最新記事

セキュリティ

MITなど米大学に寄りそう危険なパートナー 中国AI監視企業が資金援助

2019年6月20日(木)11時37分

適正な手続き

MITへの寄付は、アイフライテックが近年行ってきた研究支援の一例であり、同社は北米の他大学などとも協力関係を結んでいる。

2015年10月には、トロントのヨーク大が、アイフライテックからニューラル計算と機械学習の研究室新設などのため150万ドル(約1億6200万円)の寄付を受けたと発表した。

同大の代表は、2015年のアイフライテックの寄付は既存の研究を支援するもので、研究結果は公表され、その内容は声紋認識技術とは関係がないとメールで説明した。

2017年4月には、ラトガーズ・ビジネススクールが、「ビジネスインテリジェンス」とデータマイニングを手掛けるビッグデータ研究所の新設に向けた5カ年計画に、アイフライテックから100万ドルの寄付を受けたと発表した。同大は、この計画が相互了解の上、2月に終了したと述べたが、理由は明らかにしなかった。

2018年の年次報告書で、アイフライテックはプリンストン大との「戦略的協力」に言及。サイト上で、この協力は計算数学や応用数学に関するものだとしていたが、12日時点でこのページは閲覧できなくなっている。

同大広報担当者は、アイフライテックが「所属する研究者1人の基礎研究を支援するための寄付」を行ったことを認めたが、戦略的な協力合意はないと述べた。また、研究員は契約締結前に、定められたデューディリジェンスの手続きに従うことを義務付けられていると付け加えた。

(翻訳:山口香子、編集:下郡美紀)

Alexandra Harney

[上海 ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2019トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

20240423issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2024年4月23日号(4月16日発売)は「老人極貧社会 韓国」特集。老人貧困率は先進国最悪。過酷バイトに食料配給……繫栄から取り残され困窮する高齢者は日本の未来の姿

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

TSMC株が6.7%急落、半導体市場の見通し引き下

ワールド

イスラエルがイラン攻撃と関係筋、イスファハン上空に

ビジネス

午後3時のドルは154円前半、中東リスクにらみ乱高

ビジネス

日産、24年3月期業績予想を下方修正 販売台数が見
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:老人極貧社会 韓国
特集:老人極貧社会 韓国
2024年4月23日号(4/16発売)

地下鉄宅配に古紙回収......繁栄から取り残され、韓国のシニア層は貧困にあえいでいる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 2

    止まらぬ金価格の史上最高値の裏側に「中国のドル離れ」外貨準備のうち、金が約4%を占める

  • 3

    「毛むくじゃら乳首ブラ」「縫った女性器パンツ」の衝撃...米女優の過激衣装に「冗談でもあり得ない」と怒りの声

  • 4

    中国のロシア専門家が「それでも最後はロシアが負け…

  • 5

    価値は疑わしくコストは膨大...偉大なるリニア計画っ…

  • 6

    中ロ「無限の協力関係」のウラで、中国の密かな侵略…

  • 7

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 8

    休日に全く食事を取らない(取れない)人が過去25年…

  • 9

    「イスラエルに300発撃って戦果はほぼゼロ」をイラン…

  • 10

    日本の護衛艦「かが」空母化は「本来の役割を変える…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 3

    NASAが月面を横切るUFOのような写真を公開、その正体は

  • 4

    犬に覚せい剤を打って捨てた飼い主に怒りが広がる...…

  • 5

    攻撃と迎撃の区別もつかない?──イランの数百の無人…

  • 6

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 7

    アインシュタインはオッペンハイマーを「愚か者」と…

  • 8

    天才・大谷翔平の足を引っ張った、ダメダメ過ぎる「無…

  • 9

    帰宅した女性が目撃したのは、ヘビが「愛猫」の首を…

  • 10

    ハリー・ポッター原作者ローリング、「許すとは限ら…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこと」目からうろこの健康法

  • 4

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の…

  • 5

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

  • 10

    浴室で虫を発見、よく見てみると...男性が思わず悲鳴…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中