米国は4日、地球温暖化対策の国際枠組み「パリ協定」から正式に離脱した。

トランプ米大統領は、同協定が国内経済に打撃を及ぼすと主張し、2017年6月に離脱を表明した。ただ、協定の規定により正式に離脱はしていなかった。

一方、バイデン氏は協定への復帰を訴えており、同氏が大統領選で勝利すれば米国の復帰もあり得る。

パリ協定離脱後も米国は国連気候変動枠組条約(UNFCCC)の締約国。UNFCCCは米国のパリ協定復帰を支援する用意があるとしている。

197カ国・地域が参加するパリ協定から離脱するのは米国が初めて。

オバマ前政権は、2025年までに国内の二酸化炭素(CO2)排出量を2005年の水準から26─28%引き下げると表明していた。

バイデン氏は、大統領選で勝利すればこうした取り組みをさらに進める見通し。同氏は2050年までにCO2排出量を実質ゼロにする目標を掲げており、脱炭素社会に向け、2兆ドル規模の対策を打ち出している。

調査会社ロジウム・グループの推計によると、2020年の米国のCO2排出量は2005年の水準を約21%下回る。トランプ氏が再選された場合、米国のCO2排出量は2035年までに2019年の水準から30%超増える見通し。

一方、米国の多くの州や企業はパリ協定が掲げる目標達成に取り組んでいる。温暖化対策で連邦政府の指導力が欠ける中、25の州はパリ協定の気候変動政策を支持する方針を示している。

また、ブラックロックなどの欧米の機関投資家で構成する「気候変動に関する機関投資家グループ(IIGCC)」は4日、アジアやオーストラリアやニュージーランドの投資家グループなどと共同で、米国にパリ協定に一刻も早く復帰するよう呼び掛けた。

バイデン氏は次期大統領選となった場合、同協定への復帰を進めるとみられる。米国は30日の手続き期間を経て協定復帰が可能だ。

[ロイター]
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