米医療機関、新型コロナウイルス「流行不可避」 渡航者限定の検査方針で「隠れ感染者」存在か
マスクも足りず
ロイターの調査では州の医療当局15カ所程度が、医療従事者の感染症予防のための装備が不足するなど地域の感染拡大への対応策について懸念を抱いていることが分かった。
保健福祉省が25日示した推計によると、医療従事者や一般市民を感染から守るためには3億枚のマスクが必要だが、戦略国家備蓄として用意されている医療従事者を守れるマスクは2000万枚以下だという。
全米救急医療技術者協会(NAEMT)のマット・ザバデスキ会長は「一般市民が必要がないのにマスクの購入に殺到することなどにより、マスクが手に入りづらくなるという懸念は本物だ」と述べた。
2人の米当局者がロイターに明らかにしたところによると、トランプ政権は「国防生産法」を通じて特別な権限を発動し、マスクや防護服の生産を拡大することを検討している。
CDCは25日、学校や企業の閉鎖、コンサートなどの中止により感染拡大のペースを遅らせることができるとの見解を示した。ただ、だれがこうした政策を決断するのか、どうやって実行に移すのかは不透明で、対応は州によって異なりそうだ。
(Julie Steenhuysen記者、Andrew Hay記者、Brad Brooks記者)
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