最新記事

英王室

英国に衝撃!名門オックスフォードの学生がエリザベス女王の肖像を撤去

Queen Elizabeth’s Portrait Removed Over “Colonial History”

2021年6月10日(木)17時37分
ジャック・ロイストン

外した肖像写真は新たに飾る場所が決まるまで大切に保管すると、カッツマンは付け加えた。

折しもイギリスでは今、学問の場における言論の自由を保障する政策が推進されている。教授陣や学生、外部の講演者が大学当局に忖度して自由闊達な議論ができなくなることがないよう、英政府は大学当局の言論規制を禁じる法整備を進めていると、ガーディアンが報じている。

この流れで言えば、自治会の決定は尊重すべしと論じる政府関係者が出てきてもおかしくない。実際、ロバート・ジェンリック住宅・地域社会・地方自治相は、これは政治家が口を挟むべき問題ではないとの考えを示した。

「学生の自治組織が決めたことで、私はそこに首を突っ込む気はない。あくまで学生たちの判断だ」と、ジェンリックはBBCに語った。「私自身は執務室に女王の肖像を掲げており、それを誇りに思っているがね」

白人しか雇わなかったバッキンガム宮殿

最近明らかにされたバッキンガム宮殿の差別的な人事も、今回の騒ぎと無関係ではなさそうだ。

バッキンガム宮殿では少なくとも1968年まで「有色人種の移民または外国人」は事務職に採用しない慣行があったことがガーディアンの調査で分かった。

証拠となったのは、当時の内務省職員、T・G・ワイラーがエリザベス女王の最上級の財政顧問だったトライオン卿に雇用差別禁止法案について考えを聞き、その内容をメモした文書だ。

トライオン卿はワイラーに宮殿での職種は3種類あると説明していた。「1つは上級職で、人材募集など表立った募集は行わず、おそらくは(差別禁止)法案の適用外となる。2つ目は事務職で有色人種の移民または外国人は雇わないことが慣例になっている。3つ目は通常の家事労働で、有色人種の候補者も選考対象となり得るが、いずれにせよ提案されている(差別禁止法案の)除外規定に当てはまるだろう」

除外規定とは、女王や王室は禁止法に縛られないというもの。つまり、女王の意向しだいで、宮殿で働くスタッフは白人のみにできる、ということだ。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

トランプ米大統領、自身のSNSに投稿された人種差別

ビジネス

アングル:インド「高級水」市場が急成長、富裕層にブ

ビジネス

NY外為市場=ドル下落、リスク資産反発受け 円は衆

ワールド

トランプ氏、インドへの25%追加関税撤廃 ロ産石油
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:トランプの帝国
特集:トランプの帝国
2026年2月10日号(2/ 3発売)

南北アメリカの完全支配を狙うトランプの戦略は中国を利し、世界の経済勢力図を完全に塗り替える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    がんの約4割は、日々の取り組みで「予防可能」...予防のために、絶対にしてはいけないこととは?
  • 2
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた実験室」に...抗生物質の「不都合」な真実とは
  • 3
    エヌビディア「一強時代」がついに終焉?割って入った「最強ライバル」の名前
  • 4
    韓国ダークツーリズムが変わる 日本統治時代から「南…
  • 5
    韓国映画『しあわせな選択』 ニューズウィーク日本…
  • 6
    【台湾侵攻は実質不可能に】中国軍粛清で習近平体制…
  • 7
    【銘柄】「ソニーグループ」の株価が上がらない...業…
  • 8
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」…
  • 9
    日経平均5万4000円台でも東京ディズニー株は低迷...…
  • 10
    心停止の8割は自宅で起きている──ドラマが広める危険…
  • 1
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 2
    日本への威圧を強める中国...「レアアース依存」から脱却する道筋
  • 3
    致死率は最大75%のニパウイルスが、世界規模で感染拡大する可能性は? 感染症の専門家の見解
  • 4
    「出禁」も覚悟? ディズニーランドで緊急停止した乗…
  • 5
    がんの約4割は、日々の取り組みで「予防可能」...予…
  • 6
    米戦闘機、空母エイブラハム・リンカーンに接近した…
  • 7
    グラフが示す「米国人のトランプ離れ」の実態...最新…
  • 8
    高市首相の発言は正しかった...「対中圧力」と「揺れ…
  • 9
    エヌビディア「一強時代」がついに終焉?割って入っ…
  • 10
    エプスタインが政権中枢の情報をプーチンに流してい…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 2
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 3
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 4
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」…
  • 5
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した─…
  • 6
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡…
  • 7
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コング…
  • 8
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界…
  • 9
    【クイズ】韓国を抜いて1位に...世界で最も「出生率…
  • 10
    180万トンの「リチウムごみ」を資源に...EV電池の「…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中