最新記事

中国

中国の巨大タンカー84隻が一斉にペルシャ湾めざす

2020年3月20日(金)22時00分
遠藤誉(中国問題グローバル研究所所長)

さすが「モスクワの友人」はプーチン大統領側近との接触もあるだけあって、情報が的確だ。

受益者は誰か?

「モスクワの友人」からの便りの最後は「受益者は誰か」で締めくくられていた。曰く:

――さて、最大の受益者は誰か、ということになります。残念ながら、それは間違いなく中国だろうと言うしかありません。何といっても最大のエネルギー消費国なのですから。巨大タンカーが大挙して中東に向かっているというのも「むべなるかな」と思いますね。最大の購入のチャンスでしょう。

習近平は武漢発の新型コロナウイルス肺炎を全世界に巻き散らして人類を存亡の危機にまで追いやり、諸外国の経済活動に壊滅的打撃を与えながら、世界に対して謝罪するどころか、中国が感染拡大を抑え時間を稼がせてあげたことに感謝すべきだという本末転倒のメッセージを出し続けている。

それだけでも許されないのに、「欧州などに医療支援隊を派遣する習近平の狙い:5Gなどとバーター」(3月15日)に書いたように医療支援隊を送り込む国とバーター取引をするという、モラル的には考えられないような行動に出ている。

安倍首相は今でもまだ、このような習近平を国賓として日本に迎え入れることを諦めてはいない。そのための習近平への忖度が日本における感染拡大を招いたことは、これまで何度も書いてきた。北海道の感染者が飛び抜けて多いのも、中国人観光客をすぐに入国阻止すべきところ、中国が許可する個人旅行は受け入れてダラダラと禁止を引き延ばしてきたことと無関係ではないだろう。

今はまた東京オリンピック・パラリンピック開催への執念が、日本国民の命を守ることより優先し、適切な政策を実行しているとは思えない。

そうこうしている内に中国は既に経済復興段階へと入っている。このような国の国家主席を国賓として招くことは延期ではなく中止すべきだ。この思考回路から脱却しない限り、日本は中国にやられっぱなしになっていく。

最大の受益者は誰か――?

それが日本国民ではなく、中国であり続けていいのか?

コロナ問題がなくとも、なぜ習近平を国賓招聘してはならないかに関して、思いのたけを『激突!遠藤vs.田原 日中と習近平国賓』で述べた。筆者のこの基本姿勢は変わらない。

(なお、本コラムは中国問題グローバル研究所の論考から転載した。)

Endo_Tahara_book.jpg[執筆者]遠藤 誉
中国問題グローバル研究所所長、筑波大学名誉教授、理学博士
1941年中国生まれ。中国革命戦を経験し1953年に日本帰国。中国問題グローバル研究所所長。筑波大学名誉教授、理学博士。中国社会科学院社会学研究所客員研究員・教授などを歴任。著書に『激突!遠藤vs田原 日中と習近平国賓』(遠藤誉・田原総一朗)、『米中貿易戦争の裏側 東アジアの地殻変動を読み解く』(11月9日出版、毎日新聞出版 )『「中国製造2025」の衝撃 習近平はいま何を目論んでいるのか』、『毛沢東 日本軍と共謀した男』、『卡子(チャーズ) 中国建国の残火』、『チャイナ・セブン <紅い皇帝>習近平』、『ネット大国中国 言論をめぐる攻防』、『中国動漫新人類 日本のアニメと漫画が中国を動かす』『中国がシリコンバレーとつながるとき』など多数。

この筆者の記事一覧はこちら


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

サッカーW杯で航空券・ホテル予約が急増、米市民射殺

ビジネス

暗号資産による資金洗浄、25年は820億ドル=調査

ビジネス

SBG、オープンAIへの最大300億ドル追加投資を

ビジネス

米銀、預金をステーブルコインに奪われる可能性=スタ
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:高市 vs 中国
特集:高市 vs 中国
2026年2月 3日号(1/27発売)

台湾発言に手を緩めない習近平と静観のトランプ。激動の東アジアを生き抜く日本の戦略とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」と「フリース」に移った日
  • 2
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 3
    一人っ子政策後も止まらない人口減少...中国少子化はなぜ不可逆なのか
  • 4
    スペースXの宇宙飛行士の帰還が健康問題で前倒しに..…
  • 5
    【銘柄】「古河機械金属」の株価が上昇中...中国のレ…
  • 6
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界…
  • 7
    「恐ろしい...」キリバスの孤島で「体が制御不能」に…
  • 8
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コング…
  • 9
    生活保護と医療保険、外国人「乱用」の真実
  • 10
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡…
  • 1
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」と「フリース」に移った日
  • 2
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡張に新たな対抗手段
  • 3
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コングスベルグ社のNSMにも似ているが...
  • 4
    データが示す、中国の「絶望的な」人口動態...現実味…
  • 5
    ラブロフ、グリーンランドは‌デンマーク​の「自然な…
  • 6
    【銘柄】「古河機械金属」の株価が上昇中...中国のレ…
  • 7
    ニュージーランドの深海に棲む、300年以上生きている…
  • 8
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパ…
  • 9
    40代からは「積立の考え方」を変えるべき理由──資産…
  • 10
    完全に「ホクロ」かと...医師も見逃した「皮膚がん」…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 2
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した──台湾高官が分析
  • 3
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」と「フリース」に移った日
  • 4
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【202…
  • 5
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめ…
  • 6
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡…
  • 7
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 8
    前進するロシア、忍び寄る限界...勝者に見えるプーチ…
  • 9
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「…
  • 10
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コング…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中