最新記事

朝鮮半島

追い詰められた文在寅 対北朝鮮「融和路線」最大の試練に

2020年6月18日(木)11時06分

打つ手なし

北朝鮮の強腰が鮮明化した今週、文氏の与党の一部メンバーは米国に対して、工業や観光面で南北経済協力を再開できるような制裁適用除外を要請した。

与党は、18年の南北会談での合意事項で具体的な批准手続きに動くことも表明していた。

だが、今やすっかり意気消沈した、ある大統領府高官は17日、北朝鮮が破棄しようとしている合意を今さら批准する意味はないとこぼした。

以前に非核化問題で韓国の特使を務めたChun Yung Woo氏は、北朝鮮の狙いは軍事衝突ではなく脅威を与えて韓国に圧力を加えることで、それが効果を発揮する可能性があるとの見方を示した。

同氏によると、文政権が南北交流を諦めることは不可能で「さまざまな譲歩をするしかない」という。

とはいえ、足元で韓国政府に広がっているのは困惑と落胆だ。先の大統領府高官は記者団から次の一手を問われると「われわれはまだ協議を続けている。状況は動いており、今後の予想に基づいて全てを決定せず、事態を慎重に見守る」と述べ、具体策がないことを示唆した。


Hyonhee Shin

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2020トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


【関連記事】
・スウェーデンの新型コロナ感染者数が1日最多に、死亡率も世界屈指
・巨大クルーズ船の密室で横行するレイプ
・フロリダの新規感染者1日で最多の2000人超 アメリカに忍び寄る新型コロナ第2波
・街に繰り出したカワウソの受難 高級魚アロワナを食べたら...


20200623issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2020年6月23日号(6月16日発売)は「コロナ時代の個人情報」特集。各国で採用が進む「スマホで接触追跡・感染監視」システムの是非。第2波を防ぐため、プライバシーは諦めるべきなのか。コロナ危機はまだ終わっていない。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

ガザ停戦案、ハマスは修正要求 米特使「受け入れられ

ワールド

米国防長官、「中国の脅威」警告 アジア同盟国に国防

ビジネス

中国5月製造業PMIは49.5、2カ月連続50割れ

ビジネス

アングル:中国のロボタクシー企業、こぞって中東に進
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:岐路に立つアメリカ経済
特集:岐路に立つアメリカ経済
2025年6月 3日号(5/27発売)

関税で「メイド・イン・アメリカ」復活を図るトランプ。アメリカの製造業と投資、雇用はこう変わる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    あなたも当てはまる? 顔に表れるサイコパス・ナルシストの特徴...その見分け方とは?
  • 2
    3分ほどで死刑囚の胸が激しく上下し始め...日本人が知らないアメリカの死刑、リアルな一部始終
  • 3
    大爆発で一瞬にして建物が粉々に...ウクライナ軍「MiG-29戦闘機」の空爆が、ロシア国内「重要施設」を吹き飛ばす瞬間
  • 4
    「ホットヨガ」は本当に健康的なのか?...医師らが語…
  • 5
    【クイズ】生活に欠かせない「アルミニウム」...世界…
  • 6
    「これは拷問」「クマ用の回転寿司」...ローラーコー…
  • 7
    ペットの居場所に服を置いたら「黄色い点々」がびっ…
  • 8
    「ウクライナにもっと武器を」――「正気を失った」プ…
  • 9
    イーロン・マスクがトランプ政権を離脱...「正直に言…
  • 10
    第三次大戦はもう始まっている...「死の4人組」と「…
  • 1
    大爆発で一瞬にして建物が粉々に...ウクライナ軍「MiG-29戦闘機」の空爆が、ロシア国内「重要施設」を吹き飛ばす瞬間
  • 2
    3分ほどで死刑囚の胸が激しく上下し始め...日本人が知らないアメリカの死刑、リアルな一部始終
  • 3
    今や全国の私大の6割が定員割れに......「大学倒産」時代の厳しすぎる現実
  • 4
    あなたも当てはまる? 顔に表れるサイコパス・ナルシ…
  • 5
    【クイズ】世界で最も「ダイヤモンド」の生産量が多…
  • 6
    「ウクライナにもっと武器を」――「正気を失った」プ…
  • 7
    「ディズニーパーク内に住みたい」の夢が叶う?...「…
  • 8
    ヘビがネコに襲い掛かり「嚙みついた瞬間」を撮影...…
  • 9
    【クイズ】世界で2番目に「金の産出量」が多い国は?
  • 10
    イーロン・マスクがトランプ政権を離脱...「正直に言…
  • 1
    【定年後の仕事】65歳以上の平均年収ランキング、ワースト2位は清掃員、ではワースト1位は?
  • 2
    日本はもう「ゼロパンダ」でいいんじゃない? 和歌山、上野...中国返還のその先
  • 3
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの運動」とは?
  • 4
    「2025年7月5日に隕石落下で大災害」は本当にあり得…
  • 5
    大爆発で一瞬にして建物が粉々に...ウクライナ軍「Mi…
  • 6
    ドローン百機を一度に発射できる中国の世界初「ドロ…
  • 7
    【クイズ】EVの電池にも使われる「コバルト」...世界…
  • 8
    【クイズ】世界で2番目に「軍事費」が高い国は?...1…
  • 9
    3分ほどで死刑囚の胸が激しく上下し始め...日本人が…
  • 10
    部下に助言した時、返事が「分かりました」なら失敗…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中