最新記事

新型コロナウイルス

中国、新型コロナウイルス死者1000人超える WHOは国外の感染拡大に警鐘

2020年2月11日(火)08時33分

中国・湖北省の保健当局は11日、新型コロナウイルスによる肺炎で10日に103人が死亡したと発表した。これで中国国内での死者は1000人を超えた。マレーシアで撮影(2020年 ロイター/LIM HUEY TENG)

中国・湖北省の保健当局は11日、新型コロナウイルスによる肺炎で10日に103人が死亡したと発表した。これで同省内の死者数は974人、中国国内では1000人を超えた。

また、10日には湖北省で確認された新たな感染は2097人で、同省内での感染者数は3万1728人に達した。

なお計1万6687人の感染が疑われているという。

世界保健機関(WHO)は10日、新型ウイルスについて、中国に渡航歴のない患者からの感染がより広範な流行につながるきっかけになる可能性があると懸念を表明し、感染の拡大が制御不能な状況に陥らないよう取り組む必要があると訴えた。

また、横浜港に停泊しているクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」の乗客乗員約3700人へのウイルス検査で、新たに65人の感染が確認された。これによって、同クルーズ船の感染者は計135人に達した。

WHOのテドロス事務局長は、中国に渡航歴のない患者からの感染について「懸念される症例」が出ているとし、「大火を引き起こす火花になり得る」と懸念。同時に「今は火花に過ぎない。われわれの目標は引き続き封じ込めだ」としつつも、「制御不能な状態となる前に、人類は新型ウイルスと闘う必要がある」と強調した。

一方、復旦大学の上海医学院のWu Fan副院長は、ウイルスの感染拡大が間もなく転換点に至る可能性があると指摘した。

WHOによると、新型ウイルスの調査に向け派遣した専門家チームの先遣隊が中国に到着した。

新型ウイルスの検査や治療法の開発が急がれる中、現時点で168の世界の研究施設が新型ウイルスを診断する技術を持っているとWHOは明らかにした。

また、英航空会社ブリティッシュ・エアウェイズ(BA)は中国本土への航空便の運航を3月末まで停止すると発表した。

中国国営テレビの中国中央電視台(CCTV)によると、中国の習近平国家主席はこの日、新型コロナウイルスによる肺炎患者の治療が行われている北京の病院などを視察した。新型ウイルスの流行が始まってから、習国家主席が公に姿を見せるのは今回が初めて。習氏は新型ウイルス感染拡大による経済への影響を踏まえ、政府が大規模な人員削減を食い止めると表明した。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

FRB、現行政策「適切」 物価巡る進展は停滞=シカ

ビジネス

英インフレ、今後3年間で目標2%に向け推移=ラムス

ビジネス

ECB、年内に複数回利下げの公算=ベルギー中銀総裁

ワールド

NATO、ウクライナへの防空システム追加提供で合意
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:老人極貧社会 韓国
特集:老人極貧社会 韓国
2024年4月23日号(4/16発売)

地下鉄宅配に古紙回収......繁栄から取り残され、韓国のシニア層は貧困にあえいでいる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 2

    止まらぬ金価格の史上最高値の裏側に「中国のドル離れ」外貨準備のうち、金が約4%を占める

  • 3

    中国のロシア専門家が「それでも最後はロシアが負ける」と中国政府の公式見解に反する驚きの論考を英誌に寄稿

  • 4

    休日に全く食事を取らない(取れない)人が過去25年…

  • 5

    「韓国少子化のなぜ?」失業率2.7%、ジニ係数は0.32…

  • 6

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 7

    日本の護衛艦「かが」空母化は「本来の役割を変える…

  • 8

    中ロ「無限の協力関係」のウラで、中国の密かな侵略…

  • 9

    毎日どこで何してる? 首輪のカメラが記録した猫目…

  • 10

    便利なキャッシュレス社会で、忘れられていること

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 3

    攻撃と迎撃の区別もつかない?──イランの数百の無人機やミサイルとイスラエルの「アイアンドーム」が乱れ飛んだ中東の夜間映像

  • 4

    天才・大谷翔平の足を引っ張った、ダメダメ過ぎる「無…

  • 5

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 6

    アインシュタインはオッペンハイマーを「愚か者」と…

  • 7

    犬に覚せい剤を打って捨てた飼い主に怒りが広がる...…

  • 8

    ハリー・ポッター原作者ローリング、「許すとは限ら…

  • 9

    価値は疑わしくコストは膨大...偉大なるリニア計画っ…

  • 10

    大半がクリミアから撤退か...衛星写真が示す、ロシア…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこと」目からうろこの健康法

  • 4

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の…

  • 5

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

  • 10

    浴室で虫を発見、よく見てみると...男性が思わず悲鳴…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中