最新記事

AI

AI自動追尾カメラが、サッカーの試合で線審のハゲ頭とボールを誤認識で、サポーターがっかり

2020年11月6日(金)17時00分
松岡由希子

自動追尾カメラは、ボールを追わずに線審の頭ばかりを追ってしまった...... YouTube

<ボールや選手の動きを自動で追跡するAI搭載カメラの導入が各地で進んでいるが、線審の頭をサッカーボールと誤認識し、サポーターをがっかりさせるという珍事が起こった......>

英国スコットランド北西部インヴァネスを本拠地とするサッカークラブ「インヴァネス・カレドニアン・シッスルFC」は、2020年10月16日、人工知能(AI)が搭載された無人撮影カメラ「ピクセロット」を用い、ホームスタジアム「カレドニアン・スタジアム」で開催されるサッカーリーグ「スコティッシュ・チャンピオンシップ」の全試合をシーズンチケット購入者に向けてライブ配信すると発表した。

しかし、今季初のホームゲームが開催された10月24日、このAI搭載カメラが線審の頭をサッカーボールと誤認識し、オンラインで熱心に観戦するサポーターをがっかりさせるという珍事が起こった。

CaleyJags : SPFL Championship : Real Highlights: ICTFC 1 v 1 AYR : 24/10/2020


AI搭載自動追尾カメラは各地で導入されている

イスラエルで開発されたピクセロットは、最先端のコンピューティング技術と深層学習により、ピッチ内で何が起きているのかを理解したうえで、ボールや選手の動きを自動で追跡して、あらゆるアクションを的確に捉えるのが特徴だ。

従来のカメラマンによる撮影に比べて製作コストを約8割削減でき、サッカーやバスケットボール、野球、ラグビーなど、球技を中心に、プロからアマチュアまで幅広く様々なスポーツに活用できる。これまでに8400カ所の競技場に設置され、1ヶ月あたり平均9万時間のライブ配信を実施。スペインの名門クラブ「FCバルセロナ」やメキシコサッカー連盟(FMF)などでも採用されている。

Pixellot - Making Millions of Small Events BIG


「カメラがボールでなく線審の頭ばかり追うので、解説者がずっと謝っている」

インヴァネス・カレドニアン・シッスルFCでは、2回にわたるテストイベントを経てピクセロットを本格的に導入したが、10月24日にライブ配信を視聴したサポーターからは、

「何もかも酷い。AIカメラマンが線審の禿頭とボールを間違えているおかげで、試合が台無しだ」
「カメラがボールを追わずに線審の頭ばかり追うので、解説者がずっと謝っている」
「せっかくのゴールの瞬間を見逃した」

といった不満の声が上がっている。


ピクセロットは、デジタルメディア「ザ・バージ」の取材に対して「線審の頭とサッカーボールがよく似ていたことが原因だ」と認め、「線審の頭がピッチの内側にあるように見えるうえ、試合球が黄色だったことも混乱の要因となった」との見解を示している。

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ワールド

英首相、辞任要求にも続投表明 任命問題で政権基盤揺

ビジネス

NEC委員長、雇用の伸び鈍化見込む 人口減と生産性

ワールド

中国BYD、米政府に関税払い戻し求め提訴 昨年4月

ワールド

EU、第三国の港も対象に 対ロ制裁20弾=提案文書
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:習近平独裁の未来
特集:習近平独裁の未来
2026年2月17日号(2/10発売)

軍ナンバー2の粛清は強権体制の揺らぎか、「スマート独裁」の強化の始まりか

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 2
    ビジネスクラスの乗客が「あり得ないマナー違反」...周囲を気にしない「迷惑行為」が撮影される
  • 3
    米戦闘機、空母エイブラハム・リンカーンに接近したイラン製ドローンを撃墜
  • 4
    【銘柄】「ソニーグループ」の株価が上がらない...業…
  • 5
    台湾発言、総選挙...高市首相は「イキリ」の連続で日…
  • 6
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 7
    「二度と見せるな」と大炎上...女性の「密着レギンス…
  • 8
    変わる「JBIC」...2つの「欧州ファンド」で、日本の…
  • 9
    韓国映画『しあわせな選択』 ニューズウィーク日本…
  • 10
    【銘柄】なぜ?「サイゼリヤ」の株価が上場来高値...…
  • 1
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 2
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた実験室」に...抗生物質の「不都合」な真実とは
  • 3
    がんの約4割は、日々の取り組みで「予防可能」...予防のために、絶対にしてはいけないこととは?
  • 4
    致死率は最大75%のニパウイルスが、世界規模で感染…
  • 5
    米戦闘機、空母エイブラハム・リンカーンに接近した…
  • 6
    グラフが示す「米国人のトランプ離れ」の実態...最新…
  • 7
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 8
    台湾発言、総選挙...高市首相は「イキリ」の連続で日…
  • 9
    エヌビディア「一強時代」がついに終焉?割って入っ…
  • 10
    ビジネスクラスの乗客が「あり得ないマナー違反」...…
  • 1
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 2
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 3
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」と「フリース」に移った日
  • 4
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡…
  • 5
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 6
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コング…
  • 7
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界…
  • 8
    【クイズ】韓国を抜いて1位に...世界で最も「出生率…
  • 9
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
  • 10
    180万トンの「リチウムごみ」を資源に...EV電池の「…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中