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キスは1日1度だけ、ラブシーンはCGで? 「ウイズコロナ」の映画やドラマはこう変わる

2020年6月12日(金)20時23分
ウォリックあずみ(映画配給コーディネイター)

長時間のキスシーンだとレインボーブリッジが赤くなるかも!? RyanKing999 - iStockphoto

<大河ドラマ『麒麟がくる』を前代未聞の放映休止に追い込んだ新型コロナ。ドラマや映画の撮影現場はどうなるのか──>

新型コロナウイルスの世界的パンデミックは、これまでの常識を覆し、まったく新しい日常の姿を定着させようとしている。映像の世界でも撮影休止などコロナの影響を大きく受けていたが、感染予防の策が練られて、休止していた撮影が徐々に再開されようとしている。

日本の各テレビ局はドラマなどの撮影再開にあたって、現場でのガイドラインを作っているようだ。「手洗いうがい、距離を保ち、接触は避ける」など基本的予防策はもちろんだが、これからは三密を避けるため、オーディションはリモートが推奨されるようになった。

また、これまで常識とされてきた顔合わせや読み合わせは、原則として行われなくなり、キャストや関係者からの差し入れも撮影現場ではよく見かける光景だったが、これらも禁止されている。

他にも、エキストラは極力使わないか最少人数で撮影する、食事シーンは控えるなど、作品の絵面に影響を与えてしまいかねない項目もある。さらに、注目されているのが濃厚接触といえるキスシーン問題だ。

恋愛ドラマに欠かせないキスシーンどうする!?

どうしても必要なシーンでは、リハーサルまでマスク越しで行い、本番1回、さらに1日1度のみ可能としている。だが、この1回でも感染するときはするので、どれだけ効果があるのか不明である。さらに、テレビ東京の指針では、マネージャーやプロデューサーまでもが、撮影中は現場から離れた場所でリモートにて様子を確認する事が記されている。

一方、日本の映画業界では、日本映画製作者連盟が、政府の新型コロナウイルス感染症対策専門会議において示された「業種ごとの感染拡大予防ガイドライン」を作成した。こちらも、ドラマ業界同様、基本的に換気と消毒、三密を避けることが記されている。

ガイドラインによると、オーディションはオンラインで行い、現場でのケータリングは禁止されている。また、「20平方メートル以下の狭い場所での撮影の場合、出演者の他は演出部、撮影部、録音部等必要最小限のスタッフのみが立ち会うことを許可する」「他のスタッフはリモート・ビューイング機能により撮影に参加する」と、かなり細かい指示が記されている印象だ。

ラブシーンなど濃厚接触については、「身体的な接触が必要なシーンの撮影においては、出演者は前後に 手洗いと口唇・口腔内等の消毒を行うこととする」と、ドラマのように回数指定はされていないが、前後に各部位消毒することが記載されている。

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