最新記事

インタビュー

最側近クシュナーの勝算「大勝利に足るトランプ支持者は確実にいる」

Kushner Gets Candid

2020年8月4日(火)14時45分
ビル・パウエル(本誌シニアライター)

新型コロナ対策でも奮闘したクシュナー DREW ANGERER/GETTY IMAGES

<義理の息子で「何でも屋」、ジャレッド・クシュナーがトランプ政権での役割と大統領選勝利へのロードマップをインタビューで明かした>

6月中旬、ジャレッド・クシュナーに本誌・ビル・パウエルが話を聞いた。

◇ ◇ ◇

──2017年1月の大統領就任当時、トランプは自身の役割をどう考えていたか。

いま振り返ると前世の話のようだ。あの頃私は、彼がホワイトハウスで自分なりのやり方を習得する手助けをしていた。彼の耳目となって優秀な人材を活用し、信用できない人間に目を光らせる必要があった。常に彼を支えた。私はトレンドをつかみ、意思決定をし、組織を運営するのが得意だった。ほとんどの時間を大統領がやりたいことに費やしてきた。私は何でも屋だ。

遊説に同行して次第にはっきり分かってきた。トランプは声を上げたがっている人々の代弁者だった。知識人と一般のアメリカ人とでは感じ方が違うんだ。彼が何のために戦っているかが分かった。

──コロナ危機への対応は?

最大の問題は人工呼吸器と検査だった。民間企業と協力して取り組んだ。数多くの要素を組み合わせ、サプライチェーンを復活させ、各種検査機器の使用認可のお膳立てをし、検査機器の開発企業と連絡を取り合った。多くの規制を緩和することができた。煩雑な手続きを省略したことで、一気に進む。どんどん検査ができるようにしている。

人工呼吸器の状況は州によってまちまちだった。どのリソースが民間にあるか、どこにあるかを突き止め、電話で各州の保有数と利用率を確認した。秩序を要請した。

感染者数が増加するなか、5月1日までに13万台製造するのは無理かもしれないと思った。感染拡大を抑えられなければ、イタリアのように患者が担架に乗せられたまま死ぬ事態に陥りかねなかった。

──なぜ中東和平の担当に?

義父(トランプ)に請われて。彼は米イスラエル関係に非常に熱心だ。彼の支持基盤にとって両国の関係は非常に重要だから。自分が満足のいく形での解決を望んでいた。

パレスチナとイスラエルの協議という枠組みをはるかに超える力学が働いていた。両者の対立はガンだ。腫瘍の治療・摘出が和解につながる。そこでまずサウジアラビアに行き、中東問題でトランプが目指すところを示そうとした。

イスラエル、パレスチナ双方と協議して気付いたのは、誰もがプロセスや歴史を重視したがっていることだ。そこが落とし穴だ。過去の和平合意は現状維持の言い訳も同然だった。パレスチナ自治政府は資金を、イスラエルは土地を手に入れ続けることができた。どちらも本気で問題を解決しようとはしていなかった。

【関連記事】トランプ最強の指南役、義理の息子クシュナーの頭の中
【関連記事】トランプ旋風支える「影のブレーン」

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

JX金属、通期予想を上方修正、米関税の影響縮小や銅

ワールド

イスラエル、ガザへの段階的な物資搬入を許可へ 地元

ビジネス

リクルートHD、4-6月期営業益20%増 通期予想

ビジネス

午後3時のドルは147円前半で上値重い、一時2週間
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:Newsweek Exclusive 昭和100年
特集:Newsweek Exclusive 昭和100年
2025年8月12日/2025年8月19日号(8/ 5発売)

現代日本に息づく戦争と復興と繁栄の時代を、ニューズウィークはこう伝えた

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    こんな症状が出たら「メンタル赤信号」...心療内科医が伝授、「働くための」心とカラダの守り方とは?
  • 2
    「週4回が理想です」...老化防止に効くマスターベーション、医師が語る熟年世代のセルフケア
  • 3
    こんなにも違った...「本物のスター・ウォーズ」をディズニーが公開へ? 50周年でオリジナル版「復活」の可能性
  • 4
    メーガンとキャサリン、それぞれに向けていたエリザ…
  • 5
    【クイズ】1位はアメリカ...世界で2番目に「原子力事…
  • 6
    12歳の娘の「初潮パーティー」を阻止した父親の投稿…
  • 7
    自分を追い抜いた選手の頭を「バトンで殴打」...起訴…
  • 8
    ウォーキングだけでは「寝たきり」は防げない──自宅…
  • 9
    カムチャツカも東日本もスマトラ島沖も──史上最大級…
  • 10
    「15対0の完敗」──EUは安全保障を米国に依存する日本…
  • 1
    「週4回が理想です」...老化防止に効くマスターベーション、医師が語る熟年世代のセルフケア
  • 2
    ウォーキングだけでは「寝たきり」は防げない──自宅で簡単にできる3つのリハビリ法
  • 3
    こんな症状が出たら「メンタル赤信号」...心療内科医が伝授、「働くための」心とカラダの守り方とは?
  • 4
    12歳の娘の「初潮パーティー」を阻止した父親の投稿…
  • 5
    日本人の児童買春ツアーに外務省が異例の警告
  • 6
    いま玄関に「最悪の来訪者」が...ドアベルカメラから…
  • 7
    枕元に響く「不気味な咀嚼音...」飛び起きた女性が目…
  • 8
    【クイズ】1位は韓国...世界で2番目に「出生率が低い…
  • 9
    カムチャツカも東日本もスマトラ島沖も──史上最大級…
  • 10
    メーガンとキャサリン、それぞれに向けていたエリザ…
  • 1
    「週4回が理想です」...老化防止に効くマスターベーション、医師が語る熟年世代のセルフケア
  • 2
    その首輪に書かれていた「8文字」に、誰もが言葉を失った
  • 3
    ウォーキングだけでは「寝たきり」は防げない──自宅で簡単にできる3つのリハビリ法
  • 4
    こんな症状が出たら「メンタル赤信号」...心療内科医…
  • 5
    頭はどこへ...? 子グマを襲った「あまりの不運」が…
  • 6
    幸せホルモン「セロトニン」があなたを変える──4つの…
  • 7
    囚人はなぜ筋肉質なのか?...「シックスパック」は夜…
  • 8
    「細身パンツ」はもう古い...メンズファッションは…
  • 9
    「ベンチプレス信者は損している」...プッシュアップ…
  • 10
    12歳の娘の「初潮パーティー」を阻止した父親の投稿…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中