最新記事

トランプ弾劾

ホワイトハウス当局者、ウクライナ支援巡る交換条件の存在認める

2019年10月18日(金)13時21分

マルバニー米大統領首席補佐官代行(写真)は、トランプ大統領がウクライナへの軍事支援をいったん保留したのは、2016年米大統領選に関する調査を同国に求めるためだったと述べた。政権関係者が支援と調査の関連性を認めるのは初めて。写真はワシントンで撮影(2019年 ロイター/Leah Millis)

マルバニー米大統領首席補佐官代行は17日、トランプ大統領がウクライナへの軍事支援をいったん保留したのは、2016年米大統領選に関する調査を同国に求めるためだったと述べた。政権関係者が支援と調査の関連性を認めるのは初めて。

トランプ大統領や政権関係者はこれまで、軍事支援に当たり交換条件を求めた事実はないと主張してしてきた。

マルバニー氏は記者ブリーフィングで、軍事支援が保留されたのは、民主党全国委員会(DNC)のコンピューターサーバーがウクライナにあるとのトランプ大統領の懸念が一因だったと明らかにした。

それは交換条件だと記者から指摘されると、「外交政策では常にあることだ」と答えた。「これからは政治が外交政策に影響する」とも述べた。

マルバニー氏はその後、ホワイトハウスの声明で、交換条件は一切なかったと主張した。

トランプ大統領はウクライナのゼレンスキー大統領との7月25日の電話会談で「頼みごと」があるとし、DNCのサーバーや、DNCが2016年に党の電子メールへのハッカー攻撃について調査を依頼したカリフォルニアのサイバーセキュリティー会社クラウドストライクについて調べるよう促した。

マルバニー氏の発言に先立ち、ソンドランド駐欧州連合(EU)大使は、弾劾調査進める下院委員会に書面で証言を提出した。

その中で大使は、トランプ大統領がウクライナ政策については顧問弁護士のジュリアーニ元ニューヨーク市長と直接話すよう5月下旬の米政府高官との会議で指示したことを明らかにした。これを受け、大統領が米外国政策を民間人に任せているとの懸念が高まったという。

ソンドランド大使は、自身に加え、ペリー・エネルギー長官とボルカー・ウクライナ担当特別代表(当時)はトランプ大統領の指示に失望したが、それでも命令に従ったとした。

その上で「誰が見ても、ウクライナについて大統領の翻意を促すにはジュリアーニ氏が鍵だということは明白だった」と指摘した。

[ワシントン 17日 ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2019トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます




20191022issue_cover200.jpg
※10月22日号(10月16日発売)は、「AI vs. 癌」特集。ゲノム解析+人工知能が「人類の天敵」である癌を克服する日は近い。プレシジョン・メディシン(精密医療)の導入は今、どこまで進んでいるか。



今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

クレディ・アグリコル、28年の純利益目標設定 市場

ワールド

中国の世界的な融資活動、最大の受け手は米国=米大学

ビジネス

S&P、丸紅を「A─」に格上げ アウトルックは安定

ワールド

中国、米国産大豆を買い付け 米中首脳会談受け
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界も「老害」戦争
特集:世界も「老害」戦争
2025年11月25日号(11/18発売)

アメリカもヨーロッパも高齢化が進み、未来を担う若者が「犠牲」に

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    「ゲームそのまま...」実写版『ゼルダの伝説』の撮影風景がSNSで話題に、「再現度が高すぎる」とファン興奮
  • 3
    悪化する日中関係 悪いのは高市首相か、それとも中国か
  • 4
    「中国人が10軒前後の豪邸所有」...理想の高級住宅地…
  • 5
    【銘柄】ソニーグループとソニーFG...分離上場で生ま…
  • 6
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 7
    「まじかよ...」母親にヘアカットを頼んだ25歳女性、…
  • 8
    山本由伸が変えた「常識」──メジャーを揺るがせた235…
  • 9
    南京事件を描いた映画「南京写真館」を皮肉るスラン…
  • 10
    マイケル・J・フォックスが新著で初めて語る、40年目…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披露目会で「情けない大失態」...「衝撃映像」がSNSで拡散
  • 4
    「死ぬかと思った...」寿司を喉につまらせた女性を前…
  • 5
    【銘柄】ソニーグループとソニーFG...分離上場で生ま…
  • 6
    【写真・動画】「全身が脳」の生物の神経系とその生態
  • 7
    筋肉の正体は「ホルモン」だった...テストステロン濃…
  • 8
    「イケメンすぎる」...飲酒運転で捕まった男性の「逮…
  • 9
    「中国人が10軒前後の豪邸所有」...理想の高級住宅地…
  • 10
    ヒトの脳に似た構造を持つ「全身が脳」の海洋生物...…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 4
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 5
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 6
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 7
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 10
    今年、記録的な数の「中国の飲食店」が進出した国
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中