最新記事

民主党大会

米民主党「バーチャル党大会」、驚きの高視聴率で政治に新時代?

Virtual Caucuses Bring in Record Digital Audiences Unseen in Past Convention

2020年8月20日(木)18時35分
エイドリアン・カラスキーヨ

アメリカの政党大会の要である華やかさや荘厳な雰囲気が感じられなくて残念だと考える人々もいるだろう。バーチャル党大会でも、典型的な「党大会効果(党大会後に指名候補の支持率が上昇する現象)」が得られるのか。それについては民主党も共和党も、党大会後の世論調査の結果が出るまでわからない。

だが主催者にとっては、バーチャル党大会にはひとつ大きな利点がある。著名な政治家がリアルの会場に出入りする必要がないから、送迎や警備の手配に苦慮することもないし、それに伴うコストもかからない。そのため今年の党大会には、著名なゲストをたくさんバーチャルで「会場に招く」ことができ、しかもメインステージに登壇して貰うだけでなく、各議員連盟や支持者集会などのより小規模なイベントにも「参加」してもらうことができた。

有権者が身近に

動画視聴に関する統計値は、暫定的だが驚きの数字だ。党大会のウェブサイトを訪れた人は、平均1時間を閲覧・視聴に費やしている。支持者集会の平均的な長さも1時間だ。TikTok(ティックトック)のような短い動画が人気のこの時代に、多くの人がコンピューターやスマートフォンで、(これまでは見もしなかった)党大会の各種セッションを最後まで見たことになる。

2016年の民主党大会のパネル討論会に参加した活動家のジュリッサ・アルセは本誌に、当時その討論会にいったい何人が参加するだろうかと思った記憶があると語った。

アルセは今年の党大会について、より多くの人が視聴しているプライムタイムのプログラムに著名なヒスパニック系の議員がいないと、バイデン陣営や大会事務局を批判してきた。だが自宅からヒスパニック議員連盟の集会を視聴して多くの有権者と意見交換した彼女は、考えを改めざるを得なかった。党大会は今後もライブ配信を駆使し、有権者が自らの生活に影響を及ぼすプロセスに参加し、学ぶ機会をより多く提供していくべきだ、と。

「多くの場合、私たちは実際の議論に参加して意見を交わすことができなかった」とアルセは語った。「だから意見を聞くことができて嬉しい」

<参考記事>黒人女性カマラ・ハリス、実は黒人から人気がない?
<参考記事>【パックン予測】カマラ・ハリスは2024年のアメリカ大統領になる!

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米ISS、コアウィーブによる90億ドル規模の買収計

ワールド

アラスカLNG事業、年内に費用概算完了=米内務長官

ワールド

アングル:高市政権、日銀との「距離感」に変化も 政

ワールド

世界安全保障は戦後最も脆弱、戦わず新秩序に適応をと
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:脳寿命を延ばす20の習慣
特集:脳寿命を延ばす20の習慣
2025年10月28日号(10/21発売)

高齢者医療専門家の和田秀樹医師が説く――脳の健康を保ち、認知症を予防する日々の行動と心がけ

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 2
    今年、記録的な数の「中国の飲食店」が進出した国
  • 3
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多い県」はどこ?
  • 4
    本当は「不健康な朝食」だった...専門家が警告する「…
  • 5
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 6
    TWICEがデビュー10周年 新作で再認識する揺るぎない…
  • 7
    米軍、B-1B爆撃機4機を日本に展開──中国・ロシア・北…
  • 8
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 9
    【インタビュー】参政党・神谷代表が「必ず起こる」…
  • 10
    若者は「プーチンの死」を願う?...「白鳥よ踊れ」ロ…
  • 1
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号返上を表明」も消えない生々しすぎる「罪状」
  • 2
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多い県」はどこ?
  • 3
    まるで『トップガン』...わずか10mの至近戦、東シナ海で「中国J-16」 vs 「ステルス機」
  • 4
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 5
    フィリピンで相次ぐ大地震...日本ではあまり報道され…
  • 6
    今年、記録的な数の「中国の飲食店」が進出した国
  • 7
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
  • 8
    日本で外国人から生まれた子どもが過去最多に──人口…
  • 9
    本当は「不健康な朝食」だった...専門家が警告する「…
  • 10
    「心の知能指数(EQ)」とは何か...「EQが高い人」に…
  • 1
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になりやすい人」が持ち歩く5つのアイテム
  • 2
    「大谷翔平の唯一の欠点は...」ドジャース・ロバーツ監督が明かすプレーオフ戦略、監督の意外な「日本的な一面」とは?
  • 3
    カミラ王妃のキャサリン妃への「いら立ち」が話題に...「少々、お控えくださって?」
  • 4
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレ…
  • 5
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 6
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 7
    バフェット指数が異常値──アメリカ株に「数世代で最…
  • 8
    「日本の高齢化率は世界2位」→ダントツの1位は超意外…
  • 9
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
  • 10
    【クイズ】日本人が唯一「受賞していない」ノーベル…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中