最新記事

2020米大統領選

トランプはもう負けている?共和党大会

The Republican National Convention Is Already Over

2020年8月25日(火)19時10分
マイケル・ハーシュ

出たがりのトランプは、党大会期間中は連日演説を行う予定だという David T. Foster/REUTERS

<初日から慣例破りの即興演説を行ったトランプは自らの支持基盤の共感を得るための根拠のない主張を次々展開>

4年以上にわたってアメリカのあらゆる伝統や規範を破壊してきたドナルド・トランプ米大統領が8月24日、またやってくれた。トランプは同日開幕した共和党の全国大会で正式に大統領候補に再指名された直後、予告なしに党大会の会場に表れ、対立候補である民主党のジョー・バイデン前副大統領が11月3日の大統領選で公正に勝つことなどあり得ないと断言した。

「彼らが私たちから今回の選挙を奪うことができるとすれば、それは不正選挙しかない」。トランプはノースカロライナ州シャーロットの会場に集まった、少人数ながらも熱狂的な支持者たちを前にこう主張した。

トランプはこの数週間、似たような主張を展開してアメリカの民主主義の伝統を貶める作戦に出ている。11月の大統領選を前に、主要な世論調査がいずれもトランプの劣勢(支持率でバイデンに2桁の差をつけられているケースもある)を示しているので、本選で負けた場合の予防線を張っているのだ。24日の党大会では、党大会のもう一つの伝統である「あと4年!」の掛け声にも不十分だと反論した。「民主党を本当に挑発したいなら、あと12年と言え」とトランプは言った。合衆国憲法では、大統領の任期は2期までと定められているのだが。

「病的」な一面が全開に

またもや共和党の予定は乗っ取られ、放り投げられた格好だ(トランプが大統領になってからはこんなことばかりだが)。トランプの熱心な支持者として知られる共和党全国委員会のロナ・マクダニエル委員長は先週、各報道機関に対して、党大会は将来に目を向けた、ポジティブなものになるだろうと言っていた。だがトランプが登場するとすぐに、党大会の雰囲気は民主党の想像上の「陰謀」を激しく糾弾するものに変わった。

トランプは民主党が「選挙を盗もうと」していると主張し、「2016年の選挙の時にも、彼らがひどく悪さをしているのを見つけた。今回もまた悪さをしようとしている。気をつけなければ」と述べた(証拠はない)。

党大会の残る3日間、あるいは本選までの2カ月がどうなるのかは、これで決まったようなものだ。トランプは24日にそうしたように、自分が率いる政府がアメリカ史上最高の政府であり、国民はもう自分なしではやっていけないと主張し続けるに違いない。「自分が常に注目の中心にいないと気が済まないという、彼の病的な一面だ」とリッチ・ゲーレンは言う。ゲーレンは共和党の元顧問で、大勢の共和党関係者や共和党支持者と同様、今回の大統領選ではトランプを支持できないと表明している。

<参考記事>アメリカ大統領選挙の一大イベント「党大会」 最終盤戦へ号砲
<参考記事>トランプの元側近で極右のバノン、「壁」建設資金の私的流用容疑で逮捕

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

クレディ・アグリコル、第4四半期は39%減益 一時

ビジネス

日経平均は反落、一時700円超安 急騰後の利益確定

ワールド

タイ主要経済団体、26年成長率予想を1.6─2.0

ビジネス

GSユアサ、通期純利益と年間配当予想を上方修正 市
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:トランプの帝国
特集:トランプの帝国
2026年2月10日号(2/ 3発売)

南北アメリカの完全支配を狙うトランプの戦略は中国を利し、世界の経済勢力図を完全に塗り替える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 2
    致死率は最大75%のニパウイルスが、世界規模で感染拡大する可能性は? 感染症の専門家の見解
  • 3
    「出禁」も覚悟? ディズニーランドで緊急停止した乗り物から「勝手に退出」する客の映像にSNS批判殺到
  • 4
    高市首相の発言は正しかった...「対中圧力」と「揺れ…
  • 5
    トランプ不信から中国に接近した欧州外交の誤算
  • 6
    地球の近くで「第2の地球」が発見されたかも! その…
  • 7
    ロシア軍の前線で「弾よけ」にされるアフリカ人...兵…
  • 8
    アジアから消えるアメリカ...中国の威圧に沈黙し、同…
  • 9
    最長45日も潜伏か...世界が警戒する「ニパウイルス」…
  • 10
    ICE射殺事件で見えたトランプ政権の「ほころび」――ア…
  • 1
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 2
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 3
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界でも過去最大規模
  • 4
    180万トンの「リチウムごみ」を資源に...EV電池の「…
  • 5
    日本への威圧を強める中国...「レアアース依存」から…
  • 6
    ロシア軍の前線で「弾よけ」にされるアフリカ人...兵…
  • 7
    町長を「バズーカで攻撃」フィリピンで暗殺未遂、大…
  • 8
    「出禁」も覚悟? ディズニーランドで緊急停止した乗…
  • 9
    秋田県は生徒の学力が全国トップクラスなのに、1キロ…
  • 10
    パキスタン戦闘機「JF17」に輸出交渉が相次ぐ? 200…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 2
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 3
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した──台湾高官が分析
  • 4
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」…
  • 5
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【202…
  • 6
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 7
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡…
  • 8
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 9
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コング…
  • 10
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中