最新記事

野生動物

ウミガメがプラスチックを食べてしまうのは匂いが好きだから

Sea Turtles Like the Smell of Plastic in the Ocean so Much They Eat It

2020年3月10日(火)17時33分
ロージー・マコール

プラスチックの小さなかけらでも、子ガメには命取り  Daniel Tapia-REUTERS

<海を浮遊するプラごみを、ウミガメはなぜ餌と勘違いしてしまうのか。その理由を知れば、もう捨てられなくなる>

ウミガメがなぜプラスチックごみを食べてしまうかの新しい理由が見えてきた。プラスチックごみは、見た目だけでなく、匂いも食べ物のように感じられるようだ。

学術誌「カレントバイオロジー」で発表された論文によれば、海に出たプラスチックごみの表面には、藻や微生物などが付着して層を作り、プラスチックの人工的な性質は覆い隠されてしまう。匂いに誘われて動物がプラスチックを食べてしまう可能性を示した最初の論文だという。

世界に衝撃を与えたカメとプラスチック動画


プラごみ、海のマリネ

研究チームは、ノースカロライナ州ボールドヘッド島で捕獲され飼育された15匹のアカウミガメを、研究室に設置した実験用水槽に入れ、パイプを通して送り込んだ匂いにどう反応するかを観察した。カメたちは、清潔なプラスチックと水の匂いには関心を示さなかったが、食べ物や海水に浸したプラスチックの匂いには興味を示した。

研究者たちは、カメが水面から鼻を出して匂いを嗅ぐなど、活動を活発化させることがあるのに気づいた。「生物を付着させた」プラスチックの匂いが送り込まれたときが多く、ほかの匂いのときに比べて3倍も多かった。

「生物が付着したプラスチックは、いわば海で『マリネされた』プラスチックであり、表面には無数の微生物が成長している。藻や、フジツボなどの蔓脚類、軟体動物などだ」。今回の調査に携わった、ノースカロライナ大学博士課程で生物学を専攻するカイラ・ゴーフォースは、本誌にそう語った。

<参考記事>このアザラシ、海鳥、ウミガメを直視できるか プラスチック危機の恐るべき脅威
<参考記事>死んだクジラの胃から大量プラスチックごみ 深刻なごみ対策にインドネシア、バスのフリーライド導入

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

中東緊迫化、基調物価2%超え回避へ「躊躇なく利上げ

ビジネス

NYSE親会社、中東紛争で取引高が記録的水準に

ビジネス

LMEアルミ価格、約4年ぶり高値に接近 イランが製

ワールド

イスラエル、カトリック教会の重要ミサを阻止 国際社
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:BTS再始動
特集:BTS再始動
2026年3月31日号(3/24発売)

3年9カ月の空白を経て完全体でカムバック。世界が注目する「BTS2.0」の幕開け

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「水に流す」日本と「記憶する」韓国...気候と地理が育んだ「国民意識の違い」とは?
  • 2
    記憶を定着させるのに年齢は関係ない...記憶の定着度を決める重要な要素とは?
  • 3
    オランウータンに「15分間ロックオン」された女性のSNS動画が拡散、動物園で一体何が?
  • 4
    ビートルズ解散後の波乱...「70年代のポール・マッカ…
  • 5
    ロシア経済を支える重要な港、ウクライナのものと思…
  • 6
    【銘柄】東京電力にNTT、JT...物価高とイラン情勢に…
  • 7
    ヒドラのように生き延びる...イランを支配する「革命…
  • 8
    映画『8番出口』はアメリカでどう受け止められた?..…
  • 9
    ヘンリー・メーガン夫妻の豪州訪問に3万6000人超の反…
  • 10
    カタール首相、偶然のカメラアングルのせいで「魔法…
  • 1
    ヘンリー・メーガン夫妻の豪州訪問に3万6000人超の反対署名...「歓迎してない」の声広がる
  • 2
    三笠宮彬子さまも出席...「銀河の夢か、現実逃避か」モナコ舞踏会に見る富と慈善
  • 3
    「水に流す」日本と「記憶する」韓国...気候と地理が育んだ「国民意識の違い」とは?
  • 4
    レストラン店内で配膳ロボットが「制御不能」に...店…
  • 5
    中国の公衆衛生レベルはアメリカ並み...「ほぼ国民皆…
  • 6
    記憶を定着させるのに年齢は関係ない...記憶の定着度…
  • 7
    中国最大の海運会社COSCOがペルシャ湾輸送を再開──緊…
  • 8
    イランは空爆により核・ミサイル製造能力を「喪失」…
  • 9
    映画『8番出口』はアメリカでどう受け止められた?..…
  • 10
    作者が「投げ出した」? 『チェンソーマン』の最終…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 3
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 4
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期ス…
  • 5
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え…
  • 6
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が…
  • 7
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 8
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビ…
  • 9
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製…
  • 10
    縫いぐるみが相棒、孤独なサル「パンチくん」がバズ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中