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「恐怖の未来が見えた」NYの医師「医療崩壊」前夜を記す日記

Inside NYC Emergency Rooms

2020年4月6日(月)20時15分

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各病院に出荷されていく人工呼吸器 CAITLIN OCHS-REUTERS

病院の外には冷蔵機能を備えた遺体運搬車が止まっていて、死亡した患者はそこに運ばれる。感染リスクがあるので遺体は焼かれる。家族が遺体を目にする機会はない。

同僚の医師は遺族に、電話で患者の臨終を知らせた。電話での通知は論外だと教わったし、私も若い人にそう教えてきた。でも今はほかに方法がない。私自身、明日はそうするかもしれない。

私たちもいずれ、同僚の誰かを失うことになる。このウイルスにやられる人もいるだろう。精神的に耐えられない人もいるだろう。みんなの精神状態が心配だ。

妙な言い方かもしれないけれど、もう怖くはない。だって、押し寄せる波が砕けるのは見えているから。その瞬間を座して待つくらいなら、私はあえて立ち向かう。

©2020 The Slate Group

<2020年4月14日号掲載>

【参考記事】コロナ感染爆発のニューヨーク、「医療崩壊は不可避」と州知事
【参考記事】新型コロナ:「医療崩壊」ヨーロッパの教訓からいま日本が学ぶべきこと

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