最新記事

米中対立

米高官「ヒューストン中国総領事館は最悪の違反ケース」 コロナワクチン開発のスパイか

2020年7月25日(土)13時59分

米国務省高官は24日、中国が米国内の在外公館を通じスパイ活動など悪意ある行動に従事しているとした上で、テキサス州ヒューストンの中国総領事館は最悪の違反ケースの一つで、関与していた活動は容認できる線を超えていたとの認識を示した(2020年 ロイター/Aly Song)

米政府高官は24日、中国が米国内の在外公館を通じスパイ活動など悪意ある行動に従事しているとした上で、同日閉鎖されるテキサス州ヒューストンの中国総領事館は「最悪の違反ケースの一つ」で、関与していた活動は「容認できる線を超えていた」との認識を示した。

国務省の高官は、ヒューストン総領事館の活動が中国の進める新型コロナウイルスワクチンの研究に関連していたと指摘。中国がコロナワクチン開発競争で首位に立ちたいという意志は極めて明確と述べた。

同高官は標的となっていた可能性のあるワクチン研究の詳細には踏み込まなかったものの、テキサス州には国立アレルギー感染症研究所の主要施設に相当するガルベストン国立研究所があり、同所ではコロナワクチンの研究が行われている。

米政府は今週、ヒューストンの中国総領事館閉鎖を命じた。米国の知的財産権と個人情報の保護が目的と説明していた。中国政府はこの日、対抗措置として、四川省成都市にある米総領事館の閉鎖を通知したと発表した。

司法省の高官は、いずれの国であれ領事館が一定の情報活動の拠点となっているという事実は受け入れるとしつつも、「ヒューストンの中国領事館の活動はわれわれが容認できる限度をはるかに超えていた」と語った。

同時に、領事館関係者には外交特権が認められているため、刑事責任の追及は容易ではないとの見方を示した。

同高官はさらに、当局が在サンフランシスコ中国総領事館に逃げ込んだ中国人研究者を拘束したと明らかにした。

法廷文書によると、この研究者はカリフォルニア大学デービス校に勤務し、米国ビザを不正に所得した疑いが持たれている。

司法省は前日、連邦捜査局(FBI)が国内約25都市で中国人民解放軍メンバーとみられる中国籍の米国ビザ保有者を聴取し、ビザに関する詐欺行為の疑いで3人を逮捕し、4人目が在サンフランシスコ中国領事館に逃げ込んでいるとしていた。

また、国務省高官によると、両国間の緊張の高まりに反し、中国側は引き続き、新型コロナ流行を受けて中国から退避した米外交官らの中国帰還を容認しているという。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2020トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


【関連記事】
・コロナ危機で、日本企業の意外な「打たれ強さ」が見えてきた
・巨大クルーズ船の密室で横行するレイプ
・がんを発症の4年前に発見する血液検査
・インドネシア、地元TV局スタッフが殴打・刺殺され遺体放置 謎だらけの事件にメディア騒然


20200728issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2020年7月28日号(7月21日発売)は「コロナで変わる日本的経営」特集。永遠のテーマ「生産性の低さ」の原因は何か? 危機下で露呈した日本企業の成長を妨げる7大問題とは? 克服すべき課題と、その先にある復活への道筋を探る。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

イランの指導者らを殺すことは「大きな名誉」、トラン

ビジネス

ニデックが「役員責任調査委員会」設置、損害賠償請求

ビジネス

ゴールドマン、3月の北海原油価格予想を100ドル超

ワールド

英利下げ時期6月に後ずれ、BofA イラン情勢で見
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:教養としてのミュージカル入門
特集:教養としてのミュージカル入門
2026年3月17日号(3/10発売)

社会と時代を鮮烈に描き出すミュージカル。意外にポリティカルなエンタメの「魔力」を学ぶ

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」と言われる外国特派員の私が思うこと
  • 2
    職業別の収入に大変動......タクシー運転手・自動車整備は収入増、公認会計士・税理士は収入減
  • 3
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製をモデルにした米国製ドローンを投入
  • 4
    「イラン送りにすべき...」トランプ孫娘、警護隊引き…
  • 5
    「このままよりはマシだ」――なぜイランで米軍の攻撃…
  • 6
    世界の視線は中東から日本へ...企業主導で築くインド…
  • 7
    ショーン・ペンは黙らない――「ウクライナへの裏切り…
  • 8
    「映画賞の世界は、はっきり言って地獄だ」――ショー…
  • 9
    2万歩でも疲れない? ディズニー・ユニバで足が痛く…
  • 10
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...…
  • 1
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 2
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 3
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」と言われる外国特派員の私が思うこと
  • 4
    「このままよりはマシだ」――なぜイランで米軍の攻撃…
  • 5
    キャサリン皇太子妃、英連邦デー式典に出席...公開さ…
  • 6
    職業別の収入に大変動......タクシー運転手・自動車…
  • 7
    【長期戦はイラン有利】米側の体制転覆シナリオに暗…
  • 8
    日本の保護者は自分と同じ「大卒」の教員に敬意を示…
  • 9
    40年以上ぶり...イスラエル戦闘機「F-35I」が、イラ…
  • 10
    中国はイランを見捨てた? イランの「同盟国」だっ…
  • 1
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 2
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 3
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 4
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...…
  • 5
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 6
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 7
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
  • 8
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 9
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビ…
  • 10
    命は長し、働け女たち――88歳「働くばあさん」が説く…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中