最新記事

2020米大統領選

それでも僕らがトランプを支持する理由

YOUNG TRUMP SUPPORTERS

2019年11月8日(金)16時40分
ビル・パウエル(本誌シニアライター)

トランプ支持の学生はキャンパスでは少数派。彼らの活動は若年層の票の行方に影響を与えるか DREW ANGERER-BLOOMBERG/GETTY IMAGES

<リベラルなキャンパスで現政権支持は裏切り者? トランプたたきに物申す若者たちの本音>

あの日まで、ストルミ・ロドリゲス(21)は人種差別的な言葉をぶつけられたことは一度もなかった。

生まれ育ったテキサス州ミッションは、メキシコとの国境から110キロほどの場所。アメリカでも特にヒスパニック系住民が多い地域で、メキシコ系アメリカ人でシングルマザーの母親と「平凡で平穏な日々」を過ごしていた。

2016年のある日、テキサス州立大学に通うロドリゲスは、「アメリカを再び偉大に」というロゴ入りの赤い野球帽をかぶった写真をフェイスブックに投稿した。すると即座に、米大統領選に出馬していた共和党候補ドナルド・トランプを嫌う左派から暴言を浴びせられた。移民差別の言葉も飛び交い、大学では同級生に「人種の裏切り者と呼ばれた」。

今も若い有権者にとってトランプ大統領支持を公言することは容易ではない。今年8月にはテキサス州エルパソとオハイオ州デイトンで銃乱射事件が相次いだ。一部で移民問題との関係が示唆され、逆風はさらに強まっている。

ポップカルチャーやマスメディアの大半が、毎日のようにトランプを嘲笑する。大学の教員はほぼ例外なく、同級生も大多数がトランプに敵意を抱いていると、トランプを支持する大学生たちは語る。テキサス州のような共和党の牙城でさえ、若い人々がトランプ支持を貫くにはかなりの気骨が必要だ。

しかし、今回、話を聞いた十数人の若いトランプ支持者は、自分なりの理由を明確に語ってくれた。

彼らはトランプを差別主義者とは思っておらず、自分たちがそのようなレッテルを貼られることも拒否する。さらに、何か不快な言動があるたびにSNSでボイコットを呼び掛ける「キャンセル・カルチャー」や、ポリティカル・コレクトネス(政治的正しさ)にうんざりしている。

若いトランプ支持者に言わせれば、自分たちこそ、昔から若い世代が政治で担うべき役割を果たしている。反抗心を持ち、体制に従わず、エスタブリッシュメントに対抗して、自分が信じるもののために立ち上がるのだ。

彼らにとってのエスタブリッシュメントは、「極左の考え」に足並みをそろえて従うことを要求する文化だと、今年コロラド州立大学を卒業したイザベル・ブラウン(22)は指摘する。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

ハイチ、ギャングの襲撃で少なくとも70人死亡=人権

ワールド

レバノンでインドネシア国連要員3人死亡、イスラエル

ビジネス

2月小売業販売額は前年比-0.2%=経産省(ロイタ

ワールド

メキシコは利下げ打ち止め近い=中銀総裁
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:日本企業に迫る サステナビリティ新基準
特集:日本企業に迫る サステナビリティ新基準
2026年4月 7日号(3/31発売)

国際基準の情報開示や多様な認証制度──本当の「持続可能性」が問われる時代へ

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「根底にあるのは怒り」...日本の「3Dプリンター住宅」企業が救う、ウクライナの未来
  • 2
    「水に流す」日本と「記憶する」韓国...気候と地理が育んだ「国民意識の違い」とは?
  • 3
    アリサ・リュウの自由、アイリーン・グーの重圧
  • 4
    ロシア経済を支える重要な港、ウクライナのものと思…
  • 5
    なぜイスラエルは対イラン戦争を支持するのか...「イ…
  • 6
    初の女性カンタベリー大主教が就任...ウィリアム皇太…
  • 7
    攻撃開始日も知っていた?──イラン戦争を巡る巨額取引…
  • 8
    ビートルズ解散後の波乱...「70年代のポール・マッカ…
  • 9
    記憶を定着させるのに年齢は関係ない...記憶の定着度…
  • 10
    ヘンリー・メーガン夫妻の豪州訪問に3万6000人超の反…
  • 1
    ヘンリー・メーガン夫妻の豪州訪問に3万6000人超の反対署名...「歓迎してない」の声広がる
  • 2
    「根底にあるのは怒り」...日本の「3Dプリンター住宅」企業が救う、ウクライナの未来
  • 3
    「水に流す」日本と「記憶する」韓国...気候と地理が育んだ「国民意識の違い」とは?
  • 4
    三笠宮彬子さまも出席...「銀河の夢か、現実逃避か」…
  • 5
    中国の公衆衛生レベルはアメリカ並み...「ほぼ国民皆…
  • 6
    記憶を定着させるのに年齢は関係ない...記憶の定着度…
  • 7
    中国最大の海運会社COSCOがペルシャ湾輸送を再開──緊…
  • 8
    映画『8番出口』はアメリカでどう受け止められた?..…
  • 9
    ロシア経済を支える重要な港、ウクライナのものと思…
  • 10
    作者が「投げ出した」? 『チェンソーマン』の最終…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 3
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 4
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期ス…
  • 5
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え…
  • 6
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が…
  • 7
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 8
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビ…
  • 9
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製…
  • 10
    縫いぐるみが相棒、孤独なサル「パンチくん」がバズ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中