最新記事

人権問題

ロシア反体制指導者ナワリヌイ、「いつ殺されてもおかしくない」悪名高い施設に勾留

2021年1月21日(木)11時45分

ロシアに帰国直後に拘束された反体制派指導者ナワリヌイ氏が、モスクワ北東部にある悪名高い収容施設で厳しい管理の下、勾留されていることが分かった。写真は警察官とナワリヌイ氏が話しているところを捉えた映像。1月17日、モスクワで撮影(2021年 ロイターテレビ)

ロシアに帰国直後に拘束された反体制派指導者ナワリヌイ氏が、モスクワ北東部にある悪名高い収容施設で厳しい管理の下、勾留されていることが分かった。

ロシア当局はソ連時代から、外界から遮断したい人物をこの施設に収容してきた。

ナワリヌイ氏はインスタグラムへの投稿で「(この施設について)本で読んだものだが、こうして自分がいまここにいる」とつづった。

プーチン大統領と対立して同収容所で4年を過ごした元石油王ミハイル・ホドルコフスキー氏はツイッターで、ナワリヌイ氏は厳しい環境に置かれていると指摘し、「最初は苦しい。その後もほとんど楽にはならない。いつ殺されてもおかしくない」と書き込んだ。

ナワリヌイ氏は、執行猶予の条件に違反したとして、裁判まで30日間の勾留が決まっている。

同氏が収容されているのは3人用のVIP監房。拘束されている人の状況を監視する団体によると、新型コロナウイルスを巡る懸念から、少なくとも2週間は同氏のみを収容する。監房内には冷蔵庫やテレビがあるという。

同団体のメンバーによると、この施設は被収容者の厳しい管理で知られている。ナワリヌイ氏の監房は、ロシア情報当局が監視しているとされる区域にあるという。

このメンバーは「情報からの隔離が施設のモットーだ」とし、弁護士のアクセスが困難な場合があるほか、捜査に協力しない被収容者は医療の提供を受けられないケースもあると語った。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2021トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


【話題の記事】
・新型コロナが重症化してしまう人に不足していた「ビタミン」の正体
・世界の引っ越したい国人気ランキング、日本は2位、1位は...
→→→【2021年最新 証券会社ランキング】



ニューズウィーク日本版 AIの6原則
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年7月22日号(7月15日発売)は「AIの6原則」特集。加速度的に普及する人工知能に見えた「限界」/仕事・学習で最適化する6つのルールとは


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

中印ブラジル「ロシアと取引継続なら大打撃」、NAT

ビジネス

NY外為市場=ドル急伸し148円台後半、4月以来の

ビジネス

米金利変更急がず、関税の影響は限定的な可能性=ボス

ワールド

トランプ氏「ウクライナはモスクワ攻撃すべきでない」
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:AIの6原則
特集:AIの6原則
2025年7月22日号(7/15発売)

加速度的に普及する人工知能に見えた「限界」。仕事・学習で最適化する6つのルールとは?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「二度とやるな!」イタリア旅行中の米女性の「パスタの食べ方」に批判殺到、SNSで動画が大炎上
  • 2
    日本より危険な中国の不動産バブル崩壊...目先の成長だけ追い求め「失われた数百年」到来か?
  • 3
    「飛行機内が臭い...」 原因はまさかの「座席の下」だった...異臭の正体にネット衝撃
  • 4
    真っ赤に染まった夜空...ロシア軍の「ドローン700機…
  • 5
    「このお菓子、子どもに本当に大丈夫?」──食品添加…
  • 6
    「史上最も高価な昼寝」ウィンブルドン屈指の熱戦中…
  • 7
    約3万人のオーディションで抜擢...ドラマ版『ハリー…
  • 8
    「オーバーツーリズムは存在しない」──星野リゾート…
  • 9
    「巨大なヘラジカ」が車と衝突し死亡、側溝に「遺さ…
  • 10
    歴史的転換?ドイツはもうイスラエルのジェノサイド…
  • 1
    「ベンチプレス信者は損している」...プッシュアップを極めれば、筋トレは「ほぼ完成」する
  • 2
    「弟ができた!」ゴールデンレトリバーの初対面に、ネットが感動の渦
  • 3
    「お腹が空いていたんだね...」 野良の子ネコの「首」に予想外のものが...救出劇が話題
  • 4
    千葉県の元市長、「年収3倍」等に惹かれ、国政に打っ…
  • 5
    日本企業の「夢の電池」技術を中国スパイが流出...AP…
  • 6
    どの学部の卒業生が「最も稼いでいる」のか? 学位別…
  • 7
    イギリスの鉄道、東京メトロが運営したらどうなる?
  • 8
    完璧な「節約ディズニーランド」...3歳の娘の夢を「…
  • 9
    エリザベス女王が「うまくいっていない」と心配して…
  • 10
    「二度とやるな!」イタリア旅行中の米女性の「パス…
  • 1
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 2
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測不能な大型動物」に近づく幼児連れ 「ショッキング」と映像が話題に
  • 3
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事故...「緊迫の救護シーン」を警官が記録
  • 4
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
  • 5
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...…
  • 6
    気温40℃、空港の「暑さ」も原因に?...元パイロット…
  • 7
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で…
  • 8
    「小麦はもう利益を生まない」アメリカで農家が次々…
  • 9
    イランを奇襲した米B2ステルス機の謎...搭乗した専門…
  • 10
    「うちの赤ちゃんは一人じゃない」母親がカメラ越し…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中