最新記事

都市脱出

英米の新しい生活様式は都市脱出? 増える地方での職&家探し

2020年6月29日(月)16時50分
松丸さとみ

ロックダウン終了後の従業員の働き方について尋ねた項目では、調査に参加した人の37%が、在宅勤務をこれまでよりも頻繁に許可すると回答。さらに13%の人が、ロックダウン解除後は在宅勤務を標準の勤務形態とし、物理的なオフィスもなくす予定だと回答した。

米は在宅勤務者を呼び込む都市プログラムが人気

都市から地方へと脱出する傾向は、米国でも見られている。オクラホマ州タルサでは、2018年11月から「タルサ・リモート」というプログラムを行っている。オクラホマ州以外の場所にある企業に社員として雇用されている在宅勤務の人か個人事業主に、タルサに引っ越してきてもらおうというものだ。新たな世代を呼び込む試みで、無料のデスクスペースなどを支給するほか、準備費用などとして1年目が終わるまでに合計で現金1万ドル(約107万円)が支給される。

ブルームバーグ 紙によると、このプログラムへの関心がコロナで非常に高まっている。4月と5月の申込者数は、2月と3月から倍増しており、ウェブサイトへのトラフィックも倍に増えた。受け入れ第一弾となった昨年の参加者は70人だったが、今年は6月時点ですでに125人がタルサに引越しを終え、6月の1週間だけで25人が見学に来たという。

ブルームバーグは、タルサ・リモートへの関心の高さは「驚きではない」としている。コロナ禍に見舞われている米国では、在宅勤務はすでに急増中の雇用形態であり、物理的な事務所を閉鎖して、従業員に自宅で勤務させる企業が増えているのだ。

同紙によると、米国の地方都市ではこれまで、経済の活性化プログラムとして、奨励金などを出して企業を誘致するところが多かった。しかし今は、タルサのように会社ではなく個人をターゲットにして呼び込む都市が増え始めているという。同紙によると、すでにジョージア州サバンナやバーモント州、カンザス州トピーカなどがタルサと同様のプログラムを開始している。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

優良信用スコア持つ米消費者、債務返済に遅れ=バンテ

ビジネス

メルセデス・ベンツ年金信託、保有する日産自株3.8

ワールド

イスラエルがガザの病院攻撃、20人死亡 ロイター契

ワールド

インドの格付け「BBB-」維持、高債務と米関税リス
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:台湾有事 そのとき世界は、日本は
特集:台湾有事 そのとき世界は、日本は
2025年8月26日号(8/19発売)

中国の圧力とアメリカの「変心」に危機感。東アジア最大のリスクを考える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    プール後の20代女性の素肌に「無数の発疹」...ネット民が「塩素かぶれ」じゃないと見抜いたワケ
  • 2
    皮膚の内側に虫がいるの? 投稿された「奇妙な斑点」の正体...医師が回答した「人獣共通感染症」とは
  • 3
    飛行機内で隣の客が「最悪」のマナー違反、「体を密着させ...」 女性客が投稿した写真に批判殺到
  • 4
    なぜ筋トレは「自重トレーニング」一択なのか?...筋…
  • 5
    顔面が「異様な突起」に覆われたリス...「触手の生え…
  • 6
    「死ぬほど怖い」「気づかず飛び込んでたら...」家の…
  • 7
    【写真特集】「世界最大の湖」カスピ海が縮んでいく…
  • 8
    「あなた誰?」保育園から帰ってきた3歳の娘が「別人…
  • 9
    アメリカの農地に「中国のソーラーパネルは要らない…
  • 10
    中国で「妊娠ロボット」発売か――妊娠期間も含め「自…
  • 1
    「まさかの真犯人」にネット爆笑...大家から再三「果物泥棒」と疑われた女性が無実を証明した「証拠映像」が話題に
  • 2
    「レプトスピラ症」が大規模流行中...ヒトやペットに感染、最悪の場合死亡も
  • 3
    「あなた誰?」保育園から帰ってきた3歳の娘が「別人」だった...母親によるビフォーアフター画像にSNS驚愕
  • 4
    「死ぬほど怖い」「気づかず飛び込んでたら...」家の…
  • 5
    中国で「妊娠ロボット」発売か――妊娠期間も含め「自…
  • 6
    プール後の20代女性の素肌に「無数の発疹」...ネット…
  • 7
    なぜ筋トレは「自重トレーニング」一択なのか?...筋…
  • 8
    20代で「統合失調症」と診断された女性...「自分は精…
  • 9
    皮膚の内側に虫がいるの? 投稿された「奇妙な斑点」…
  • 10
    飛行機内で隣の客が「最悪」のマナー違反、「体を密…
  • 1
    「週4回が理想です」...老化防止に効くマスターベーション、医師が語る熟年世代のセルフケア
  • 2
    こんな症状が出たら「メンタル赤信号」...心療内科医が伝授、「働くための」心とカラダの守り方とは?
  • 3
    「自律神経を強化し、脂肪燃焼を促進する」子供も大人も大好きな5つの食べ物
  • 4
    デカすぎ...母親の骨盤を砕いて生まれてきた「超巨大…
  • 5
    デンマークの動物園、飼えなくなったペットの寄付を…
  • 6
    「まさかの真犯人」にネット爆笑...大家から再三「果…
  • 7
    ウォーキングだけでは「寝たきり」は防げない──自宅…
  • 8
    山道で鉢合わせ、超至近距離に3頭...ハイイログマの…
  • 9
    「レプトスピラ症」が大規模流行中...ヒトやペットに…
  • 10
    将来ADHDを発症する「幼少期の兆候」が明らかに?...…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中