
    心臓専門医が「絶対に食べない」と断言する「10の食品」とは?...理想は「1825年の食事」
  • 2
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 3
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 4
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの…
  • 5
    健康は「何を食べないか」次第...寿命を延ばす「5つ…
  • 6
    「2025年7月5日に隕石落下で大災害」は本当にあり得…
  • 7
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
  • 8
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 9
    【クイズ】世界で2番目に「軍事費」が高い国は?...1…
  • 10
    MRI検査で体内に「有害金属」が残留する可能性【最新…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中