最新記事

パンデミック

世界の新型コロナ感染者1000万人突破、死者50万人に到達

2020年6月29日(月)16時13分

COVID─19(新型コロナウイルス感染症)による死者が28日、世界全体で50万人に達した。写真は27日、新型コロナウイルス感染症で死亡した人のために準備されたジャカルタの墓地で撮影(2020年 ロイター/Willy Kurniawan)

ロイターの集計によると、COVID─19(新型コロナウイルス感染症)による死者が28日、世界全体で50万人に達した。世界の累計の感染者数は1000万人を突破した。

COVID─19による死者は50万1000人、感染者は累計で1010万人。

死者数の増加ペースはこの数週間で落ち着きつつあるものの、公衆衛生の専門家らは、米国やインド、ブラジルでの新規感染者数の記録的な増加や、アジアの一部諸国における感染再拡大に懸念を示している。


28日には中南米の感染者数が欧州を上回り、北米に次ぐ規模となった。オーストラリアでは1日の新規感染者が2カ月超ぶりの水準となり、一部の地域で制限措置の再導入が検討されている。

6月1─27日のデータに基づくロイターの集計によると、24時間に平均で4700人以上が新型コロナ感染症で死亡している。1時間当たりで196人、18秒あたり1人が死亡していることになる。

ロイターのデータによると、新型コロナ感染症の世界全体の死者数のうち、米国がおよそ4分の1を占めた。米国では最近、早期に積極的に経済再開に動いた南部、西部の一部の州で、感染者が急増している。

新型コロナ感染症による死者数は、月当たりでみると世界全体で7万8000人。世界保健機関(WHO)の2018年の統計では、エイズ(AIDS、後天性免疫不全症候群)関連の死亡者数は月当たり6万4000人、マラリアによる死者数は月3万6000人となっている。

医療の専門家の多くは一部の国で新型コロナの感染者と死者の数が過少報告されている可能性が高いとし、公式のデータをうのみにはできないと警告している。

変わる埋葬儀式

死者数の増加に伴い世界各地で伝統的な埋葬儀式に変化が生じており、遺族が故人に直接別れを告げることを禁じられることも少なくない。

イスラエルではイスラム教徒が死者の遺体を洗う習慣は認められておらず、遺体は布に包む代わりにビニール袋に入れなければならない。また喪に服している家に親族が7日間通うユダヤ教のシバと呼ばれる伝統も困難になっている。

イタリアではカトリック教徒が葬儀も司祭の祝福もなく埋葬されている。

高齢者に高い感染リスク

公衆衛生の専門家は人口動態と死亡率の関係を調べている。人口が高齢化している欧州の一部の国では死亡率が高いとう報告もある。

欧州疾病予防管理センター(ECDC)が4月に発表した報告書によると、20カ国の30万件以上の症例を調べた結果、死者の約46%が80歳以上だった。

インドネシアでは、何百人もの子供たちが死亡したとされるが、保健当局者は栄養失調や貧血などが原因であると考えている。

*内容を追加しました。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2020トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


【関連記事】
・東京都、新型コロナウイルス新規感染60人を確認 6月の感染者合計886人に
・巨大クルーズ船の密室で横行するレイプ
・今年は海やプールで泳いでもいいのか?──検証
・韓国、日本製品不買運動はどこへ? ニンテンドー「どうぶつの森」大ヒットが示すご都合主義.


20200630issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2020年6月30日号(6月23日発売)は「中国マスク外交」特集。アメリカの隙を突いて世界で影響力を拡大。コロナ危機で焼け太りする中国の勝算と誤算は? 世界秩序の転換点になるのか?

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

ヘッジファンド、銀行株売り 消費財に買い集まる=ゴ

ワールド

訂正-スペインで猛暑による死者1180人、昨年の1

ワールド

米金利1%以下に引き下げるべき、トランプ氏 ほぼ連

ワールド

トランプ氏、通商交渉に前向き姿勢 「 EU当局者が
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:AIの6原則
特集:AIの6原則
2025年7月22日号(7/15発売)

加速度的に普及する人工知能に見えた「限界」。仕事・学習で最適化する6つのルールとは?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「史上最も高価な昼寝」ウィンブルドン屈指の熱戦中にまさかの居眠り...その姿がばっちり撮られた大物セレブとは?
  • 2
    真っ赤に染まった夜空...ロシア軍の「ドローン700機」に襲撃されたキーウ、大爆発の瞬間を捉えた「衝撃映像」
  • 3
    どの学部の卒業生が「最も稼いでいる」のか? 学位別「年収ランキング」を発表
  • 4
    エリザベス女王が「うまくいっていない」と心配して…
  • 5
    「お腹が空いていたんだね...」 野良の子ネコの「首…
  • 6
    【クイズ】次のうち、生物学的に「本当に存在する」…
  • 7
    千葉県の元市長、「年収3倍」等に惹かれ、国政に打っ…
  • 8
    「ベンチプレス信者は損している」...プッシュアップ…
  • 9
    イギリスの鉄道、東京メトロが運営したらどうなる?
  • 10
    日本より危険な中国の不動産バブル崩壊...目先の成長…
  • 1
    「ベンチプレス信者は損している」...プッシュアップを極めれば、筋トレは「ほぼ完成」する
  • 2
    「弟ができた!」ゴールデンレトリバーの初対面に、ネットが感動の渦
  • 3
    「お腹が空いていたんだね...」 野良の子ネコの「首」に予想外のものが...救出劇が話題
  • 4
    日本企業の「夢の電池」技術を中国スパイが流出...AP…
  • 5
    千葉県の元市長、「年収3倍」等に惹かれ、国政に打っ…
  • 6
    どの学部の卒業生が「最も稼いでいる」のか? 学位別…
  • 7
    イギリスの鉄道、東京メトロが運営したらどうなる?
  • 8
    エリザベス女王が「うまくいっていない」と心配して…
  • 9
    完璧な「節約ディズニーランド」...3歳の娘の夢を「…
  • 10
    トランプ関税と財政の無茶ぶりに投資家もうんざり、…
  • 1
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 2
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測不能な大型動物」に近づく幼児連れ 「ショッキング」と映像が話題に
  • 3
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事故...「緊迫の救護シーン」を警官が記録
  • 4
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
  • 5
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...…
  • 6
    気温40℃、空港の「暑さ」も原因に?...元パイロット…
  • 7
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で…
  • 8
    「小麦はもう利益を生まない」アメリカで農家が次々…
  • 9
    イランを奇襲した米B2ステルス機の謎...搭乗した専門…
  • 10
    「うちの赤ちゃんは一人じゃない」母親がカメラ越し…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中