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ヘンリー王子夫妻「王室離脱」でエリザベス女王にいじめ批判

Queen Elizabeth Shockingly Called ‘Mean-Spirited’ For Renouncing Prince Harry, Meghan Markle’s Titles

2020年1月20日(月)15時40分
カミーユ・ハイムブロッド

「ただの人」になるヘンリーとメーガン(右)。ダイアナの教訓は生かされなかったのか? Henry Nicholls-REUTERS

<ヘンリー王子とメーガン妃は「パートタイム」の王族になろうとしたが、エリザベス女王は王族の称号を奪い公金も断つ決断をした>

英王室に距離を置く決断をしたヘンリー王子とメーガン妃から王族の称号を「剥奪」すると決めたことで、エリザベス女王が衝撃のバッシングを受けている。

バッキンガム宮殿が1月18日に公にした文書によると、ヘンリー王子夫妻はもはや英王室の現役メンバーとはみなされない。「ロイヤルハイネス」(殿下・妃殿下)でなくなるのだ。公金も支給されない。そればかりか、2人の公式の住まいとして最近改修されたフロッグモア・コテージの改修費用およそ300万ドルも、返済しなければならないという。

こうした扱いに対し、英王室作家のナイジェル・カウソーンは、2人は何も悪いことをしていないのにひどすぎる、と英エクスプレス紙に語った。

「2人から称号を取り上げるという英王室の決定は、いじめ以外の何ものでもない。そんな犯罪者扱いを受けるいわれはない。彼らは、もう少し、公金も王室の縛りもないプライベートな生活がしたいと言っただけだ」

正確には、ロイヤルハイネスの称号は剥奪されたわけではない。しかし、使用は控えるのが望ましいというのがエリザベス女王の意思だ。

ヘンリーが6番目の王位継承順位にあることにも変わりはない。

王室を去る決断をしたヘンリー王子


これではダイアナと同じ

ヘンリー王子の亡き母、ダイアナ元妃の回顧録『ダイアナと呼んで』の著者でもあるカウソーンは、英王室の対応は無作法で必要以上に厳しく、ダイアナの悲劇的な死の教訓がまったく生かされていないと批判した。自動車事故で死ぬ数カ月前にチャールズ皇太子と離婚したダイアナも、王族の称号を剥奪されていた。

かくして2人は今後、ただのハリーとメーガンとして生きることになる。それこそ、彼らが望んだものでもあるのだが。

一方、王族であることを一部でもやめようとしたハリーとメーガンを批判する人々も相変わらず多い。メーガンの異母姉であるサマンサ・マークルは、2人がやっていることは矛盾しているとラジオに語った。

「一方ではプライベートな生活がしたいと言い、他方ではディズニーと契約しようとしたり、推定4憶ドルのグローバルブランドを作ろうとするなんて、矛盾している。静かで邪魔の入らない生活がしたいと言うわりには随分派手に見える」

<参考記事>英王室に爆弾を放り込んだスーパーセレブ活動家メーガン妃の野心
<参考記事>英ヘンリー王子夫妻は、どうやって王室から「財政的に独立」するのか?

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