最新記事

経済活動再開

新型コロナ対策の規制緩和に走る欧州諸国 再ロックダウン回避に自信

2020年5月26日(火)11時34分

写真はベルギーのブリュッセルにあるミニチュアパークとその園長。5月18日撮影(2020年 ロイター/Francois Lenoir)

欧州では新型コロナウイルスの大規模な検査・追跡体制を整える国が増えており、これらの国々は経済に大きな打撃を与えるロックダウン(封鎖)措置の再導入を回避できると確信している。

2月や3月に感染の最初の波が押し寄せた際はほとんどの欧州諸国が新型コロナの封じ込めに失敗したものの、ベルギーやポーランドなどは体制を大幅に強化し、感染第2波に備えているという。

ベルギーのクレム内相は24日、放送局VTMに対し「厳しい措置が再び必要になる事態は排除できる」と語った。

ポーランドのシュモフスキ保健相も国内紙に対し、備えは十分整っているとし、「2回目のロックダウンはできない。120超の研究所が検査を実施している。われわれには、このモンスターを抑制する手段がある」と述べた。

新型コロナ感染者数が9000人未満のチェコでは政府が全国的な措置ではなく、より的を絞った措置を検討している。

またセルビアは、市中感染が起きる可能性を見込んだ上で、ロックダウン措置を再導入する可能性は低いとしている。

ロックダウン措置を緩和した国々では市中感染が起きているものの、世界保健機関(WHO)はドイツなど強力な公衆衛生対策が講じられている国ではそうした感染の封じ込めは可能だとの見解を示している。

ドイツでは食肉処理工場や介護施設など一部で集団感染が発生しているものの、5月上旬に制限措置が緩和されて以降、新規感染者は減少し続けている。

一方、感染状況が深刻な一部の国では規制解除に対する警戒感が強い。

フランスの出口戦略責任者、ジーン・カステックス氏は5月上旬に議員らに対し、必要に応じて「再制限」する用意を伴う計画が必要との認識を示した。

ルーマニアのヨハニス大統領も、感染者が急増した場合、本格的なロックダウン措置を再導入することをためらわないと表明した。

[ブリュッセル/ワルシャワ ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2020トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


【関連記事】
・新型コロナの死亡率はなぜか人種により異なっている
・第2次補正予算は13兆円前後か 一律現金給付第2弾は見送りも家賃支援に増額圧力
・東京都、新型コロナウイルス新規感染8人 1週間平均は6.8人に
・米メモリアルデーの週末、ビーチに人々が殺到 11州で感染増加し第2波のリスクも


20200602issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2020年6月2日号(5月25日発売)は「コロナ不況に勝つ 最新ミクロ経済学」特集。行動経済学、オークション、ゲーム理論、ダイナミック・プライシング......生活と資産を守る経済学。不況、品不足、雇用不安はこう乗り切れ。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

ウクライナ大統領「9月まで厳しい状況」、イラン情勢

ビジネス

良品計画、今期純利益予想を上方修正 中東情勢の影響

ワールド

習氏が国民党主席と北京で会談、「中国は断じて台湾独

ビジネス

午後3時のドルは159円前半でもみ合い、中東情勢の
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:トランプの大誤算
特集:トランプの大誤算
2026年4月14日号(4/ 7発売)

国民向け演説は「フェイク」の繰り返し。泥沼化するイラン攻撃の出口は見えない

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    古代のパピルスから新たに見つかった「2500年前の文章」...歴史を塗り替えかねない、その内容とは?
  • 2
    バリ島沖の要衝で「中国製水中ドローン」が回収される...潜水艦の重要ルートで一体何をしていた?
  • 3
    撃墜された米国機から財布やID回収か、イラン側が拡散──深まる謎
  • 4
    ポケモンで遊ぶと脳に「専用の領域」ができる? ポ…
  • 5
    韓国、生理用品無償支給を7月から開始 靴の中敷きで…
  • 6
    戸建てシフトで激変する住宅市場
  • 7
    目のやり場に困る...元アイスホッケー女性選手の「密…
  • 8
    高学力の男女で見ても、日本の男女の年収格差は世界…
  • 9
    「仕事ができる人」になる、ただ1つの条件...「頑張…
  • 10
    「地獄を見る」のは米国か──イラン地上侵攻なら革命…
  • 1
    米特殊部隊、米空軍兵士救出「大成功」に残る多くの疑問
  • 2
    古代のパピルスから新たに見つかった「2500年前の文章」...歴史を塗り替えかねない、その内容とは?
  • 3
    韓国、生理用品無償支給を7月から開始 靴の中敷きで代用した少女たちから10年、アジア初の普遍的支援へ
  • 4
    イラン戦争の現実...アメリカとイスラエル、見え始め…
  • 5
    「南東部と東部の前線で480平方キロ奪還」とウクライ…
  • 6
    「考えの浅い親」が子どもに言ってしまっている口ぐ…
  • 7
    バリ島沖の要衝で「中国製水中ドローン」が回収され…
  • 8
    「地獄を見る」のは米国か──イラン地上侵攻なら革命…
  • 9
    ポケモンで遊ぶと脳に「専用の領域」ができる? ポ…
  • 10
    撃墜された米国機から財布やID回収か、イラン側が拡…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    米特殊部隊、米空軍兵士救出「大成功」に残る多くの疑問
  • 3
    「根底にあるのは怒り」...日本の「3Dプリンター住宅」企業が救う、ウクライナの未来
  • 4
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期ス…
  • 5
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え…
  • 6
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が…
  • 7
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 8
    古代のパピルスから新たに見つかった「2500年前の文…
  • 9
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製…
  • 10
    メーガン妃、娘リリベット王女との「お手伝い姿」公…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中