最新記事

人権問題

収監中のロシア反体制派ナワリヌイ、体調急速に悪化 支持者はデモ実施へ

2021年4月19日(月)10時52分

ロシアで収監されハンガーストライキを続けている反体制派指導者・ナワリヌイ氏(44)の健康状態が急速に悪化しているという。モスクワで2月撮影(2021年 ロイター/Maxim Shemetov)

ロシアで収監されハンガーストライキを続けている反体制派指導者・ナワリヌイ氏(44)の健康状態が急速に悪化しているという。支持者は同氏の釈放を求め、21日に全国的な抗議デモを実施すると発表した。米国は同氏が死亡した場合、結果を伴うことになるとロシア政府に警告した。

支持者は17日に検査結果を公表し、ナワリヌイ氏が間もなく腎不全により心肺停止となる恐れがあると説明。同氏のウェブサイト上に声明を発表し「事態はあまりにも急速に悪化している」と懸念を示した。

「ナワリヌイ氏は、収容所の中で命の危険にさらされている。いつまで耐えられるかわからない。ナワリヌイ氏の命とロシアの運命は、21日にどれだけの市民が集まるかにかかっている」とデモ参加を呼び掛けた。

治安当局はこれまで、支持者の抗議デモを厳しく取り締まってきた。21日にはプーチン大統領の年次教書演説が予定されていおり、当局が再び厳しい取締りに乗り出す事態も予想される。

米ホワイトハウスのサリバン大統領補佐官(安全保障問題担当)は18日、CNNテレビのインタビューで「収監中にナワリヌイ氏の身に起きたことの責任はロシア政府にあり、国際社会から責任を問われることになるとロシア政府に伝えている」と述べた。欧州連合(EU)は19日の外相会議でこの問題への対応を協議する。

ナワリヌイ氏は、昨年国内で毒殺を謀られた疑惑があり、一時重体となった。1月に療養先のドイツから帰国直後に当局に身柄を拘束された。モスクワの裁判所が2月、過去の有罪判決に基づく執行猶予を取り消して懲役約2年半の実刑に切り替える決定を下したことを受け、現在は服役している。

3月末に背中と足の強い痛みに対して適切な治療が行われていないことに抗議し、ハンガーストライキに入ったと明らかにしていた。

ロシア当局は、ナワリヌイ氏が注目を集めるため病状を誇張し、刑務所の医療を拒否したと非難している。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2021トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


【話題の記事】
・誤って1日に2度ワクチンを打たれた男性が危篤状態に
・新型コロナ感染で「軽症で済む人」「重症化する人」分けるカギは?
・世界の引っ越したい国人気ランキング、日本は2位、1位は...


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

アングル:日本株、下げ加速の裏に需給要因 信用買い

ワールド

仏、キプロスに対無人機システム提供へ 英軍基地攻撃

ワールド

ロシア中銀、EU裁判所に申し立て 資産凍結は手続き

ワールド

中東紛争4日目、攻撃広がり犠牲増加 作戦数週間規模
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:トランプのイラン攻撃
特集:トランプのイラン攻撃
2026年3月10日号(3/ 3発売)

核開発の断念を迫るトランプ政権が攻撃を開始。イランとアメリカの本格戦争は始まるのか?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「毎日が人生最後の日」だと思って酒を飲む...84歳医師が語る心優先の健康法
  • 2
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビザの壁、会社都合の解雇、帰国後も続く苦境
  • 3
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからくりとリスク
  • 4
    BTS復活...でも、韓国エンタメが「苦境」に陥っている
  • 5
    縫いぐるみが相棒、孤独なサル「パンチくん」がバズ…
  • 6
    少子化に悩む韓国で出生率回復...昨年過去最大の伸び…
  • 7
    「死体を運んでる...」Google Earthで表示される「不…
  • 8
    人気の女性インフルエンサー、「直視できない」すご…
  • 9
    核合意寸前、米国がイラン攻撃に踏み切った理由
  • 10
    ドバイの空港・ホテルに被害 イランが湾岸諸国に報…
  • 1
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからくりとリスク
  • 2
    村瀬心椛は「トップでなければおかしい」...スノボの謎判定に「怒りの鉄拳」、木俣椋真の1980には「ぼやき」も
  • 3
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医師がすすめる意外な健康習慣
  • 4
    BTS復活...でも、韓国エンタメが「苦境」に陥っている
  • 5
    中国、4隻目の空母は原子力艦か──世界3番目の原子力…
  • 6
    「毎日が人生最後の日」だと思って酒を飲む...84歳医…
  • 7
    少女買春に加え、国家機密の横流しまで...アンドルー…
  • 8
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビ…
  • 9
    中国で今まで発見されたことがないような恐竜の化石…
  • 10
    「若い連中は私を知らない」...大ヒット映画音楽の作…
  • 1
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 2
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 3
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 4
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 5
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 6
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 7
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 8
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
  • 9
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 10
    命は長し、働け女たち――88歳「働くばあさん」が説く…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中