最新記事

朝鮮半島

韓国の弱腰対応が北朝鮮をつけ上がらせている

North Korea’s Explosive bullying

2020年6月22日(月)17時50分
ダグ・バンドー(ケイトー研究所上級研究員)

韓国は、金与正を妖艶なセレブ扱いしてきたメディアの姿勢を正すチャンスとして、この一件を利用すべきだ。辛辣な言葉で相手を罵倒する彼女の姿勢は時代遅れの共産党員という表現がぴったりで、北朝鮮を新たな時代へと導く改革者の姿には程遠い。韓国は、金正恩が2年前に世界に発した融和的なメッセージと矛盾する彼女の行動や発言を批判するべきだ。

韓国(とアメリカ)にとっては、北への関与を続けることが今後も最善のアプローチとなる。ただしそれは、北朝鮮の指導者たちが侮辱と脅しの政治に回帰しても、その言いなりになるべきだ、という意味ではない。

韓国は自国の強い立場を活用し、状況に応じて対応すべきだ。相手がまともな交渉相手でない以上、民間団体がビラ付きの風船を飛ばすのを阻止するべきではない。

From Foreign Policy Magazine

<2020年6月30日号掲載>

【話題の記事】
「クラスで一番の美人は金正恩の性奴隷になった」
街に繰り出したカワウソの受難 高級魚アロワナを食べたら...
北朝鮮「亡命兵士」の腸が寄生虫だらけになった理由
地下5キロメートルで「巨大な生物圏」が発見される

20200630issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2020年6月30日号(6月23日発売)は「中国マスク外交」特集。アメリカの隙を突いて世界で影響力を拡大。コロナ危機で焼け太りする中国の勝算と誤算は? 世界秩序の転換点になるのか?

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

高市氏、党総裁選で公約「責任ある積極財政」 対日投

ビジネス

英利下げ再開、GSやJPモルガンは来年2月 バーグ

ワールド

再送-タイ中銀、バーツ変動抑制へ介入=総裁補

ビジネス

ETF売却の知見蓄積、特定の株価水準念頭の判断では
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が尊敬する日本の小説36
特集:世界が尊敬する日本の小説36
2025年9月16日/2025年9月23日号(9/ 9発売)

優れた翻訳を味方に人気と評価が急上昇中。21世紀に起きた世界文学の大変化とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「何だこれは...」クルーズ船の客室に出現した「謎の物体」にSNS大爆笑、「深海魚」説に「カニ」説も?
  • 2
    燃え上がる「ロシア最大級の製油所」...ウクライナ軍、夜間に大規模ドローン攻撃 国境から約1300キロ
  • 3
    1年で1000万人が死亡の可能性...迫る「スーパーバグ」感染爆発に対抗できる「100年前に忘れられた」治療法とは?
  • 4
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影…
  • 5
    「日本を見習え!」米セブンイレブンが刷新を発表、…
  • 6
    アジア作品に日本人はいない? 伊坂幸太郎原作『ブ…
  • 7
    ケージを掃除中の飼い主にジャーマンシェパードがま…
  • 8
    「ゾンビに襲われてるのかと...」荒野で車が立ち往生…
  • 9
    中国山東省の住民が、「軍のミサイルが謎の物体を撃…
  • 10
    中国経済をむしばむ「内巻」現象とは?
  • 1
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影...目覚めた時の「信じがたい光景」に驚きの声
  • 2
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれば当然」の理由...再開発ブーム終焉で起きること
  • 3
    【クイズ】次のうち、飲むと「蚊に刺されやすくなる」飲み物はどれ?
  • 4
    科学が解き明かす「長寿の謎」...100歳まで生きる人…
  • 5
    「二度見した」「小石のよう...」マッチョ俳優ドウェ…
  • 6
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
  • 7
    「何だこれは...」クルーズ船の客室に出現した「謎の…
  • 8
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 9
    【クイズ】世界で1番「島の数」が多い国はどこ?
  • 10
    電車内で「ウクライナ難民の女性」が襲われた驚愕シ…
  • 1
    「4針ですかね、縫いました」日本の若者を食い物にする「豪ワーホリのリアル」...アジア出身者を意図的にターゲットに
  • 2
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 3
    「まさかの真犯人」にネット爆笑...大家から再三「果物泥棒」と疑われた女性が無実を証明した「証拠映像」が話題に
  • 4
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影…
  • 5
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ…
  • 6
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれ…
  • 7
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
  • 8
    【クイズ】次のうち、飲むと「蚊に刺されやすくなる…
  • 9
    プール後の20代女性の素肌に「無数の発疹」...ネット…
  • 10
    「怖すぎる」「速く走って!」夜中に一人ランニング…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中