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大統領就任20年、ロシアを「巻き戻した」プーチンの功罪を9人の識者が斬る

HOW PUTIN CHANGED RUSSIA FOREVER

2020年6月4日(木)16時40分
スーザン・グレーサー(元ワシントン・ポスト紙モスクワ支局共同支局長)ほか

プーチンのロシアは大国の仲間入りをしたが、欧米とたもとを分かち今や強権国家の代表格だ SERGEI KARPUKHIN-REUTERS

<世界でも有数の強大な権力を誇り「終身大統領」への道を邁進するプーチンは、20年の間にロシアをどう変えたのか。そして、今後の針路は......>

現在、ロシア大統領として通算4期目の任期を務めるウラジーミル・プーチンが、最初にその職に就いたのは2000年5月7日のこと。その5カ月ほど前、ボリス・エリツィン大統領(当時)が電撃辞任すると、首相だったプーチンが後継指名を受けて大統領代行に就任。3月下旬に行われた大統領選では50%を辛うじて上回る得票率で何とか決選投票を免れ、1期目をスタートさせた。

あれから20年、プーチンは絶対的な権力を手に入れ、国際社会におけるロシアの地位を強化してきた。ロシア政府はプーチンを事実上の「終身大統領」にできる憲法改正を推し進めており、世界有数の強大な権力を持つ指導者が、世界有数の長期政権を担う可能性が高まっている。

この20年間、プーチンはロシアという国家と、世界におけるその立場をどう変えてきたのか、そして今後、何が待ち受けているのか。専門家やジャーナリストらの見解を聞いた。

旧態依然とした国家像に舞い戻った20年

スーザン・グレーサー(元ワシントン・ポスト紙モスクワ支局共同支局長)

もしも20年前に「プーチンはスターリン以来最長の任期を誇る指導者になると思うか」と聞かれたら、私を含む誰もが不審な顔つきで沈黙するか、大笑いしたことだろう。

私は当時、ワシントン・ポスト紙モスクワ支局の共同支局長だったが、周囲のロシア人の反応を見る限り、まだ40代で大統領に就任したプーチンの売りは、若くて話が明瞭で、文字どおり「しらふ」であること。つまり、高齢で病気がちで、ウオツカに溺れて支離滅裂だったエリツィンとは違う、という点だった。

プーチンは税制改革を掲げ、欧州を称賛し、経済を立て直すと語った。国内の支持者にとっても、彼の真意を読み誤った西側の多くの人々にとっても、プーチンは近代的な「普通」の国家を目指すロシアの新たな針路を体現しているように見えた。

もちろん当時でさえ、そうした評価の裏で目をつぶらざるを得ない面も多々あった。プーチンが頭角を現すきっかけとなった残忍なチェチェン紛争、後継指名の引き換えとしてエリツィンの取り巻きに恩赦を与えたこと、KGB(国家保安委員会)の諜報員だった過去──。

20年がたち、今のロシアは再び権威主義的な伝統と、天然資源に依存し過ぎた汚職まみれの経済と格闘する高齢の指導者に苦しめられている。ソ連をよみがえらせたわけでも、強制収容所を造ったわけでもないが、プーチン流の新たな国家像は彼が思う以上に旧態依然としている。

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