最新記事

ウクライナ疑惑

トランプ、駐ウクライナ大使「解任しろ!」録音記録見つかる 弾劾裁判に影響か

2020年1月27日(月)10時45分

トランプ米大統領(写真)が2018年4月に「トランプ・ホテル」で開かれた夕食会で、ヨバノビッチ駐ウクライナ大使(当時)を解任するよう命じている音声が見つかった。ロイターが25日、この音声を含む録画記録を入手した。24日、ホワイトハウスで撮影(2020年 ロイター/Jonathan Ernst)

トランプ米大統領が2018年4月に「トランプ・ホテル」で開かれた夕食会で、ヨバノビッチ駐ウクライナ大使(当時)を解任するよう命じている音声が見つかった。ロイターが25日、この音声を含む録画記録を入手した。

録画記録は、トランプ大統領の顧問弁護士ジュリアーニ氏に過去に協力した実業家のレフ・パルナス被告(選挙資金法違反で起訴)の弁護士、ジョセフ・ボンディ氏から入手した。

録画記録は83分の長さで、最初にトランプ氏が写真撮影のためにポーズととってから、大きなテーブルと15人の席が用意された部屋に入る姿が映されている。その後はほとんどが天井が映されているだけで、参加者の姿は入っていない。

この夕食会の録音記録については、米ABCニュースが24日に報じている。

録画記録の半ばで、参加者の1人がヨバノビッチ大使は問題だと示唆すると、トランプ氏が「解任しろ!あした解任しろ。どうなろうと私には関係ない。あした解任だ。分かったか、やるんだ」と述べている声が記録されている。

米ホワイトハウスはコメントの求めに応じていない。

ヨバノビッチ氏は2019年5月に解任されており、トランプ氏の弾劾訴追の根拠とされる一連の行為で主要な人物となっている。トランプ氏は24日、FOXニュースにヨバノビッチ氏が「好きではなかった」と述べた。

民主党は、ウクライナ政府にトランプ氏の政敵である民主党のバイデン前副大統領を調査するよう圧力をかけるのに、ヨバノビッチ氏が邪魔だと考えたトランプ氏の側近らが、同氏を解任するために1年近く奔走したと主張している。

パルナス被告は前週、夕食会で交わされた会話についてメディアとのインタビューで語っている。トランプ氏はパルナス被告を知らないと述べている。

弁護士のボンディ氏によると、パルナス被告はABCの報道後、トランプ氏が命令を出す声を録音したデジタルのデータを見つけ、トランプ氏に対する調査を継続している下院情報特別委員会に提出したという。

録画記録によると、夕食会で他に話題になったのは大麻事業の資金調達、テスラ、アマゾン・ドット・コム、天然ガス、アルミニウム、鉄鋼、ゴルフ、ロシア、ウクライナだった。

[ワシントン ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2020トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます



20200204issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2020年2月4日号(1月28日発売)は「私たちが日本の●●を好きな理由【中国人編】」特集。声優/和菓子職人/民宿女将/インフルエンサー/茶道家......。日本のカルチャーに惚れ込んだ中国人たちの知られざる物語から、日本と中国を見つめ直す。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

三井住友FG、インド大手銀行に2400億円出資 約

ビジネス

米国は最大雇用に近い、経済と労働市場底堅い=クーグ

ビジネス

米関税がインフレと景気減速招く可能性、難しい決断=

ビジネス

中国製品への80%関税は「正しい」、市場開放すべき
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
2025年5月 6日/2025年5月13日号(4/30発売)

「ゼロから分かる」各国・地域情勢の超解説と時事英語

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    5月の満月が「フラワームーン」と呼ばれる理由とは?
  • 2
    ついに発見! シルクロードを結んだ「天空の都市」..最新技術で分かった「驚くべき姿」とは?
  • 3
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの運動」とは?
  • 4
    SNSにはトップレス姿も...ヘイリー・ビーバー、ノー…
  • 5
    健康は「何を食べないか」次第...寿命を延ばす「5つ…
  • 6
    骨は本物かニセモノか?...探検家コロンブスの「遺骨…
  • 7
    中高年になったら2種類の趣味を持っておこう...経営…
  • 8
    教皇選挙(コンクラーベ)で注目...「漁師の指輪」と…
  • 9
    恥ずかしい失敗...「とんでもない服の着方」で外出し…
  • 10
    韓国が「よく分からない国」になった理由...ダイナミ…
  • 1
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの運動」とは?
  • 2
    健康は「何を食べないか」次第...寿命を延ばす「5つの指針」とは?
  • 3
    「2025年7月5日に隕石落下で大災害」は本当にあり得る? JAXA宇宙研・藤本正樹所長にとことん聞いてみた
  • 4
    【クイズ】世界で2番目に「軍事費」が高い国は?...1…
  • 5
    部下に助言した時、返事が「分かりました」なら失敗…
  • 6
    5月の満月が「フラワームーン」と呼ばれる理由とは?
  • 7
    古代の遺跡で「動物と一緒に埋葬」された人骨を発見.…
  • 8
    シャーロット王女とスペイン・レオノール王女は「どち…
  • 9
    日々、「幸せを実感する」生活は、実はこんなに簡単…
  • 10
    インドとパキスタンの戦力比と核使用の危険度
  • 1
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 2
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 3
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの運動」とは?
  • 4
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 5
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 6
    健康は「何を食べないか」次第...寿命を延ばす「5つ…
  • 7
    「2025年7月5日に隕石落下で大災害」は本当にあり得…
  • 8
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 9
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
  • 10
    クレオパトラの墓をついに発見? 発掘調査を率いた…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中