最新記事

スエズ運河

スエズ運河で日本の巨大コンテナ船座礁、世界の貨物輸送に混乱も【ライブマップリンク付き】

Suez Canal Map Shows How Stuck Container Ship Has Blocked Sea Traffic

2021年3月25日(木)15時02分
スー・キム

報道によれば、長栄海運には、エバーギブンが「突然の強風に煽られたようで、船体が水路を逸れて座礁した」と連絡があったという。

長栄海運は声明で「船舶の所有者に対して、事故の原因を報告し、運河の管理当局など関係各所と協力して、できる限り迅速にエバーギブンがトラブルを脱することができるよう、支援計画を立てるよう要請した」と述べた。

エバーギブンは現在、北緯30.01762度、東経32.5802度のところに位置している。船舶追跡サイトのベッセルファインダーによれば、3月31日にロッテルダムに到着する見通しだった。

全長約400メートル、幅約59メートルのエバーギブンは、20フィートコンテナ換算で最大2万個を積載可能だ。

封鎖が続けば貨物輸送に深刻な影響

スエズ運河はヨーロッパとアジアを結ぶ、世界で最も重要な交易路のひとつで、世界の海上貿易の約10%が同運河を通航している。スエズ運河庁によれば、2020年は1万9000隻近い船舶がスエズ運河を通航。1日あたり約52隻の計算だ。

コンテナ船や国際輸送に関するマーケットリサーチを専門とするライナー・リサーチ・サービスのデータによれば、世界のコンテナ輸送貨物の約30%が日々、スエズ運河を通過して運ばれており、今回の座礁で航路がふさがれた影響で、コンテナ船の不足が深刻化する可能性もある。

同社のコンサルタントであるTan Hua Jooは、ケープタウンを経由する代替ルートでは貨物の輸送に1週間余計に時間がかかるため、今後も航路の封鎖が続けば深刻な影響が出る可能性がある。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米人員削減、11月は前月比53%減 新規採用は低迷

ビジネス

英中銀、プライベート市場のストレステスト開始 27

ワールド

中国、レアアース輸出ライセンス合理化に取り組んでい

ワールド

ウクライナ南部に夜間攻撃、数万人が電力・暖房なしの
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:日本時代劇の挑戦
特集:日本時代劇の挑戦
2025年12月 9日号(12/ 2発売)

『七人の侍』『座頭市』『SHOGUN』......世界が愛した名作とメイド・イン・ジャパンの新時代劇『イクサガミ』の大志

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    戦争中に青年期を過ごした世代の男性は、終戦時56%しか生き残れなかった
  • 2
    【クイズ】17年連続でトップ...世界で1番「平和な国」はどこ?
  • 3
    日本酒の蔵元として初の快挙...スコッチの改革に寄与し、名誉ある「キーパー」に任命された日本人
  • 4
    人生の忙しさの9割はムダ...ひろゆきが語る「休む勇…
  • 5
    イスラエル軍幹部が人生を賭けた内部告発...沈黙させ…
  • 6
    【クイズ】日本で2番目に「ホタテの漁獲量」が多い県…
  • 7
    高市首相「台湾有事」発言の重大さを分かってほしい
  • 8
    7歳の息子に何が? 学校で描いた「自画像」が奇妙す…
  • 9
    台湾に最も近い在日米軍嘉手納基地で滑走路の迅速復…
  • 10
    「ロシアは欧州との戦いに備えている」――プーチン発…
  • 1
    7歳の息子に何が? 学校で描いた「自画像」が奇妙すぎた...「心配すべき?」と母親がネットで相談
  • 2
    100年以上宇宙最大の謎だった「ダークマター」の正体を東大教授が解明? 「人類が見るのは初めて」
  • 3
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで墜落事故、浮き彫りになるインド空軍の課題
  • 4
    【最先端戦闘機】ミラージュ、F16、グリペン、ラファ…
  • 5
    128人死亡、200人以上行方不明...香港最悪の火災現場…
  • 6
    【寝耳に水】ヘンリー王子&メーガン妃が「大焦り」…
  • 7
    戦争中に青年期を過ごした世代の男性は、終戦時56%…
  • 8
    【クイズ】次のうち、マウスウォッシュと同じ効果の…
  • 9
    【クイズ】世界遺産が「最も多い国」はどこ?
  • 10
    【銘柄】関電工、きんでんが上昇トレンド一直線...業…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎の存在」がSNSで話題に、その正体とは?
  • 4
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 5
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 6
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 7
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 8
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 9
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 10
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中