最新記事

香港

中国返還記念日を迎えた香港 デモ隊が議会へ突入はかり機動隊と衝突

2019年7月1日(月)16時15分

香港が中国に返還された記念日にあたる1日、香港で数百人のデモ隊が朝から機動隊とにらみ合った。写真はにらみあう両者。香港で撮影(2019年 ロイター/Thomas Peter)

香港が中国に返還された記念日にあたる1日、中国本土への容疑者引き渡しを可能にする「逃亡犯条例」改正に反対するデモ隊が、金属製のカートを入り口に打ち付けるなどして、議会にあたる立法府への突入を試みた。

100人以上の機動隊員が警棒で参加者を殴りつけたり、催涙スプレイを使用するなどして抗議デモの封じ込めを図っている。

先月には、条例改正に反対する数百万人がデモに参加。警官隊は催涙ガスを使ってデモ隊の強制退去を図った。

その後、香港の林鄭月娥(キャリー・ラム)行政長官は、改正案が事実上廃案になるとの見通しを示したが、デモ隊が要求する「完全撤回」には踏み込まなかった。

辞任を求める声が強まる行政長官は1日、同式典に出席するため、約2週間ぶりに公の場に姿を現した。

長官は「ここ数カ月間に起きた出来事が論争や市民と政府との対立につながった。私は政治家として、正確に民意を把握すべきといつでも自分に言い聞かせる必要があることに明確に気付かされた」と述べた。

「この出来事を受けて教訓をくみ取り、社会の期待や民意、世論にさらに寄り添う施政を行いたい」と強調した。

最近の抗議デモの主催者は、改正案を撤回しなかった政府に対する怒りから、1日の集会への参加者は増えるとの見方を示した。

香港英字紙サウスチャイナ・モーニング・ポストは匿名筋の話として、機動隊約5000人が警戒する見通しだと報じた。

1日は香港金融市場は休場となり、大半の企業が休業する。

*見出しと内容を更新しました。

[香港 1日 ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2019トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

ニューズウィーク日本版 日本時代劇の挑戦
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年12月9日号(12月2日発売)は「日本時代劇の挑戦」特集。『七人の侍』『座頭市』『SHOGUN』 ……世界が愛した名作とメイド・イン・ジャパンの新時代劇『イクサガミ』/岡田准一 ロングインタビュー

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ビジネス

アングル:AI導入でも揺らがぬ仕事を、学位より配管

ワールド

アングル:シンガポールの中国人富裕層に変化、「見せ

ワールド

チョルノービリ原発の外部シェルター、ドローン攻撃で

ワールド

焦点:闇に隠れるパイロットの精神疾患、操縦免許剥奪
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:日本時代劇の挑戦
特集:日本時代劇の挑戦
2025年12月 9日号(12/ 2発売)

『七人の侍』『座頭市』『SHOGUN』......世界が愛した名作とメイド・イン・ジャパンの新時代劇『イクサガミ』の大志

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 2
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺るがす「ブラックウィドウ」とは?
  • 3
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価に与える影響と、サンリオ自社株買いの狙い
  • 4
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 5
    ホテルの部屋に残っていた「嫌すぎる行為」の証拠...…
  • 6
    「搭乗禁止にすべき」 後ろの席の乗客が行った「あり…
  • 7
    【クイズ】アルコール依存症の人の割合が「最も高い…
  • 8
    『羅生門』『七人の侍』『用心棒』――黒澤明はどれだ…
  • 9
    仕事が捗る「充電の選び方」──Anker Primeの充電器、…
  • 10
    ビジネスの成功だけでなく、他者への支援を...パート…
  • 1
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 2
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺るがす「ブラックウィドウ」とは?
  • 3
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」が追いつかなくなっている状態とは?
  • 4
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 5
    戦争中に青年期を過ごした世代の男性は、終戦時56%…
  • 6
    イスラエル軍幹部が人生を賭けた内部告発...沈黙させ…
  • 7
    【クイズ】アルコール依存症の人の割合が「最も高い…
  • 8
    【銘柄】関電工、きんでんが上昇トレンド一直線...業…
  • 9
    人生の忙しさの9割はムダ...ひろゆきが語る「休む勇…
  • 10
    7歳の息子に何が? 学校で描いた「自画像」が奇妙す…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 4
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 5
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 6
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 7
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 8
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 9
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 10
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中