最新記事

感染症対策

オーストリア、新型コロナウイルス対策の制限措置を14日に緩和 欧州で初

2020年4月7日(火)08時23分

オーストリアのクルツ首相は、新型コロナウイルス対策の一環で導入した制限措置を今月14日から一部緩和すると発表した。写真はウィーンで、閉まった店の前を歩くマスク姿の人々(2020年 ロイター/Leonhard Foeger)

オーストリアのクルツ首相は6日、新型コロナウイルス対策の一環で導入した制限措置を今月14日から一部緩和すると発表した。欧州で制限措置の緩和日程を決めたのはオーストリアが初めて。

同国は3週間前に学校やバー、レストラン、劇場、必要不可欠ではない商店、多くの人が集まる施設を閉鎖。国民に外出禁止を指示し、可能な限り自宅で仕事をするよう呼びかけていた。

アンショーバー保健相によると、こうした措置により、感染者の増加ペースは1日当たり1.6%に鈍化。入院患者数も横ばいとなっている。累計の感染者は1万2206人、死者は220人。

首相は会見で「他国よりも早く厳しい措置を講じたため、最悪の事態を避けることができた」と表明。

デンマーク、チェコ共和国、イタリアも近く同様の措置の概要を明らかにする可能性がある。

クルツ首相は、今回の計画は暫定的なもので、今後7日間の状況次第で変更する可能性があると説明している。

計画によると、店舗面積400平方メートル以下の必要不可欠ではない商店のほか、ホームセンターはイースターマンデー翌日の今月14日から営業再開を認める。5月1日にはすべての商店、ショッピングモール、理容室の営業再開を認める。ただし20平方メートルにつき1人の入店しか認めない。

レストラン、ホテルの営業再開は早くても5月中旬以降。公的なイベントの開催は少なくとも6月下旬以降まで認めない。

政府は今月6日以降、店舗面積が400平方メートルを超えるスーパーや薬局で買い物する客にマスクの着用を義務付けているが、公共交通機関や営業を再開する商店でもマスクの着用を義務付ける。マスクが入手できない場合はスカーフやショールの利用を認める。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2020トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

【関連記事】
・「感染者ゼロ」北朝鮮の新型コロナウイルス対策
・イタリア、新型コロナウイルス死者・新規感染者ともペース鈍化 第2段階の対策検討
・新型コロナウイルス感染爆発で顕在化 「習近平vs.中国人」の危うい構造


20200414issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2020年4月14日号(4月7日発売)は「ルポ五輪延期」特集。IOC、日本政府、東京都の「権謀術数と打算」を追う。PLUS 陸上サニブラウンの本音/デーブ・スペクター五輪斬り/「五輪特需景気」消滅?

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

エプスタイン文書、さらに100万件か 黒塗りで公開

ワールド

ウクライナ、GDPワラント債再編手続き完了 デフォ

ワールド

プーチン大統領、北朝鮮の金総書記に新年のメッセージ

ワールド

焦点:ロシア防衛企業の苦悩、経営者が赤の広場で焼身
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ISSUES 2026
特集:ISSUES 2026
2025年12月30日/2026年1月 6日号(12/23発売)

トランプの黄昏/中国AI/米なきアジア安全保障/核使用の現実味......世界の論点とキーパーソン

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 2
    批評家たちが選ぶ「2025年最高の映画」TOP10...満足度100%の作品も、アジア作品が大躍進
  • 3
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...どこでも魚を養殖できる岡山理科大学の好適環境水
  • 4
    素粒子では「宇宙の根源」に迫れない...理論物理学者…
  • 5
    ジョンベネ・ラムジー殺害事件に新展開 父「これま…
  • 6
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツ…
  • 7
    ノルウェーの海岸で金属探知機が掘り当てた、1200年…
  • 8
    ゴキブリが大量発生、カニやロブスターが減少...観測…
  • 9
    「時代劇を頼む」と言われた...岡田准一が語る、侍た…
  • 10
    「個人的な欲望」から誕生した大人気店の秘密...平野…
  • 1
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツよりコンビニで買えるコレ
  • 2
    【過労ルポ】70代の警備員も「日本の日常」...賃金低く、健康不安もあるのに働く高齢者たち
  • 3
    「最低だ」「ひど過ぎる」...マクドナルドが公開したAI生成のクリスマス広告に批判殺到
  • 4
    自国で好き勝手していた「元独裁者」の哀れすぎる末…
  • 5
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 6
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦…
  • 7
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 8
    批評家たちが選ぶ「2025年最高の映画」TOP10...満足…
  • 9
    待望の『アバター』3作目は良作?駄作?...人気シリ…
  • 10
    懲役10年も覚悟?「中国BL」の裏にある「検閲との戦…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 4
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 5
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 6
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 7
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
  • 8
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 9
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 10
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中