最新記事

米中貿易戦争

トランプ、対中関税撤回報道に「何も合意せず」

2019年11月9日(土)11時19分

トランプ米大統領は対中関税の撤回で合意していないと明らかにした上で、中国は自身に関税撤回を望んでいるとの認識を示した。写真はトランプ米大統領(2019年 ロイター/Leah Millis)

トランプ米大統領は8日、対中関税の撤回で合意していないと明らかにした上で、中国が自身に関税撤回を望んでいるとの認識を示した。米中が貿易戦争を終結させる時期を巡って疑念が再燃した。

米中双方の当局者は7日、通商協議の「第1段階」の合意の一環として、双方が貿易戦争の過程で発動した追加関税を段階的に撤廃することで合意したと明らかにした。ただ、追加関税の段階的撤廃には、ホワイトハウス内外の助言役から強い反発の声が出ている。

トランプ氏は「中国は多少の関税撤廃を求めているが、全てではない。なぜなら、私がそうしないことを分かっているからだ。私は何も合意していない」と述べた。

また、中国側が自分以上に合意を求めているとも指摘した。

トランプ氏はこのほか、中国との合意が成立すれば米国で署名したいと表明。「農業州であるアイオワなどが考えられる」との考えを示した。

トランプ氏の発言を受け米国株は下落。ドルも対円で下落し、米中通商合意を巡る楽観論を背景とするドル高の流れが一服した。

中国共産党系メディア「環球時報」の胡錫進編集長はツイッターで、トランプ氏の発言は市場で予想されていなかったと指摘。トランプ氏は全面的に否定したわけではないとした上で「関税撤廃がなければ、第1段階の合意はないだろう」と述べた。

ナバロ米大統領補佐官(通商製造政策局長)は電子メールで、米中が関税の段階的撤廃で合意したという情報を巡り、記者が中国の「プロパガンダ」に「踊らされた」と批判した。

米中通商交渉に関する報道の多くが匿名筋に頼っているとし、トランプ大統領とライトハイザー通商代表部(USTR)代表のコメントのみを取るべきと強調。「国のために匿名筋による『サーカス』はやめるべきだ」と述べた。

USTRから関税撤廃に関するコメントは得られていない。

ペンス米副大統領の首席補佐官を務めるマーク・ショート氏はCNBCに対し「第1段階の合意は年末までに調印できるとかなり楽観的に考えている」と表明。中国製品への制裁関税引き上げが予定される12月15日までの妥結は可能かとの質問には「その頃の妥結はあり得るが、特定の日程を述べて交渉を担当するムニューシン財務長官やライトハイザー代表の手を縛りたくない」とした。

*情報を追加します

[ワシントン 8日 ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2019トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます



20191112issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

11月12日号(11月6日発売)は「危ないIoT」特集。おもちゃがハッキングされる!? 室温調整器が盗聴される!? 自動車が暴走する!? ネットにつなげて外から操作できる便利なスマート家電。そのセキュリティーはここまで脆弱だった。


今、あなたにオススメ

ニュース速報

ワールド

ロシアの4州「併合」宣言をG7非難、ウクライナはN

ビジネス

中国、国有銀に不動産業界の支援を要請 840億ドル

ワールド

ロシア、ドル建て債利払いをルーブルで実施=財務省

ビジネス

S&P、英格付け見通し「ネガティブ」に 財政赤字縮

今、あなたにオススメ

MAGAZINE

特集:安倍晋三の正しい評価

2022年10月 4日号(9/27発売)

「闘う政治家」への反発で国葬をめぐる国論は二分 ── 世界では評価されるのに、なぜ国内で叩かれるのか?

メールマガジンのご登録はこちらから。

人気ランキング

  • 1

    キャサリン妃に「冷え切った目」で見られ、メーガン妃が激しく動揺した場面が話題に

  • 2

    ロシア軍がミサイル発射「大失敗」、ロシア国内の住宅地に着弾する瞬間の映像

  • 3

    下着モデルをとっかえひっかえ...不倫騒動アダム・レヴィーンの「お相手」たち

  • 4

    ロシア警察、反戦詩人の肛門にダンベルで暴行

  • 5

    キャメロン・ディアスが告白「プールで◯◯しちゃった」

  • 6

    お色気バラドルから王室へ メーガン妃「サクセス」…

  • 7

    21歳の美人セレブのセクシー私服に賛否両論 「胸の…

  • 8

    プーチンが部分動員したロシア兵、もうウクライナに…

  • 9

    実写版『バービー』主演女優 ビジュアル完璧も、そ…

  • 10

    メーガン妃はイギリスで、キャサリン妃との関係修復…

  • 1

    キャサリン妃に「冷え切った目」で見られ、メーガン妃が激しく動揺した場面が話題に

  • 2

    メーガン妃はイギリスで、キャサリン妃との関係修復を狙ったが失敗した(王室専門家)

  • 3

    ロシア軍がミサイル発射「大失敗」、ロシア国内の住宅地に着弾する瞬間の映像

  • 4

    ロシア警察、反戦詩人の肛門にダンベルで暴行

  • 5

    なぜこんな不仲に...キャサリン妃に対するヘンリー王…

  • 6

    プーチン病気説の決定打?どう見ても怪しい動画

  • 7

    女王の棺に「敬礼」しなかったヘンリー王子...メーガ…

  • 8

    やはり「泣かせた」のはキャサリン妃でなく、メーガ…

  • 9

    血管年齢が13歳も若返る!? 循環器内科医が40代半ば…

  • 10

    「習近平」トレンド入り、自宅軟禁やクーデターの噂で

  • 1

    メーガン妃はイギリスで、キャサリン妃との関係修復を狙ったが失敗した(王室専門家)

  • 2

    キャサリン妃に「冷え切った目」で見られ、メーガン妃が激しく動揺した場面が話題に

  • 3

    ロシア軍がミサイル発射「大失敗」、ロシア国内の住宅地に着弾する瞬間の映像

  • 4

    エリザベス女王が、リリベットとの写真を断った「も…

  • 5

    なぜこんな不仲に...キャサリン妃に対するヘンリー王…

  • 6

    女王の棺に「敬礼」しなかったヘンリー王子...メーガ…

  • 7

    ロシア人観光客、防空システムS-400の位置をうっかり…

  • 8

    やはり「泣かせた」のはキャサリン妃でなく、メーガ…

  • 9

    カミラ夫人「いわくつき」シャネルバッグを、多くの…

  • 10

    【追跡写真】飛行経路で「中指を突き立てる」

PICTURE POWER

レンズがとらえた地球のひと・すがた・みらい

英会話特集
日本再発見 シーズン2
World Voice
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
ニューズウィーク日本版ウェブエディター募集

MOOK

ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中

STORIES ARCHIVE

  • 2022年10月
  • 2022年9月
  • 2022年8月
  • 2022年7月
  • 2022年6月
  • 2022年5月