最新記事

セキュリティ

MITなど米大学に寄りそう危険なパートナー 中国AI監視企業が資金援助

2019年6月20日(木)11時37分

声紋システム

中国科学技術省は2017年11月、1999年創業のアイフライテックを、声紋関連のAI研究における国のトップ企業に位置付けた。

国有通信会社の中国移動がアイフライテック株式の12.85%を保有する筆頭株主であることが、4月に公表された2018年の年次報告書から分かる。

アイフライテック子会社がカシュガル当局に声紋収集システム機材を納品する前述の契約について、ロイターはアイフライテックや新疆ウイグル自治区当局に取材したが、契約が実行に移されたかは確認できなかった。

また、別の子会社が同自治区の刑務所運営機関と結んだ、人間の言語や法的書類を翻訳するシステムの協力についての戦略的契約は、2017年5月に結ばれている。

自治区当局に連絡を取ったが、契約について回答は得られなかった。

政府の調達データベースには、アイフライテック子会社もしくはその前身企業が登場する契約が他に31件あり、2014─18年にかけて、中国の25の警察当局と中国公安部に声紋関連の製品やサービスを提供している。ほとんどの契約が、アイフライテックが本社を置く安徽省の警察当局とのものだった。

25の警察当局のうち8当局と公安部が、過去にアイフライテックの声紋技術を使ったり、現在も使っていることを確認した。

安徽省績渓県の警察当局者ガオ・カン氏は、アイフライテックの声紋収集機材を2015年に購入し、現在も使っていると認めた。また、「犯罪容疑者や法を破った疑いがある人物がわれわれの事件取り扱い部署に来れば、必ず声紋を収集している」と電話で語った。

人権団体ヒューマンライツウォッチのマヤ・ワン研究員は、2018年5月に同自治区住民に行った聞き取り調査で、警察署に連行され、録音機材とみられる機械の前で新聞を読んだり、歌を歌ったり、物語を朗読するよう求められたとの証言があったと語る。

新疆ウイグル自治区では、100万人以上が収容所で拘束されていると人権活動家は主張。当局側は、生体的特徴や行動上の特徴を利用して本人認証を行うさまざまなバイオメトリクス技術を用いて住民を追跡している。

中国側は、イスラム過激派を取り締まるために正当化される行動だと主張。3月には同自治区のトップは収容所のことを「寄宿学校」だと表現した。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

サマーズ元米財務長官、ハーバード大教授辞任 エプス

ワールド

米、イラン核合意の「無期限維持」必要━特使=報道

ビジネス

高インフレはFRBの重要課題、雇用は良好=米カンザ

ワールド

トランプ氏、イランとの外交的解決なお望む=バンス副
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:日本人が知らない AI金融の最前線
特集:日本人が知らない AI金融の最前線
2026年3月 3日号(2/25発売)

フィンテックの進化と普及で、金融はもっと高速に、もっとカジュアルに

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    村瀬心椛は「トップでなければおかしい」...スノボの謎判定に「怒りの鉄拳」、木俣椋真の1980には「ぼやき」も
  • 2
    3頭のクマがスキー客を猛追...ゲレンデで撮影された「恐怖の瞬間」映像が話題に
  • 3
    最高裁はなぜ「今回は」止めた?...トランプ関税を違憲とした「単純な理由」
  • 4
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 5
    2月末に西の空で起こる珍しい天体現象とは? 「チャ…
  • 6
    【クイズ】サメによる襲撃事件が最も多い国はどこ?
  • 7
    命は長し、働け女たち――88歳「働くばあさん」が説く…
  • 8
    米国の中国依存が低下、台湾からの輸入が上回る
  • 9
    「バカにされてる」五輪・選手村で提供の「アメリカ…
  • 10
    「IKEAも動いた...」ネグレクトされた子猿パンチと「…
  • 1
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より日本の「100%就職率」を選ぶ若者たち
  • 2
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医師がすすめる意外な健康習慣
  • 3
    命は長し、働け女たち――88歳「働くばあさん」が説く高齢期の「4つの覚悟」
  • 4
    「水道水」が筋トレの成果を左右する...私たちの体に…
  • 5
    「#ジェームズ・ボンドを忘れろ」――MI6初の女性長官…
  • 6
    カビが植物に感染するメカニズムに新発見、硬い表面…
  • 7
    海外(特に日本)移住したい中国人が増えている理由.…
  • 8
    100万人が死傷、街には戦場帰りの元囚人兵...出口な…
  • 9
    米国の中国依存が低下、台湾からの輸入が上回る
  • 10
    ロシアに蔓延する「戦争疲れ」がプーチンの立場を揺…
  • 1
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 2
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 3
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 4
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 5
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 6
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 7
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
  • 8
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 9
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 10
    「罠に嵌められた」と主張するが...欧州で次々と摘発…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中