最新記事

2020米大統領選

それでも僕らがトランプを支持する理由

YOUNG TRUMP SUPPORTERS

2019年11月8日(金)16時40分
ビル・パウエル(本誌シニアライター)

magw191108_Trump3.jpgツイートや口調に
違和感を覚える
こともあるが
大幅減税を実施し
経済が回るように
したことは
大いに評価できる
──ジェーソン・リーバス(22)

COURTESY OF TPUSA

リーバスのような学生はほかにもいる。法科大学院進学を目指すテキサス大学エルパソ校のディエゴ・モラレス(20)は民主党支持の家庭で育った。合法移民の受け入れに関してはトランプの政策に不満を持っていると、彼は話す。「口では合法移民は歓迎だと言うが、政策が伴っていない」

それでも「アメリカ人魂を復活させた」点は手放しで評価できると言う。トランプが最高裁判所の判事に保守派2人を指名したことも、中絶反対派のモラレスは大いに歓迎している。「彼の実績の中には評価できるものもある。だから2020年の大統領選ではトランプに入れようかと考えている」

トランプ再選に絶対的な自信

常識的に見れば、トランプは支持者を熱狂させるために人種攻撃や移民たたきを利用しているようだが、一部のトランプ派はその逆だと主張する。反トランプ派がトランプたたきのためにこの問題を利用している、というのだ。

4年間の陸軍勤務後、復学したジョージア州立大学の27歳のアフリカ系アメリカ人学生ベン・オケレケは、トランプが人種差別主義者だと言うリベラル派の主張をあざ笑う。「そう主張する連中は中身のある議論ができない。彼らには守るべき理念も立場もない。まともな議論ができず、(政策)議論から逃げている」

とはいえ、トランプ派の若者の中には、反トランプ派と対話を試みようとする人たちもいる。

カリフォルニア大学ロサンゼルス校の2年生、セルジオ・ベラスケス(19)は幼少期に親と共に不法入国したいわゆる「ドリーマー」で、オバマ前政権に強制送還を猶予された若者だ。2歳の時に母親と共にグアテマラから入国した。市民権がないため次期大統領選では投票はできないが、トランプ支持の活動には積極的だ。

「トランプの正直さ、本物さ」が好きだと言う。「思ったことを言い、貫く。そこがすごくいい」

彼は仲間と共に9月11日にキャンパスの真ん中にメッセージ入りのバナーをつり下げ、「トランプはそんなにひどくない。異論があるなら話し合おう」と掲げた。これが「本音の対話、本音の討論のきっかけになれば」と、ベラスケスは話す。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

米中、関税率を115%ポイント引き下げ スイスの閣

ビジネス

資生堂、1―3月期営業損益は黒字転換 米関税影響は

ビジネス

塩野義薬、今期11%営業増益を予想 4期連続で過去

ビジネス

シャープ、26年8月までに亀山第2工場を鴻海に譲渡
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
2025年5月 6日/2025年5月13日号(4/30発売)

「ゼロから分かる」各国・地域情勢の超解説と時事英語

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    心臓専門医が「絶対に食べない」と断言する「10の食品」とは?...理想は「1825年の食事」
  • 2
    シャーロット王女の「親指グッ」が話題に...弟ルイ王子との微笑ましい瞬間が拡散
  • 3
    「隠れ糖分」による「うつ」に要注意...男性が女性よりも気を付けなくてはならない理由とは?
  • 4
    使うほど脱炭素に貢献?...日建ハウジングシステムが…
  • 5
    ロシア機「Su-30」が一瞬で塵に...海上ドローンで戦…
  • 6
    SNSにはトップレス姿も...ヘイリー・ビーバー、ノー…
  • 7
    健康は「何を食べないか」次第...寿命を延ばす「5つ…
  • 8
    ロシア艦船用レーダーシステム「ザスロン」に、ウク…
  • 9
    「股間に顔」BLACKPINKリサ、ノーパンツルックで妖艶…
  • 10
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの…
  • 1
    心臓専門医が「絶対に食べない」と断言する「10の食品」とは?...理想は「1825年の食事」
  • 2
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの運動」とは?
  • 3
    健康は「何を食べないか」次第...寿命を延ばす「5つの指針」とは?
  • 4
    部下に助言した時、返事が「分かりました」なら失敗…
  • 5
    5月の満月が「フラワームーン」と呼ばれる理由とは?
  • 6
    SNSにはトップレス姿も...ヘイリー・ビーバー、ノー…
  • 7
    シャーロット王女の「親指グッ」が話題に...弟ルイ王…
  • 8
    「2025年7月5日に隕石落下で大災害」は本当にあり得…
  • 9
    ロシア機「Su-30」が一瞬で塵に...海上ドローンで戦…
  • 10
    使うほど脱炭素に貢献?...日建ハウジングシステムが…
  • 1
    心臓専門医が「絶対に食べない」と断言する「10の食品」とは?...理想は「1825年の食事」
  • 2
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 3
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 4
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの…
  • 5
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 6
    健康は「何を食べないか」次第...寿命を延ばす「5つ…
  • 7
    「2025年7月5日に隕石落下で大災害」は本当にあり得…
  • 8
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
  • 9
    【クイズ】世界で2番目に「軍事費」が高い国は?...1…
  • 10
    MRI検査で体内に「有害金属」が残留する可能性【最新…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中