最新記事

インド

サビかな......えっ? インドの集合住宅で蛇口からお酒が出始めた

2020年2月12日(水)16時50分
松丸さとみ

ビール、ブランデー、ラムのカクテルが台所の蛇口から ISH News-YouTube

<インドのケララ州では、一般家庭で蛇口をひねるとビールなどの酒類が出る状態になってしまったという出来事が発生した>

ビール、ブランデー、ラムのカクテルが台所の蛇口から

日本では、蛇口をひねるとみかんジュースやうどん出汁など名産品が出る観光名所があるが、インドのケララ州では、一般家庭で蛇口をひねるとビールなどの酒類が出る状態になってしまったという出来事が発生した。

一般家庭の蛇口から酒類が出たのは、ケララ州中央部に位置する町トリチュールの一角にある、18世帯が暮らす集合住宅だ。住人の1人であるマリイェッカルさんはある日の朝、台所の蛇口をひねったところ、アルコールのにおいがする茶色っぽい液体が出てきたのに気づいた。後にこの液体は、ビール、ブランデー、ラムが混ざったものだったことが分かった。

地元紙マノラマの英語版によると、住人らが互いに確認したところ、この集合住宅の全戸で、アルコール臭のする液体が蛇口から出てくることが判明した。そこで地元自治体に問い合わせて調査したところ、謎の液体の出どころは、集合住宅の近くにあるバーだった。

実は2014年、約6000リットルのアルコール飲料がこのバーで押収された。インドのケララ州では、5つ星ホテルのバーを除き酒類の提供を禁止する法律が2014年に施行されたのだが、このバーでは、酒類を違法に保管していたのだ。なおこの法律は2017年まで続いたが、現在は撤廃されている。

6000ℓの酒類、さぁどう処分しようかと考えあぐね......

押収したアルコール飲料の処分をめぐる裁判が先ごろ終了し、これらを廃棄する許可が裁判所から下りたという。自治体の担当者らが処分することにしたのだが、6000リットルもの大量のアルコール飲料をどう廃棄しようかと考えあぐねた。そこで、「押収された酒類は、押収されたバーがある土地で廃棄するべきだ」ということになったらしい。

バーの敷地内に、巨大な穴が掘られた。押収されたアルコール飲料のボトルは1本1本開栓され、この穴に注がれた。そのためかなりの時間を要し、午後2時に始められた作業は夜8時までかかったという。

ところが、この穴のすぐそばに、問題の集合住宅が利用している井戸があった。穴に廃棄されたアルコールは井戸の中へと染み出てしまい、井戸水と混ざってしまったようだ。

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ワールド

トランプ氏、ベネズエラ麻薬積載拠点を攻撃と表明 初

ワールド

韓国電池材料L&F、テスラとの契約額大幅引き下げ 

ワールド

ビングループのEVタクシー部門が海外上場計画、企業

ワールド

中国軍が台湾周辺で実弾射撃訓練、封鎖想定 演習2日
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ISSUES 2026
特集:ISSUES 2026
2025年12月30日/2026年1月 6日号(12/23発売)

トランプの黄昏/中国AI/米なきアジア安全保障/核使用の現実味......世界の論点とキーパーソン

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    マイナ保険証があれば「おくすり手帳は要らない」と考える人が知らない事実
  • 2
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 3
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 4
    「サイエンス少年ではなかった」 テニス漬けの学生…
  • 5
    なぜ筋肉を鍛えても速くならないのか?...スピードの…
  • 6
    「すでに気に入っている」...ジョージアの大臣が来日…
  • 7
    【銘柄】子会社が起訴された東京エレクトロン...それ…
  • 8
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」と…
  • 9
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 10
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...ど…
  • 1
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 2
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 3
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 4
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 5
    中国、インドをWTOに提訴...一体なぜ?
  • 6
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...ど…
  • 7
    マイナ保険証があれば「おくすり手帳は要らない」と…
  • 8
    批評家たちが選ぶ「2025年最高の映画」TOP10...満足…
  • 9
    アベノミクス以降の日本経済は「異常」だった...10年…
  • 10
    素粒子では「宇宙の根源」に迫れない...理論物理学者…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 3
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 4
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切…
  • 5
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「…
  • 6
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 7
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 8
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 9
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 10
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中