最新記事

感染症

ラオス初の新型コロナウイルス感染確認 ASEANすべてで感染報告、感染源は海外か?

2020年3月25日(水)12時49分
大塚智彦(PanAsiaNews)

新型コロナウイルス感染確認を発表するラオス保健省 Update Laos Magazine / YouTube

<検査態勢の低さから感染確認の遅れが指摘されていた国もついに感染者確認を発表>

東南アジア諸国連合(ASEAN)加盟10カ国の中で最後まで残っていた「感染者ゼロ国」のラオスで24日、首都ビエンチャンのラオス人男女2人の感染が確認され、同国初の感染例として発表された。

23日夜に初の感染者が確認されたミャンマーに続いてラオスでの感染者が出たことになり、これでASEANに加盟する全ての国でコロナウイルスへの感染が確認されたことになる。

このためASEANでは加盟国が一致してコロナウイルスの感染拡大阻止に向けた対策協議、情報交換により緊密に取り組むことが喫緊の課題として浮上している。

海外出張歴、外国人旅行者ツアーガイド

24日にラオス保健省副大臣のポントーン・ムアン・パ博士が会見で「我が国で初めての感染者が見つかった」ことを明らかにした。

同博士によると、ビエンチャン市内の36歳の女性と26歳の男性がそれぞれコロナウイルス検査で初めて陽性と診断され、市内の病院に隔離されて治療を受けているという。

女性は外国人観光客を専門とするツアーガイドで、主にヨーロッパからの観光客をガイドすることが多かったという。また男性はビエンチャン市内にある「ラオ・クラウン・プラザ・ホテル」のマネージメントで働いており、感染拡大が進むタイなどの近隣国に出張することが多かったという。

このため女性ツアーガイドは外国人観光客からの感染、また男性ホテルマンはタイなどの出張先での感染がそれぞれ疑われるとして、国内が感染源であることについては否定的な見方が支配的になっている。

2人は共にビエンチャン市内の「ラオ・ソビエト友好記念病院」(150床)に収容されているという。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

中独首脳会談、習氏「戦略的観点で関係発展を」 相互

ビジネス

ユーロ圏貿易黒字、2月は前月の2倍に拡大 輸出が回

ビジネス

UBS、主要2部門の四半期純金利収入見通し引き上げ

ビジネス

英賃金上昇率の鈍化続く、12─2月は前年比6.0%
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:老人極貧社会 韓国
特集:老人極貧社会 韓国
2024年4月23日号(4/16発売)

地下鉄宅配に古紙回収......繁栄から取り残され、韓国のシニア層は貧困にあえいでいる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    攻撃と迎撃の区別もつかない?──イランの数百の無人機やミサイルとイスラエルの「アイアンドーム」が乱れ飛んだ中東の夜間映像

  • 2

    天才・大谷翔平の足を引っ張った、ダメダメ過ぎる「無能の専門家」の面々

  • 3

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 4

    大半がクリミアから撤退か...衛星写真が示す、ロシア…

  • 5

    ハリー・ポッター原作者ローリング、「許すとは限ら…

  • 6

    韓国の春に思うこと、セウォル号事故から10年

  • 7

    キャサリン妃は最高のお手本...すでに「完璧なカーテ…

  • 8

    中国もトルコもUAEも......米経済制裁の効果で世界が…

  • 9

    中国の「過剰生産」よりも「貯蓄志向」のほうが問題.…

  • 10

    アインシュタインはオッペンハイマーを「愚か者」と…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    NASAが月面を横切るUFOのような写真を公開、その正体は

  • 3

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入、強烈な爆発で「木端微塵」に...ウクライナが映像公開

  • 4

    NewJeans、ILLIT、LE SSERAFIM...... K-POPガールズグ…

  • 5

    ドイツ空軍ユーロファイター、緊迫のバルト海でロシ…

  • 6

    犬に覚せい剤を打って捨てた飼い主に怒りが広がる...…

  • 7

    ロシアの隣りの強権国家までがロシア離れ、「ウクラ…

  • 8

    金価格、今年2倍超に高騰か──スイスの著名ストラテジ…

  • 9

    ドネツク州でロシアが過去最大の「戦車攻撃」を実施…

  • 10

    「もしカップメンだけで生活したら...」生物学者と料…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこと」目からうろこの健康法

  • 4

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の…

  • 5

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 6

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 7

    巨匠コンビによる「戦争観が古すぎる」ドラマ『マス…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

  • 10

    浴室で虫を発見、よく見てみると...男性が思わず悲鳴…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中