最新記事

人権問題

香港逃亡犯条例への抗議デモ拡大 行政長官辞任求める大規模集会も

2019年6月11日(火)19時55分

6月11日、香港での中国本土への容疑者引き渡しを可能にする「逃亡犯条例」改正案に反対する大規模デモは一段と激しさを増しており、ストライキ、交通機関の徐行運転、ピクニックなどさまざまな形で抗議行動を展開している。写真は立法府前を警備する警察官(2019年 ロイター/Thomas Peter)

香港での中国本土への容疑者引き渡しを可能にする「逃亡犯条例」改正案に反対する大規模デモは一段と激しさを増しており、ストライキ、交通機関の徐行運転、ピクニックなどさまざまな形で抗議行動を展開している。

改正案は域内のほか海外を含めて異例の広範囲な反発を招いており、香港は政治危機に陥っている。12日には、親中国派主導の立法会(議会)で第2回審議が行われる。

9日には市内で平和裏の行進が行われたが、立法会の周辺に配置された警官隊が10日午前、数百人のデモ隊と衝突した。

香港の林鄭月娥(キャリー・ラム)行政長官は11日、記者会見で抗議行動について警告。「学校、保護者、団体、企業、労組に対し、こうした過激な行為を擁護している場合は、真剣に考えるよう求める」と述べた。

人権団体は、恣意的拘束、自白強要、中国での弁護士確保に伴う問題などを根拠に、改正案を進めるべきでないと訴えている。

ネット上では、現地時間11日午後10時(日本時間午後11時)から12日まで立法会を包囲する5万人規模の活動が呼び掛けられた。12日にはまた、行政長官の辞任を求める大規模集会が予定されている。

さらに、オンライン調査によると、香港には珍しく、飲食店や雑貨店、書店、コーヒーショップなど、小規模小売店を中心に約2000店が、スト実施を宣言している。

このほか、一部の教育機関、ホテル、法律事務所、社会福祉関係者、約4000人の教員も、スト実施と12日のデモ参加を公言している。

[香港 11日 ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2019トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

ニューズウィーク日本版 高市早苗研究
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年11月4日/11日号(10月28日発売)は「高市早苗研究」特集。課題だらけの日本の政治・経済・外交を初の女性首相はこう変える

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら



今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

UBS、第3四半期純利益は予想上回る74%増 ディ

ビジネス

アングル:NT倍率が最高水準に接近、日経平均の「A

ビジネス

NEC、通期業績予想を上方修正 国内IT好調で

ビジネス

米財務長官の発信にコメント控える、日銀会合も踏まえ
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:高市早苗研究
特集:高市早苗研究
2025年11月 4日/2025年11月11日号(10/28発売)

課題だらけの日本の政治・経済・外交を初の女性首相はこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【話題の写真】自宅の天井に突如現れた「奇妙な塊」にSNS震撼、誰もが恐れる「その正体」とは?
  • 2
    コレがなければ「進次郎が首相」?...高市早苗を総理に押し上げた「2つの要因」、流れを変えたカーク「参政党演説」
  • 3
    庭掃除の直後の「信じられない光景」に、家主は大ショック...ネットでは「ラッキーでは?」の声
  • 4
    【クイズ】開館が近づく「大エジプト博物館」...総工…
  • 5
    「ランナーズハイ」から覚めたイスラエルが直面する…
  • 6
    楽器演奏が「脳の健康」を保つ...高齢期の記憶力維持…
  • 7
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦…
  • 8
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 9
    リチウムイオンバッテリー火災で国家クラウドが炎上─…
  • 10
    「何これ?...」家の天井から生えてきた「奇妙な塊」…
  • 1
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 2
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 3
    中国レアアース輸出規制強化...代替調達先に浮上した国は?
  • 4
    【話題の写真】自宅の天井に突如現れた「奇妙な塊」…
  • 5
    超大物俳優、地下鉄移動も「完璧な溶け込み具合」...…
  • 6
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
  • 7
    熊本、東京、千葉...で相次ぐ懸念 「土地の買収=水…
  • 8
    報じられなかった中国人の「美談」
  • 9
    庭掃除の直後の「信じられない光景」に、家主は大シ…
  • 10
    【2025年最新版】世界航空戦力TOP3...アメリカ・ロシ…
  • 1
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 2
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になりやすい人」が持ち歩く5つのアイテム
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    「大谷翔平の唯一の欠点は...」ドジャース・ロバーツ…
  • 5
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 6
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレ…
  • 7
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 8
    バフェット指数が異常値──アメリカ株に「数世代で最…
  • 9
    「日本の高齢化率は世界2位」→ダントツの1位は超意外…
  • 10
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中