最新記事

欧州

スペインのコロナウイルス流行に収束の兆し

Spain Flattens the Curve With Smallest Increase in Cases Since the Outbreak

2020年4月6日(月)18時35分
スー・キム

住民からの感謝の拍手に応えるスペインの病院スタッフ(マドリッド、4月5日) Sergio Perez-REUTERS

<感染者数の伸びが鈍化する傾向に。それでも1日あたりの死者数は数百人単位>

スペインではこの1週間、新型コロナウイルスの感染拡大の勢いが鈍化してきた様子が見られる。新たに確認された感染者も死者も1日あたりの数が減ってきていると、スペイン保健省は明らかにした。

ジョンズ・ホプキンス大学のデータによれば、スペインではすでに回復した人の数が3万8000人を超えた一方で、累計の感染者計は世界第2位の13万1000人に達している。死者数も世界第2位の1万2641人だ。

それでもスペイン保健省の4月5日の発表によれば、新たに確認された感染者数は6023人。増加率(前日比)は4.8%で、感染拡大が始まって以降、最も小さくなった。3月25日の20%と比べても大きく減少しているのが分かる。

1日あたりの死者数も減少している。前の週は812〜950人だったが、5日の発表では674人となっている。

「1日あたりの平均増加率の動きに変化が見られる」と、スペインの保健警報・緊急事態調整センターの広報担当者マリアホセ・シエラは30日の記者会見で述べた。

「ソーシャル・ディスタンシング(社会的距離)の措置がスペイン全国で実施されるようになった日以降、つまり3月15〜25日を見ると、感染者数の1日あたりの平均増加率は20%だった。それがその日(25日)以降は12%になっている」

「ソーシャル・ディスタンシングの成果が出た」

シエラはこの減少をそのままコロナ流行の沈静化と受け取ることには慎重だったが、「ソーシャル・ディスタンシングの実施によって期待されていた通りの成果だ」とも述べた。

3月31日には新たな感染者数が11%も増え、死者数も849人と過去最高を記録している。それでも全体的な傾向としては流行は落ち着きつつあると見られている。

「感染者数が(一時的に)また増えたのは確かだが」とシエラは述べた。「(それでも減少傾向は)続いている」

スペインではロックダウン(都市封鎖)が実施されて3週間近くが経過しているが、AP通信によれば3月30日からはさらに生活に必要不可欠でない経済活動のすべてが停止されている。最も深刻なのは首都マドリードのあるマドリード自治州で、新型コロナウイルスの感染者は3万7000人に上る。スペイン第2の都市バルセロナのあるカタルーニャ自治州でも、2万6000人以上が感染している。

全国の病院のうち少なくとも3分の1は対応能力の限界に達していると言われ、医療従事者の感染も相次いでいる。30日の時点で1万3000人近くの医療従事者が感染したと伝えられている。

<参考記事>イタリアを感染拡大の「震源地」にした懲りない個人主義
<参考記事>新型コロナで都市封鎖しないスウェーデンに、感染爆発の警告

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

ユーロ圏経常黒字、1月は379億ユーロへ拡大 増加

ビジネス

ECB、利下げより利上げの可能性高い=仏中銀総裁

ビジネス

英2月財政赤字、予想大幅に上回る イラン戦争が重し

ワールド

在宅勤務や航空機利用自粛、エネ高騰対応でIEAが提
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:イラン革命防衛隊
特集:イラン革命防衛隊
2026年3月24日号(3/17発売)

イスラム神権国家を裏からコントロールする謎の軍隊の歴史と知られざる実力

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え時の装いが話題――「ファッション外交」に注目
  • 2
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期スペイン女王は空軍で訓練中、問われる「軍を知る君主」
  • 3
    韓国製ミサイル天弓-II、イラン戦争で96%迎撃の衝撃 ──「成功」が招く自国防衛の弱体化
  • 4
    「マツダ・日産・スバル」が大ピンチ?...オーストラ…
  • 5
    第6回大会を終えて曲がり角に来たWBC
  • 6
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が…
  • 7
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する…
  • 8
    原油高騰よりも米国経済・米株市場の行方を左右する…
  • 9
    【衛星画像】イラン情勢緊迫、米強襲揚陸艦「トリポ…
  • 10
    「嘘でしょ!」空港で「まさかの持ち物」を武器と勘…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期スペイン女王は空軍で訓練中、問われる「軍を知る君主」
  • 3
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が発生し既に死者も、感染源は「ナイトクラブ」
  • 4
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え…
  • 5
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製…
  • 6
    第6回大会を終えて曲がり角に来たWBC
  • 7
    【衛星画像】イラン情勢緊迫、米強襲揚陸艦「トリポ…
  • 8
    ズボンを穿き忘れてる! 米セレブ、下を穿かず「目の…
  • 9
    韓国製ミサイル天弓-II、イラン戦争で96%迎撃の衝撃 …
  • 10
    住宅建設予定地に眠っていた「大量の埋蔵金」...現在…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 3
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 4
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期ス…
  • 5
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 6
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 7
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が…
  • 8
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
  • 9
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 10
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中