最新記事

事故

消息絶ったインドネシア潜水艦発見 バリ島沖、水深850メートル海底で3つに分裂

2021年4月26日(月)11時30分

インドネシア海軍の潜水艦が消息を絶ったことに関し、国軍と海軍の高官は25日、船体が少なくとも3つに裂けた状態でバリ島沖の海底で発見されたと明らかにした。写真は海底に横たわる潜水艦。REUTERS/Johannes P. Christo

インドネシア海軍の潜水艦が消息を絶ったことに関し、国軍と海軍の高官は25日、船体が少なくとも3つに裂けた状態でバリ島沖の海底で発見されたと明らかにした。ジョコ大統領は乗組員53人の遺族に哀悼の意を表明した。

乗組員のものとみられるライフベストなども見つかった。潜水艦「KRIナンガラ402」は44年前に建造。魚雷訓練を実施する予定だったが、21日に消息を絶った。

国軍のハディ司令官は記者団に、捜索の結果、潜水艦が沈没し、乗組員全員が死亡したと判断できると述べた。

海軍のユド参謀総長は乗組員に責任はなく、停電が起きたわけでもないと説明、「自然の力」によって引き起こされた事故だったとの見方を示した。

24日の水中音波探知機(ソナー)の捜索で、潜水艦は最大潜水深度を大きく超過する水深850メートルの海底に沈んでいた。

多数のヘリコプターや艦艇が捜索に当たり、米国やオーストラリア、シンガポール、マレーシア、インドも協力した。

インドネシアは軍備の刷新を目指してきたが、老朽化した装備品を一部で使い続けており、ここ数年に致命的な事故が起きていた。

インドネシアは今回の事故の前に、KRIナンガラ402を含めドイツ製209型潜水艦2隻とこれより新型の韓国製潜水艦3隻を保有していた。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2021トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


潜水艦「KRIナンガラ402」は何らかの理由で沈没し、最大深度500メートルを超えて3つに分断されたと推測された。 KOMPASTV / YouTube


【話題の記事】
・インドネシア海軍潜水艦、潜行中に消息不明に ドイツ製・韓国で改修した旧式艦、乗員53人の安否は
・新型コロナ感染で「軽症で済む人」「重症化する人」分けるカギは?
・世界の引っ越したい国人気ランキング、日本は2位、1位は...



今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ビジネス

日銀、国債補完供給で減額措置の上限再引き上げに慎重

ビジネス

スイス中銀、ゼロ金利を維持 米関税引き下げで経済見

ワールド

ドイツ経済、低成長続く見通し 財政拡大でも勢い限定

ワールド

小泉防衛相、ヘグセス米国防長官と12日に電話会談
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
2025年12月16日号(12/ 9発売)

45年前、「20世紀のアイコン」に銃弾を浴びせた男が日本人ジャーナリストに刑務所で語った動機とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    中国軍機の「レーダー照射」は敵対的と、元イタリア空軍の専門家。NATO軍のプロフェッショナルな対応と大違い
  • 2
    トランプの面目丸つぶれ...タイ・カンボジアで戦線拡大、そもそもの「停戦合意」の効果にも疑問符
  • 3
    「何これ」「気持ち悪い」ソファの下で繁殖する「謎の物体」の姿にSNS震撼...驚くべき「正体」とは?
  • 4
    死者は900人超、被災者は数百万人...アジア各地を襲…
  • 5
    【クイズ】アジアで唯一...「世界の観光都市ランキン…
  • 6
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 7
    人手不足で広がり始めた、非正規から正規雇用へのキ…
  • 8
    「正直すぎる」「私もそうだった...」初めて牡蠣を食…
  • 9
    「安全装置は全て破壊されていた...」監視役を失った…
  • 10
    イギリスは「監視」、日本は「記録」...防犯カメラの…
  • 1
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 2
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価に与える影響と、サンリオ自社株買いの狙い
  • 3
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だから日本では解決が遠い
  • 4
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 5
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺…
  • 6
    キャサリン妃を睨む「嫉妬の目」の主はメーガン妃...…
  • 7
    中国軍機の「レーダー照射」は敵対的と、元イタリア…
  • 8
    ホテルの部屋に残っていた「嫌すぎる行為」の証拠...…
  • 9
    戦争中に青年期を過ごした世代の男性は、終戦時56%…
  • 10
    【クイズ】アルコール依存症の人の割合が「最も高い…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 4
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 5
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 6
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 7
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 8
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 9
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 10
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中