最新記事

感染症対策

韓国、ハイテクからデコ盛りまでコロナ禍で生まれた個性派マスクたち

2020年12月25日(金)21時00分
ウォリックあずみ(映画配給コーディネイター)

newsweek_20201225_205642.jpg

LG電子の作ったハイテクマスク。ShopMask Global / YouTube

LGもハイテクなマスクを作ったものの......

空気清浄機機能が付いたハイテクマスクは、各社から発売されているが、韓国の電機メーカーLGから発売された「空気清浄機マスクPuriCare Wearable」は、LG ThinQモバイルアプリと連動して、フィルター交替が必要な場合スマートフォンからお知らせが届くという。

マスクには超小型ファンと交換可能な2個のフィルターが内蔵されている。空気を吸い込む時にファンが回るようになっているため、マスク着用時の息苦しさを軽減してくれる機能もある。

実はLGからこの新商品が発表されたのは、今年の7月だった。発表後、韓国民の注目を集めたが、残念なことにまだ発売されていない。LG側の発表によると、韓国新薬庁が販売許可を出していないからだという。LGは販売マーケティングを海外市場先行に変更し、10月から香港、その後11月にはイラク/ドバイ/インドネシアで先行販売し好評を得ているという。

芸能特番ではスペシャルなマスクを用意

年末の韓国の番組といえば、バラエティーなど芸能番組の授賞式が名物である。今年の芸能界を彩ったスターたちが勢ぞろいする席だが、今年は皆マスクを装着した顔が並ぶことになりがっかりした人も多いだろう。

しかし、そんな逆境もアイディアで乗り越えたTV局があった。12月19日SBSで放送された「2020 SBS芸能大賞」では、集まったスターたちの付けたマスクが話題を集めた。

そのマスクとは、授賞式に集まった芸能人の笑顔をあらかじめ撮影し、写真プリントして本人たちに配られた「スター顔写真マスク」だ。マスクにはスター本人の顔が印刷されているため、視聴者は笑顔のスターたちを見ることができた。

司会者を務めたタレント、シン・ドンヨプは、「この授賞式の製作費の大半が、このマスクの制作費用に充てられているはずだ」と冗談半分に話していたが、確かに大勢の出演者一人ひとりのマスクを制作したとなると、かなりの出費となっただろう。しかし、その分このアイディアは注目を集め、SNSを中心に海外でも話題となった。

人と同じが嫌なJKはマスクをデコる

newsweek_20201225_205853.jpg

韓国JK憧れのオルチャン、イェルオンニもマスクをデコる 옐언니 / YouTube

このようにマスクにまつわる面白いアイディアは次々と生まれている。高価なハイテクマスクでなくても、韓国の女子高生の間では自作のオリジナルマスクをSNSで自慢する「마스크 꾸미기(マスクをデコる)」の略である「マック(#마꾸)」というハッシュタグが流行中だ。

マスクを全体的にデコるのではなく、端の方にワンポイントでサクランボやパイナップルなどのフルーツ、ハートや太陽などのマークを刺しゅうするスタイルが、韓国の10代女子の間では今どきなのだという。

2020年は辛いでき事が多い一年だった。今年を象徴するアイテムは世界的にも「マスク」を思い浮かべる人が多いはずだ。そんななかで、少しでも快適に、自分の手で可愛く、さらにもう一段上の機能をマスクにもたせるという発想で、前に進もうとする人たちがいる。

たかがマスク、されどマスクだ。もちろん、早くコロナが収束することを願わずにはいられないが、まだまだ先は長い。どうせなら、少し発想を変えてマスクを楽しむアイディアを実践してみよう。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

中国で「南京大虐殺」の追悼式典、習主席は出席せず

ワールド

トランプ氏、次期FRB議長にウォーシュ氏かハセット

ビジネス

アングル:トランプ関税が生んだ新潮流、中国企業がベ

ワールド

アングル:米国などからトップ研究者誘致へ、カナダが
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
2025年12月16日号(12/ 9発売)

45年前、「20世紀のアイコン」に銃弾を浴びせた男が日本人ジャーナリストに刑務所で語った動機とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【銘柄】資生堂が巨額赤字に転落...その要因と今後の展望。本当にトンネルは抜けたのか?
  • 2
    デンマーク国防情報局、初めて米国を「安全保障上の脅威」と明記
  • 3
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 4
    「前を閉めてくれ...」F1観戦モデルの「超密着コーデ…
  • 5
    現役・東大院生! 中国出身の芸人「いぜん」は、なぜ…
  • 6
    世界最大の都市ランキング...1位だった「東京」が3位…
  • 7
    首や手足、胴を切断...ツタンカーメンのミイラ調査開…
  • 8
    身に覚えのない妊娠? 10代の少女、みるみる膨らむお…
  • 9
    「体が資本」を企業文化に──100年企業・尾崎建設が挑…
  • 10
    トランプが日中の「喧嘩」に口を挟まないもっともな…
  • 1
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だから日本では解決が遠い
  • 2
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価に与える影響と、サンリオ自社株買いの狙い
  • 3
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出を睨み建設急ピッチ
  • 4
    デンマーク国防情報局、初めて米国を「安全保障上の…
  • 5
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 6
    キャサリン妃を睨む「嫉妬の目」の主はメーガン妃...…
  • 7
    【クイズ】「100名の最も偉大な英国人」に唯一選ばれ…
  • 8
    中国軍機の「レーダー照射」は敵対的と、元イタリア…
  • 9
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 10
    人手不足で広がり始めた、非正規から正規雇用へのキ…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 3
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 4
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 5
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 6
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 7
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 8
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 9
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
  • 10
    ポルノ依存症になるメカニズムが判明! 絶対やって…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中