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新型コロナウイルス

韓国で感染爆発を招いた2つの病魔──新興宗教と保守政治家

God's Plan

2020年3月20日(金)09時10分
クリストファー・カトゥーキ(韓国慶尚南道教育庁客員教員)

その一方で、保守派は政府の要請を無視して、大規模集会を開いてきた。ポピュリストとして知られる韓国キリスト教総連合会の全光勲(チョン・グァンフン)代表会長は、2月にソウル中心部で数千人規模の集会を開催。屋外では新型コロナウイルスに感染しない、と信者(多くは感染リスクの高い高齢者)にうそぶいた。

新型コロナウイルスは、韓国の政治社会に食い込む新興宗教団体の闇と、国家を揺るがす保健衛生の危機にあっても政争を続ける保守陣営の問題を世界に知らしめた。これを機に政府は、宗教団体の監視強化に乗り出すべきだろう。

韓国がウイルスとの戦いに勝つためには、保守と革新の政治家が結束して取り組む必要がある。今こそ個人的な野心を捨てて、公益を優先することを期待したい。

From thediplomat.com

<本誌2020年3月24日号掲載>

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2020年3月24日号(3月17日発売)は「観光業の呪い」特集。世界的な新型コロナ禍で浮き彫りになった、過度なインバウンド依存が地元にもたらすリスクとは? ほかに地下鉄サリン25年のルポ(森達也)、新型コロナ各国情勢など。

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