<ロサンゼルス市警がツイートした地下鉄駅で歌っていたホームレス女性の動画が大きな話題になり、この女性に続々とオファーが届いている......>

21世紀のアメリカンドリームは1本のSNSから

9月27日、1本のツイッター動画が、ある女性の人生を変えた。米ロサンゼルスの地下鉄駅で歌っていたホームレス女性の歌声に感動したロサンゼルス市警(LAPD)の警官が、動画を撮って次のように書いてツイッターに投稿した。「LAを自分の街だと呼ぶ人は400万人。400万の物語がある。400万の声がある......足を止めてひとつの声に耳を傾けずにいられなくなることもある。美しいものを聞くために」

このツイートは6000回以上リツイートされ、現在の動画再生回数は110万回以上に達している。米NBCニュースは、動画があまりにも話題になったため、この人物が誰なのかを割り出そうと南カリフォルニアは大騒ぎになったと伝えている。

女性は、約30年前にロシアから米国にわたったエミリー・ザモールカさん(52)だということが明らかになった。ザモールカさんは、正式に音楽を学んだことはない。ロサンゼルス・タイムズ(LAタイムズ)によると、ロシアに住んでいた子どもの頃、テレビでやっていたオペラを真似して歌を覚えた。高校でバイオリンとピアノの弾き方を教わった。

24歳の時に米国に移り、ミズーリー州やワシントン州などで暮らしていた。すい臓と肝臓の不調に悩まされ、ロシア出身の友人にロサンゼルスの病院を紹介され、ロスにやってきたようだ。数カ月の入院を経てようやく体調が回復すると、音楽を教えながら生計を立てていた。

しかし金銭的に援助してくれていた友人が亡くなり、生活費の足しとして路上でバイオリンを弾くようになったという。またCBSロサンゼルスなどによると、体調を崩したときの医療費がかさみ、その返済にも苦労していたようだ。

そんなとき、1万ドル相当という商売道具のバイオリンが人に取られ、壊されてしまった。そのため家賃が払えなくなり、住んでいた家を追い出されてしまった。ザモールカさんはNBCロサンゼルスに対し、バイオリンは「私の収入源。すべてだった」と話している。そして今度は、絶対に盗まれない楽器──声を使ってパフォーマンスを始めたのだ。

レコードデビューも間近か